過去の傷で「生きづらさ」があっても、私たちはきっと、幸せになれる【愛着形成とレジリエンス】
「自分の生きづらさは、もしかしたら幼少期の影響かもしれない……」
ふと、そんな思いが胸をよぎったことはありませんか?
それは、あなたの心からのメッセージなのかもしれません。
この記事は、過去と向き合うことで、未来を変えるための一歩を踏み出したいと願うあなたのためのものです。
この記事はこんな人におすすめです
なぜか分からないけれど、ずっと「生きづらさ」を抱えている方
人間関係で、いつも同じようなパターンを繰り返してしまうと感じる方
自分の感情の波に、ひどく疲れてしまうことがある方
「レジリエンス(心の回復力)」を高め、もっとしなやかに生きたいと願う方
こんにちは。メンタルケアマガジン「それでもきっと、だいじょうぶ」へようこそ。
このマガジンでは、今回で9回にわたって「愛着形成とレジリエンス」という、少し専門的なテーマを扱ってきました。
これまで、幼少期の経験が私たちの心にどう影響するのか、そして、そこから立ち直る力「レジリエンス」をどう育むかについて、イギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した愛着理論を元にお話ししてきました。
▼シリーズ第1回はこちら
絆が育むレジリエンス〜心の回復力を高める愛着形成〜
今回は、このシリーズの最終回。 これまでの話をまとめながら、あなたの「生きづらさ」が、これからを生きる「希望」に変わるかもしれない。そんなお話をしたいと思います。
もし、あなたがこのシリーズを初めて読むとしても、大丈夫。 きっと、あなたの心に届くものがあるはずです。
あなたの「生きづらさ」の根っこにあるもの
私たち人間にとって、生まれてから数年の間に、親や保護者といった養育者との間で築かれる「愛着」という絆は、その後の人生を歩む上での羅針盤のような役割を果たします。
安心できるあたたかな絆が育まれれば、私たちはそれを土台にして、世界を信じ、人を信じ、自分を信じることができるようになります。
けれど、もし、その大切な時期に適切なケアが不足してしまうと……。 心の中に、ぽっかりと穴が空いたような、あるいは常に何かに脅かされているような、そんな不安定さを抱えてしまうことがあります。
それが「発達性トラウマ」です。
「トラウマ」と聞くと、医学的には、例えば戦争とか、事故、事件に巻き込まれたとか。そういったことを想像する方もいらっしゃるかと思います。
けれど「発達性トラウマ」は、虐待や育児放棄といった深刻なケースだけで発症するものではありません。 例えば、難産だったり、親が病気がちだったり、あるいは家庭の事情で親と離れる時間が長かったり。そんな、誰のせいでもないような出来事によっても、心に深い傷を残すことがあるのです。
私たち人間は、子どもの頃、大人に見捨てられると生きていけません。だからこそ、その大切な養育者と何らかの問題が起きると、その原因がなんであれ、脅威に感じます。
発達性トラウマを抱えていると、「耐性の窓」と呼ばれる、私たちがストレスや困難に落ち着いて対処できる心のキャパシティが、とても狭くなってしまうことがあります。
ほんの少しの出来事で感情が大きく揺さぶられたり、逆に、何も感じられなくなったり。 社会や、ただ生きることそのものに、漠然とした恐怖や、言いようのない無気力さを感じやすくなるということが知られています。
それは絶望ではなく、希望の始まり
「私は発達性トラウマを抱えている。だから、幸せになれないんだ」と感じてしまう方もおられるかと思います。
でも、私はそうは思いません。
欧米の研究では、現代人の6割が何らかの発達性トラウマを抱えているとも言われています。 決して特別なことではなく、多くの人が、狭くなった「耐性の窓」をなんとか補うために、無意識のうちに様々な工夫をしながら毎日を必死に乗り越えているのです。
例えば、深刻な自己矛盾に陥る前に考えるのをやめることや、人と距離を置きがちなのだって、自分の心を守るためです。
もしあなたがそうなら、それは、あなたがこれまで、どれほど懸命に自分の心を守り、生き抜いてきたか、ということ。
発達性トラウマを抱えながら生きてきた人は、もともと人生を生き抜くための、並外れた能力と強靭な精神力を持っているのです。
考えてみてください。 これまで、自分の心を癒すことや、周りの世界になんとか適応するために使ってきた、その莫大なエネルギーを。
もし、その全てを、自分の人生をのびのびと探求し、心から楽しむために使えるようになったとしたら?
あなたが本来持っているその力、その強さを、自分のために全力で活かせたとき、どれほど素晴らしい人生を送ることができるでしょうか。
あなたの過去を、少しだけ振り返ってみませんか?
そこで今日は、あなた自身の心のあり方を見つめる一つのツールとして、子どもの頃の逆境体験(ACE)についてのアメリカの研究(Felitti医学博士、Anda医学博士ら)で使われた質問票から、簡易的な診断を作成してみました。
これは医学的な診断に代わるものではありません。自分の状態を知る、目安程度にお考え下さい。
ただ、もしかしたら、少し、勇気がいるかもしれません。 無理だと感じたら、いつでも読むのをやめて、自分の心を守ることを優先してくださいね。
大丈夫だと感じたら、あなたが18歳になるまでの間に、当てはまるものがいくつあったか、数えてみてください。
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