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企業研修。満足度が高いほど、行動が変わらない理由

満足度98%のアンケートを見て、複雑な気持ちになったことがあります。

研修の最後に書いてもらったアンケートには、「気づきが多かった」「もっと早く受けたかった」という言葉が並んでいました。その場にいた誰もが、たしかに前のめりでした。

けれど3ヶ月後、その企業の人事担当者様から届いたメッセージには、こう書いてありました。

「あの熱量、正直もう戻っています……。」

研修そのものへの評価と、その後の行動が続くかどうかは、まったく別の話のようです。何度も現場を見てきて、そう思うようになりました。

この記事では、「気づきで終わる研修」と「行動が変わる研修」の分かれ目、そして私が組み立てている「行動デザインの6STEP」という枠組みについてお伝えします。


「気づき」と「行動変容」は、別の物差しで測るもの

多くの研修は、「気づいてもらうこと」をゴールに設計されています。目標設定のフレームを学ぶ、コミュニケーションの原則を知る、自分の課題に気づく──どれも大切なプロセスですし、その場では確かに心が動きます。

ただ、気づきは行動を保証しません。

「わかった」と「できるようになった」の間には、思っていたより深い溝があります。多くの方がその溝の存在に気づかないまま、「あの研修、良かったんだけどな」という感想だけを残して、日常業務に戻っていきます。

この溝の正体を、私は長年、企業研修と個人コーチングの両方の現場で見てきました。答えはシンプルで、目標設定のスキルが足りないのではなく、行動を止めている何かが、当人も気づかないところに残っているケースがほとんどです。

車はアクセルを踏むだけでは進まない

車を走らせようとするとき、私たちは自然とアクセルの性能ばかり気にします。エンジンは強いか、加速はいいか。だが実際に車が進まない原因の多くは、アクセルではなく「サイドブレーキが引かれたままになっていること」です。

行動も同じだと感じています。「前例がないから難しい」「どうせ変わらない」「自分にはまだ早い」──こうした無意識の思い込みが、行動というアクセルを踏んでも進まない状態を作り出しています。目標設定という名のアクセルをどれだけ磨いても、ブレーキが外れない限り、車は動きません。

だから私が組んでいる研修プログラムでは、目標設定のスキルより先に、この「ブレーキ」に向き合う時間を作っています。

目標が高く感じるとき、多くの人は「行動」を変えようとしますが、実は変えるべきは「前提(目標をどう捉えるか)」です。前提が変われば行動が変わり、行動が変われば結果が変わります。

同じ仕組みは、思い込みと感情の関係にも当てはまります。

出来事そのものは変えられなくても、無意識の中にある信念を書き換えることができれば、感情も、その先の行動も、結果も変わっていきます。「言葉が変わるとセルフイメージが変わりやすくなる」というのは、私が研修の中で繰り返し伝えているポイントです。

ブレーキを外すことと、ボトルネックを見つけること

もうひとつ、大事な区別があります。

・ブレーキ:行動そのものを止めているもの。個人の中にある思い込みで、言葉にして書き換えることで動けるようになります
ボトルネック:チームや組織の中で、成果を一番強く制限している要因のこと

後者は、制約理論(TOC)という考え方に基づいています。課題を全部同時に解決しようとしても成果は変わらず、一番弱い部分に手を打って初めて全体が動く、という発想です。

チームの課題を洗い出すワークでは、次の2つの基準で「本当に扱うべき課題」を見極めます。

✅ 感想ではなく事実かどうか
(例:「会議が多くて準備の時間が取れない」)
❌ 「目標が高すぎる」のような感想・評価は対象外

✅ 自分たちでコントロールできるか
(例:「情報共有のルールが曖昧」)
❌ 「市場全体が縮小している」のような影響の輪の外側は対象外

この2つを混同すると、個人の思い込みを責めているのに組織の話をしていたり、組織の構造課題を個人の意識の問題にすり替えてしまったりします。どちらも大切ですが、扱う順番と対象が違います。

行動デザインの6STEP

こうした考え方を、半日の研修の中で体系的に扱えるように組み立てたのが「行動デザインの6STEP」です。

6つのステップは、大きく3つのフェーズに分かれています。

  1. 方向性を定める(STEP1〜2):目標を高く感じさせている制限を外し、その目標を「自分ごと」として語れる状態をつくります

  2. 動けない理由を特定する(STEP3〜4):無意識の思い込み(ブレーキ)を書き換え、チームの構造的なボトルネックを特定します

  3. 行動し、検証し続ける(STEP5〜6):行動計画を立て、高速で仮説検証を回しながら、習慣として定着させる仕組みをつくります

精神論や意志の力に頼るのではなく、脳科学・心理学・制約理論といった裏付けのあるアプローチで、行動の構造そのものに働きかける。これが、このプログラムの一番の特長です。

わずか半日の研修で変わるのか?

ここまで読んで、「半日の研修でそこまでできるのか」と思われたかもしれません。正直なところ、私自身も最初はそう思っていました。

半日でお渡ししているのは、完成された行動変容ではなく、行動デザインの6STEPというフレームワークそのものと、それを自分の実際の課題にあてはめて使ってみる体験です。ブレーキの書き換え方、ボトルネックの見つけ方──このプロセスは一度体に入れてしまえば、研修が終わったあとも、新しい課題に出会うたびに繰り返し使えます。半日で得られるのは、その日限りの気づきではなく、これからずっと使えるツールです。

もちろん、単発の研修だけで定着まで完結するとは思っていません。だからこそ、研修後の1on1コーチングや、数ヶ月かけた連続講座という形も用意しています。ゴールに合わせて、伴走の深さを選んでいただけます。

こんな組織におすすめ

✅ 研修直後は好評だが、数ヶ月後には元通りになってしまう
✅ 目標設定はできているのに、行動が続かない
✅ チームの課題を感覚で語っていて、打ち手の優先順位が揃わない
✅ 「気づきを与える研修」はやり尽くした感がある
✅ 新任リーダー・管理職層など、組織への影響力が大きいメンバーに投資したい
✅️ 期初のキックオフの機会にメンバーに知っておいてほしい

これまでの実績

これまで16業種250社、550回、5,500人以上の企業研修・チームビルディングに関わってきました。個人向けのコーチングでも、15年、1,000時間以上、脳科学・認知科学を活用した目標達成支援を行っています。

その両方の現場で見えてきたのが、今日書いた「気づきと行動変容の間にある溝」であり、その溝を埋めるための「行動デザインの6STEP」という枠組みです。

まとめ

・気づきと行動変容は、別の物差しで測るべきもの
・行動を止めているのは意志の弱さではなく、無意識の「ブレーキ」であることがほとんど
・個人の「ブレーキ」とチームの「ボトルネック」は、混同せずに扱う必要がある
・行動デザインの6STEPは、この2つに脳科学・心理学・制約理論のアプローチで働きかける半日のプログラムである

「うちのチームにも、思い当たる節があるかもしれない」

そう感じていただけたなら、研修の概要資料をご用意していますので以下のお問い合わせリンクよりご連絡ください(行動変容研修にチェックをいれてください)。研修の全体構成や、実際の進行の流れをまとめています。

もし話を聞いてみたいということであれば、オンラインでの個別相談も受け付けています。押し売りをするつもりはなく、貴社の状況をお聞きした上で、合う・合わないも含めて率直にお伝えしたいと思っています。

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