そして建物自体もアートのように
街は常にゆるやかに変化し続けて、訪れるほどに
風景の角度を、連続性を楽しみながら先へと進む。自分
の視点によっても、街はまた別の一面を見せる。それを
繰り返し重ねることで、記憶の中の建物はゆるやかに
立ち上がり、その先に建つ建物自体もアートのように。

角度によって大きく印象を変える建物や

街に散りばめられたアートの要素をたどる

川の向こうのビルに映るアートの気配を感じながら

堂島川沿いの移りゆく街並みを観測するように

またたどり着いたのは堂島川に面した
建物自体もアートのような佇まいの美術館

もちろんその建物はアートのうつわとなり
そこを舞台とするアートの背景にもなる

美術館の前で訪れる人を出迎えてくれるのは
宇宙服を着た猫。その猫は博多の街の中にもいて

猫の名はSHIP’S CAT(Muse)。その名は美術館の守り神にも

なるようにと願いが込められて。それはまた日本の各地で

人々を見守ってくれている。SHIP’S CAT(ONK-2)は
おにクルから旅立ってしまったけど、またどこかで

ゆるやかな猫のシルエットの向こうには懐かしいビル

訪れる人に親しまれているSHIPS CATは、美術館の前庭から
大阪の街を見守る存在ともなる

美術館は建物に入る前から、美術館としての役割を担い

黒い外壁の先には、隣のビルの赤と青と白のラッピング
美術館はアートのうつわにも、周囲の背景にもなって

そして軒天の仕上げは、内部へと続き

連続する素材に導かれるように、建物の奥へ進む

内部の抑制された素材感は、建物を舞台として

踊るようなアートの背景にもなる

今にも動き出しそうな、躍動感のある作品は

バリー・フラナガンによる野うさぎの連作の一部で

日本各地で訪れる人を元気にもさせている
うさぎも、SHIPS CATも共に旅する仲間のように

また大阪中之島美術館といえば、建物自体がアートの要素を

帯びていて、壁、天井、続く階段、エスカーレーターの構成が

その空間を認識させる様々な視点を作り出し

移動するほどに、空間は変容していく

空間を移動する人々を演者のように

うつろう空間の質の変化をなぞるように

抜ける視線と、交差する光と空間と

建物自体をアートのようにも楽しみながら

今回訪れたのは、2024年11月にも開催されていた展覧会

エスカレーターの先には、全長7.2m巨大なロボットの彫刻も

それは子どもの守護神のようにというコンセプトで

その巨大なロボットのパーツは力強く
2005年に作られたロボットは円を描くように各地を

転々と旅を重ね、今は大阪中之島美術館の常設展示として

訪れる人々を、驚かせ、楽しませている
その大きな彫刻は長い長い旅をしてここへ

ロボットの奥の傾いた窓桟は、中之島美術館のNの文字に

つながるように、椅子のデザインもNのモチーフに
建物は緩やかにアートやデザインのうつわにもなる

そして建物がアートのようにも、アートのうつわにもなる

大阪中之島美術館で開催されていた展覧会へ
美術館はアートを内包する建物でもあり、それ自体が
アートを象徴する存在でもある。散りばめられた作品
は空間と呼応し訪れる者に驚きを与え、美術館の持つ
空間は、アートへの期待を高めるように構成される。
そして空間に飛び交うエスカレーターの先の作品へ。
