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失われたものと復元されたもの間へと

芸術祭は魅力的な場所で、それはいつかどこかと

つながるように。アートを楽しみ、また石垣が刻む時
の中を歩く。それは圧倒的な質量で空間を立ち上げ、
400年の時を経て、今にかつての時代の空気を伝える。
アートをたどり訪れた場所の、不在と実在の間へと。


引き続き、連続する石垣の圧倒的な質量や
その質感に長い年月の経過を感じる
時間の流れに、緑は石垣を包み込ようで
その下を石垣の表情の違いを感じながら進むと
空が広がる場所へと出る。ここはかつて本丸御殿があった場所
空間を取り囲む石垣に沿う階段を上り
石垣の上から、周囲に広がる津山の街の風景を一望する
再び独特なシルエットの津山文化センターを見下ろしつつ
そびえ立つ石垣をたどる。石垣といっても、石の積み方は
様々で、荒々しく不安定なものあれば、整えられて
算木積で構成された石垣の隅部は、寄り集まって線となる
緑と石垣が織りなす立体的な風景をめぐり
石垣の表面に染み込むような長い時の流れを感じ
開けた空間に、本丸御殿の壮大さを思い浮かべる
津山城跡の案内図には、かつての本丸御殿の見取り図も
城跡をぐるりとめぐり、最初に通った表中門を見下ろしつつ
復元された備中櫓の空に溶けるような漆喰の壁を見上げては
迷路のように入り組んだ石垣の間をつたい
かつてそこにあった天守の方へと進む
津山城の天守は地上五階建てで、基壇となる石垣を除いても
高さ22mあったといい、五層の天守としては最大規模にも
天守跡に上り、復元された備中櫓が伝える確かな歴史と
ぽっかりと空いた空間に、かつての五層の天守の存在を感じる
天守跡の石垣は様々な形で構成されていて
中には愛の奇石なるハートの形をした石も
石垣の持つ時の流れに沿うように、ぐるりとめぐり
かつてそこに建っていた五層の天守に思いはせつつ
その石垣の向こうにつながる町の風景も楽しみながら
塀瓦の下に続く四角の意匠は、整えられた石垣の上で
四角の矢狭間につながり
建物の垂木のリズムに連続して。津山城を
象徴する建物でもある備中櫓は、2005年に築城当時の方法に
沿って復元された。内部は通常の櫓とは異なり、本丸御殿の
一部として使われていたと考えられている。内部は唐紙や
引手にも、森家の鶴の丸の家紋があしらわれ繊細な空間に
両翼を丸く上に掲げた鶴丸は長寿の象徴でもある
繊細な仕上げに対し、窓枠は外部からの侵入を防ぐがっしりと
備中櫓を外から内から、当時の生活の様子も感じ

備中櫓の復元の歩みも興味深く振り返る

備中櫓を後にして石垣をめぐり、また正面に
反り立つ石垣の上にその姿を眺めつつ
今回は津山城を左回りで、本丸に広がる空間をめぐってきた
また最初の入口へとつながる道を進み
春になれば桜で満たされる風景にも思いはせ
津山城跡を後にして旅を続けて

歴史を様々な角度で楽しみながら

模型から津山城の全体像や山との関係も

また再現されたCGで本丸の構成も詳しく知る

またあらためて津山城を振り返る

津山城跡をめぐる。失われたもの、生み出されるもの。
長き時を刻むもの、今この時代に立ち上げられるもの。
時の流れに風景はうつろい、その間に立ち会うように
この時代の一瞬を歩く。確かなものと、不確かなもの
の境界にふれ、旅するほどに広がる景色を楽しんで。


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