仕事力を上げる方法
本日の言葉。
人は物事を繰り返す存在である。つまり、優秀さとは行動ではなく、習慣である。
(アリストテレス)
仕事力とは
一般的に「仕事力」は、職場で成果を出すための総合的な力のことを指します。
単なるスキルだけでなく、考え方や人との関わり方も含んだ広い概念です。
よく含まれる要素を整理すると、次のようになります。
①基礎能力
読解力、コミュニケーションなど
②考える力
問題発見、情報収集、判断力
③行動力
計画性、実行力、やり遂げる力
④人と働く力
協調性、チームワーク、助言力
⑤マインド
責任感、主体性、チャレンジ意欲
これらは「社会人基礎力」や「職業能力」といった名前でも整理されており、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力などに分けて説明されることもあります。
職務経験を重ねる段階
Ⅰ 自らの働く意識を形成する段階
1.働く意識と取組(職業意識・勤労観を持ち職務に取り組む能力)
職業選択や職務遂行を通じて働くことを自らの問題としてとらえ、働くことの意義や目的を考えることにより自らの職業意識・勤労観が形成されます。これにより職務の意義を自らの職業意識・勤労観と関連づけて理解し、職務に取り組むことにより培われる能力を「働く意識と取組」とします。
職業意識・勤労観との関連の深まりに沿って、とられる職務行動を段階的に抽出します。具体的には、
(1)既に決められている法令や職場ルール・慣行等の遵守
(2)自らの職務によって定める時間を確実に守る行動
(3)業務指示・命令をかみ砕いて自らの職務に取り込む行動
(4)職務への自らの目的意識の設定
(5)職務に前向きに反映されていること
の順となります。
2.責任感(社会の一員としての自覚を持って主体的に職務を遂行する能力)
職業意識・勤労観に基づき自らの職務に取り組むことにより、職務に対する責任が自覚されます。
これは自らの職業において職務を分担することに伴う責任であり、社会の一員としての自覚につながります。
これに基づいて自らの職務を主体的に遂行することにより培われる能力を「責任感」とします。
自らの責任を意識する職務の程度に沿って、とられる職務行動を段階的に抽出します。具体的には、
(1)依頼され引き受けた仕事に対する責任
(2)自らも合意した約束事に対する責任
(3)手順を伴う一連の職務全体に対する責任
(4)職務を遂行した結果に対する責任
(5)次の職務へのつながりを見通した職務に対する責任
の順となります。
Ⅱ 他者との関係の中で職務を行うために必要な能力を形成する段階
1.ビジネスマナー(円滑に職務を遂行するためにマナーの良い対応を行う能力)
職場において職務を遂行する際には、上司・同僚・後輩及び仕事上の相手や顧客(お客様)などとの接触・やりとりが必要となり、互いに相手に配慮した態度・対応で接することがマナーとして社会通念上定着しています。
アルバイト等の職業経験においても円滑に職務を遂行するためにマナーのよい対応を行う能力が培われるので、これを「ビジネスマナー」とします。
職務において求められる頻度に沿って、とられる職務行動を段階的に抽出します。具体的には、
(1)身だしなみ
(2)日常的あいさつ
(3)状況に応じた敬語
(4)お客様に対する礼儀
(5)接遇時、訪問時などのビジネスマナー
の順となります。
2.コミュニケーション(適切な自己表現・双方向の意思疎通を図る能力)
職場において上司・同僚・後輩及び仕事上の相手や顧客などに接しながら仕事上必要なことを正確に相手に伝えることが必要となります。
この適切に自己表現を行い、相手への配慮を行いながら双方向の意思疎通を図ることにより培われる能力を「コミュニケーション」とします。
能力が前提となる職務行動の程度に沿って、
(1)事実等の正確な伝達
(2)意見や主張の説明
(3)依頼や折衝
(4)人間関係構築
(5)困難な人間関係構築
の順となります。
3.チームワーク(協調性を発揮して職務を遂行する能力)
職場において上司・同僚・後輩と協同で職務を遂行するためには、仕事上必要なことを正確に伝えながらさらに相手の立場や置かれた状況等を理解することによる協調性を発揮した職務行動をとることが必要となります。
この協調性を発揮して職務を遂行することにより培われる能力を「チームワーク」とします。
協調性が発揮される程度により遂行される職務行動に沿って、
(1)周囲に目配りをして手伝っている、
(2)仕事を分担し協同で取り組んでいること、
(3)周囲の状況を考えて実施していること、
(4)困難な人間関係においても協力して仕事をしていること、
(5)新人や下位者の指導に当たっていること
の順となります。
Ⅲ 職務への取組をさらに発展したものとするために必要な能力を形成する段階
1.チャレンジ意欲(行動力・実行力を発揮して職務を遂行する能力)
職務遂行に当たってさらに発展的に職務内容の充実を図っていくためには、仕事を効率的に進めるために作業の工夫や改善が必要であり、新たな課題を発見しながらこれを解決していくこと、さらには困難や障害に対しても原因をつきとめ解決していく必要があります。
この行動力・実行力を発揮して職務を遂行することにより培われる能力を「チャレンジ意欲」とします。
行動力・実行力を発揮して遂行する業務の困難度に沿って、
(1)与えられた職務に対する工夫や改善、
(2)与えられた職務への発展的対応、
(3)必要性が認められるものの改善への行動、
(4)未経験・難しい職務への意欲、
(5)資格取得・自己啓発
の順となります。
2.考える力(向上心・探求心を持って課題を発見しながら職務を遂行する能力)
職務に対する取組みをさらに発展させて新たな課題を発見しながら職務を進めていくためには、現在の職務に対して自ら見通しを立てて必要な行動をとり、仕事を効率的に進めるための作業の工夫や改善が必要であり、新たな課題を発見しながらこれを解決していくこと、さらには困難や障害に対しても原因をつきとめ解決していく必要があります。
ここでは、向上心・探求心を持って課題を発見しながら職務を遂行することにより培われる能力を「考える力」とします。
遂行する業務の困難度及びPDCAサイクルの過程に沿って、
(1)与えられた職務に対する分析・計画・実施
(2)新たな職務に対する取組立案・実施
(3)実施している職務の評価・改善実施
(4)困難や障害への対応策発見
(5)予期しない問題の解決策発見
の順となる。
Ⅳ さらに専門的な職業能力を形成する段階
1.自己調整力(ストレスをコントロールしながら職務を継続する能力)
職務において上司・同僚・後輩及び顧客(お客様)との関わり、また、負担感の高い職務等に対応の中で、身体面とならび精神面での負担がかかります。
これに対して職務を継続していくためには、精神面での自己調整が不可欠になります。
そのため、ストレスをコントロールしながら職務を継続することにより培われる能力を「自己調整力」とします。
未然防止、ストレスに直面した際の対応、ストレスをコントロールしての職務遂行の順に沿って、
(1)自己の健康管理
(2)感情的にならない自己コントロール
(3)ストレス解消策の実践
(4)自己調整した上での職務行動
(5)職務上の負担感を乗り越えた前向きな職務行動
の順となる。
2.専門性(自らの専門的能力を蓄積しながら職務に活かしていく能力)
技術や技能などの専門的能力は、自らその能力を意識して職務に活用することにより向上し、さらに職務遂行に当たって職業経験・自己啓発等を通じて蓄積されていきます。
そこで、さまざまな専門的能力を蓄積しながら職務に活かしていくこと、また活かしていこうとする能力を「専門性」とします。
職務に生かす専門的能力の多寡及び職務遂行への反映度に沿って、
(1)身につけている能力を職務への活かし方に気づいていること
(2)積極的に活かしていること
(3)職務内容を踏まえ自己啓発を行っていること
(4)様々な専門的能力を職務に活かす方法を工夫して組み合わせながら職務に活かしていること
(5)様々な専門的能力をさらに身につけ、困難度の高い職務に取り組んでいること
の順となります。
仕事力を上げる方法
仕事力を上げたいと思ったときは、「何から変えるか」が分かると動きやすくなります。
仕事力アップは、大きく次の三つを意識するとよいです。
1.考え方の軸
目的思考、優先順位の判断
思考の質を上げると、同じ時間でも成果が変わります。
仕事を始める前に「この作業のゴールは何か」を一文で書き出す
今日は「これだけは終わらせる」という最優先を一つ決める
終わった後に、良かった点と次に変える点を一つずつメモする
この「目的を決める → 優先を絞る → 振り返る」のくり返しが、仕事力の土台になります。
2.行動の軸
段取り、スピード、継続実行
「早く、正確に、ムダなく」へ近づけるためのシンプルな工夫です。
仕事を小さなタスクに分解して、かかる時間をざっくり見積もる
迷ったら「5分だけ着手」してみて、着手のハードルを下げる
パソコン作業はショートカットや定型文など、毎日使う操作だけでも効率化する
「いきなり完璧」ではなく、「まず早く形にして、あとで整える」意識があると成果が出やすいです。
3.人との軸
報連相、信頼される姿勢
人とのやり取りの精度が上がると、任される仕事のレベルも自然と上がります。
依頼を受けたら「目的・期日・アウトプットの形」をその場で確認する
予定より遅れそうなら、早めに「現状」と「いつまでに何ができるか」を共有する
終わったあとに「もっと良くするポイントがあれば教えてください」と一言添える
小さなコミュニケーションの積み重ねが、「あの人は安心して任せられる」という評価につながります。
明日からできる仕事力アップのミニ習慣
1.朝いちばんに「今日の最優先タスク」を一つだけ決める
2.日中は「5分だけ着手」を合言葉に、後回しを減らす
3.帰る前に「できたこと」と「明日やる一つ」をメモしてから席を立つ
参考資料
厚生労働省ホームページ
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