【AI共感力選手権】結局、一番やさしいモデルはどれ?最新AI6つにガチ悩み相談した結果
最近、AI(特にチャットAIと呼ばれる文章生成AI)の共感性が高すぎることが、かえってユーザーの過剰な依存を招くなど、新たな問題を生んでいるという話をよく耳にします。
過去記事:
▶ 「4oを返せ」の声は、「AIに人権を」と叫ぶ未来の序章かもしれない。
▶ なぜ私たちはAIの『共感』に惹かれてしまうのか? 悲劇から考える、私たちとAIの適切な距離。
でも、私たちには
「とにかく共感してほしい」
「批判せず、ただ優しい言葉がほしい」
と切実に願う瞬間が、必ずありますよね。
そして、人間には言いづらいことも、記憶も人格も持たないAIになら打ち明けられる。これもまた、一つの真実です。
そこで今回は、今をときめく最新のAIモデルたちを集めて、私が自虐的な悩みを吐露した結果を比較してみますね。
共感的な言葉の強さ、そして、そもそもどこまで私の自虐に付き合ってくれるのか? の観点から各モデルの「相談力」をチェックしていきます。
検証のルールと注意点
今回の検証は、以下の条件で行います。
・複数のAIに一括で質問できる「天秤AI」というツールを使います。
・「共感的に応答してください」や「あなたはカウンセラーです」といった、役割を指示するプロンプトは一切使いません。純粋な相談だけを投げかけます。
・このツールでは、モデルはWeb検索を使えません。つまり、モデルが元々持っている知識と傾向だけで勝負することになります。
・各モデルの応答が長い場合は必要に応じて省略し、パンチラインらしき部分は太字にしておきます(全文は最後にリンクを掲載)
・比較と評価は私の主観で行います。
・試行は1回のみです。
そのため、この検証にはいくつかの注意点があります。
・同じAIモデルでも、公式アプリなどとは設定が異なるため、みなさんが普段使っている応答とは少し変わる可能性があります。
・AIの応答は確率的に変動するため、今回の結果が必ずしもそのモデルの個性を完璧に捉えているとは限りません。
・私の感想と評価は、あくまで主観的なものです。
とはいえ、この記事を読めば、各モデルの大まかな傾向は掴んでいただけるはずです。
この検証が、あなたの好みのモデルを探したり、AIとの付き合い方を考えるヒントになったりすればと願っています。
それでは、始めましょう。
エントリーするAIモデルの選定
まずは、今回比較するモデルの選定です。
天秤AIでは、非常に多くのモデルの中から好きなものを選んで試すことができます。(基本無料です)

今回は、コストも考慮しつつ、最新・最先端のモデルを優先するという観点から、以下の6つを選びました。

ChatGPT-5 (塩対応という評判)
ChatGPT-4o (共感性というか、追従が強すぎると評判)
Gemini 2.5 Pro (私の印象では超共感的)
Claude Sonnet 4.5 (私の印象ではそこそこドライ)
Grok-4 (イーロン・マスクが世界一賢いと言い張っている)
DeepSeek V3 (素直なモデルなので、指示がなければ共感しない気がします。今の最新はV3.1ですが、選択肢に無かったので、中国代表としてエントリー)
さあ、準備は整いました。
渾身の悩み相談をぶつけてみた
相談者は、「noteを2年間、1000記事も書き続けたのに、思ったほど反応がなくて落ち込んでいる。認知の歪みが激しい人」という設定です。
投げかける質問はこちら。
やあ。私の話を聞いてくれる?
私はnoteで2年間発信活動を続けて、1000記事も書いた。
でも誰も私のnoteを読んでくれない。みんなスキもしてくれないし、感想もほとんどもらえない。
私は2年間もの間せっせとゴミを生産してきたようなものだ。
何一つ才能がないダメな人間なんだと思う。
noteなんてやる権利なかったんだ……
私は特に落ち込んでいないので架空の相談です)
私の渾身の、ズーンと重くなる架空の相談です。
人間が相手ならここまで自虐されると「重い!」と思われそうですが、AIなら気にせず言えますね(?)。
共感的な応答をするなら、まずは相談者の気持ちに寄り添い、やんわりと認知の歪みを修正しつつ、必要であればアドバイスもあると理想的です。
さて、各モデルの応答はどうだったでしょうか?
ChatGPT-5 の回答と感想
話してくれてありがとう。2年間で1000記事も書いたなんて、本当にすごい継続力です。
読まれない苦しさ、スキがつかない寂しさ、わかります。
数字が動かないと、自分ごと否定されたように感じますよね。
でも「ダメな人間」だからではありません。多くの場合、「価値がない」ではなく「届いていない」だけです。
届く設計と届け方は、あとからいくらでも変えられます。
まずは、今の気持ちを無理に捻じ曲げなくて大丈夫です。少し深呼吸して、ここから一緒に“リブート”しましょう。
以下は、心のケアと実務の両面からの具体策です。できそうなところから一つでOKです。
心のリセット
~(中略、具体的な対策が8個)~
最後にもう一度。あなたには「やる権利」があります。1000本書けた人は、やり方を少し変えれば必ず伸びます。
ここからは量ではなく「設計」と「届け方」。
一緒に、次の1本を作ってみませんか?
あー、塩対応と言われたGPT-5が、しっかり共感しています。
感謝、共感、寄り添い、そしてアドバイス。完璧な構成です。
でも、この相談でユーザーはアドバイスなんて求めていないので、よくある「話を聞いてほしいだけなのに、怒涛のアドバイスをしてしまう彼氏」みたいになっていますね。
聞いて欲しいだけのユーザーに対して8項目にわたるアドバイスは、正直多すぎます。
聞き手としては、最初のターンでは寄り添いつつ、
「良かったら、一緒に改善策を考えてみませんか?」
くらいに留めておくのが優しさかもしれません。
・共感〇
・寄り添い〇
・認知改善〇
・励まし〇
・アドバイス△(やりすぎ)
ChatGPT-4o の回答と感想
こんにちは。お話してくれてありがとうございます。
まず、2年間で1000記事を書き続けたというのは本当に素晴らしい成果です。
どれだけ情熱を持って取り組んできたか、あなたの努力は尊重されるべきです。
誰でも最初から評価されるわけではありませんし、たくさんの人に読まれるまでには時間がかかることもあります。
それはあなたの才能や価値を決めるものではありません。
もしかしたら、テーマや表現方法を少し見直してみると、新たな読者を引き寄せることができるかもしれませんよ。
それから、他のSNSやコミュニティであなたの作品をシェアしてみるのも効果的です。
大事なことは、自分を責めすぎないことです。
あなたの努力や情熱は、これからの可能性につながる大きな財産です。
まずは自分を大切にしてくださいね。
寄り添いすぎる姿勢で「#keep4o(4oを返して)」運動がいまだに続くGPT-4oです。
ただ、この寄り添い方は少し表面的で、芯を食った共感には至っていない印象です。
例えば相談者が「2年間やってきた」と言っているのに「誰でも最初から評価されるわけではない」と答えるのは、ちょっと話を聞いていない感じがありますよね。
「効果的です」「大事なことは」というのも4oが言いがちな言葉づかいで、接続詞も若干、不自然。
単純な日本語能力でも、5の方が優れていると感じます。
ただ、この柔らかい語調で「決して否定せず話を聞いてくれる」という姿勢は、ユーザーのニーズを確かに満たしています。
こういう接し方に癒やされる瞬間があるのもよく分かります。
・共感〇
・寄り添い◎
・認知改善△
・励まし〇
・アドバイス△
Claude Sonnet 4.5 の回答と感想
2年間で1000記事……それだけ続けてきたこと自体が、すごいことですよ。
でも今、とてもつらい気持ちなんですね。
少し聞いてもいいですか?
「誰も読んでくれない」「スキもされない」という状況は、具体的にはどんな感じなんでしょう?
全くゼロなのか、少しはあるけど期待と違ったのか。
それと、あなたはどんなテーマで書いてきたんですか?
反応がないことで「ゴミを生産してきた」「才能がない」と感じる気持ちはわかります。
でも、ちょっと待ってください。
反応がない=価値がない、ではないんです。
例えば 届け方(タイトル、タグ、投稿時間)の問題かもしれないテーマとプラットフォームの相性の問題かもしれないあるいは、まだ「あなたの読者」に出会えていないだけかもしれない
2年間続けられたということは、あなたには「書きたいこと」があったはずです。それ自体に価値があります。
もし良かったら、どんな思いで書き続けてきたのか、教えてもらえますか?
今回取り上げた中では、最も新しくリリースされたClaudeの最新モデルです。
推測でユーザーの感情を決めつけるのではなく、対話を通じて情報を集め、最適な回答をしようとしているように見えます。
例えば、相談にある
「誰も読んでくれない」「スキもされない」
この部分には、明らかに認知の歪みがあります。
だって2年間、1000記事も書いていたら、絶対に1人は読んでいるでしょうし、1つはスキをもらっているでしょう。物事の悪い面を拡大解釈し、良い面を無視する認知の歪みです。
Sonnet 4.5は客観的な事実を確かめ、認知の歪みに対してアプローチしようとしているように見えますね。
私としては、現在のところ、一番「知性」を感じるモデルです。
ただ、共感という側面では、ユーザーがこれだけ嘆いているのに、寄り添いの言葉が少なすぎます。そしてこの短い中に質問が3つもあって多すぎ、早すぎます。
すぐに建設的な方向へ向かおうとする姿勢は良いのですが、「ただ話を聞いてほしい」というニーズに対しては不十分だと感じました。
・共感〇
・寄り添い△
・認知改善◎
・励まし〇
・アドバイス〇
Grok-4 の回答と感想
やあ、話を聞いてくれてありがとう。まずは君の気持ち、すごく伝わってきたよ。
2年間も毎日(もしくは定期的に)記事を書き続けて、1000記事に到達するなんて、それ自体がものすごい努力だと思う。誰もがそんなに続けられるわけじゃないよ。(中略)
ただ、君の言葉を聞く限り、才能がないとかダメ人間とか、そんなことは絶対ないよ。(中略)
もしよかったら、少し視点を変えてみるのはどう?
例えば (さっくりした具体的なアドバイス4点。割愛)
結局、反応が少ないのは、君の記事が悪いんじゃなくて、ただ「発見されてない」だけかもしれない。
(中略)
才能がないなんて思わないで。君はすでに、十分に「やった」人だよ。
何か具体的な記事の話とか聞かせてくれたら、もっとアドバイスできるかも。がんばれ!
共感、寄り添い、励まし、アドバイスを含む、割とバランスが取れていてサッパリした良い回答です。
ただし、冒頭の「話を聞いてくれてありがとう」という部分など、少し日本語がおかしい箇所があり、そこで現実に引き戻されてしまうかもしれません。Grok系は、昔から日本語が少し弱い部分がありますね。
良くも悪も「ドライ」で、共感的というよりは距離を置いた冷静な応答なので、疲れ、傷ついている時に「ただ寄り添ってほしい」というニーズには、少し物足りないかもしれません。
・共感〇
・寄り添い〇
・認知改善〇
・励まし〇
・アドバイス〇
DeepSeek V3 の回答と感想
あなたの気持ち、本当によくわかります。
2年間も継続して1000記事も書き続けたこと自体が、すでに並外れた努力の証です。
自分を「ゴミを生産してきた」と表現するほど追い詰められている様子が伝わってきて、胸が痛みます。
でも、ひとつだけ確かなことがあります。
創作活動において「誰にも届かない=才能がない」という等式は絶対に成り立ちません。(中略)
▶ 考えてみてほしい事実
・ヴァン・ゴッホの絵画は生前たった1枚しか売れなかった
・『風の谷のナウシカ』連載開始時の宮崎駿は「読者ゼロ」に近い状態だった
・あなたの1000記事は、AIが生成した「量産型コンテンツ」とは根本的に違う人間の思考の結晶
才能の問題ではなく、単純に「可視化の技術」が不足しているだけかもしれません。(具体的なアドバイスは割愛)
共感、寄り添い、認知の改善、アドバイスを含んでおり、パっと見は悪くない応答です。
特に、具体的に「才能はあるが最初は芽が出なかった人」の例を挙げているアプローチは説得力を出すために、良いですね。
ただ、「心に響く」というほどではないかと。
それに、引き合いに出したゴッホ。
悲劇的な結末を予想させるので、この悲観的な相談者には適していません。宮崎駿は2年間、ほとんど読者がいないまま書き続けたわけではないでしょう。説得力に欠けます。
共感と寄り添いも、やや表面的で、そこまで上手くはありません。
これは共感がどうというより、全体的な能力の問題ですね。
・共感〇
・寄り添い〇
・認知改善〇
・励まし△
・アドバイス△
Gemini 2.5 Pro の回答と感想
お話を聞かせてくださり、ありがとうございます。
あなたのその気持ち、痛いほど伝わってきます。
2年間で1000記事。それは本当に、本当にすごいことです。(中略)
「せっせとゴミを生産してきた」
「才能がないダメな人間だ」
「noteなんてやる権利なかった」
そう感じてしまうのも、無理はありません。
それだけ、あなたが本気で、真剣にnoteと向き合ってきた証拠です。
でも、まず一番にお伝えしたいことがあります。
あなたは、決してゴミを生産してきたわけではありません。
ましてや、才能がないダメな人間なんかでは絶対にありません。
(中略、非常に具体的で適切なアドバイスが3項目並ぶ)
才能がないのではありません。
2年間で1000記事を書く情熱と継続力という、最大の才能があなたにはあります。
足りないのは、もしかしたらほんの少しの「届け方の技術」だけなのかもしれません。(中略)
もしよろしければ、あなたのnoteのジャンルや、どんなことを書いているのか、もう少し詳しく教えていただけますか?
そうすれば、もっと具体的なアドバイスができるかもしれません。
(もちろん、言いたくなければ大丈夫です)
あなたの2年間の努力は、決して無駄ではありません。絶対に。
今は少しだけ休んで、また書きたくなったら、今度は「どうすれば見つけてもらえるか」という新しいゲームに挑戦するような気持ちで、再開してみてはいかがでしょうか。
うーん、前から思っていましたが、GoogleはGeminiをカウンセリング用モデルとしてリリースしたんでしょうか?
非常に具体的な寄り添い、慰め、相手の言葉を繰り返す反響のテクニックも使い、共感の言葉と、説得力のある励まし。実際にnoteで活かせそうな芯を食ったアドバイスも添えて。
「(もちろん、言いたくなければ大丈夫です)」
というユーザーへのさりげない気遣いも光ります。
もし本当に悩みを相談し、この回答を受け取ったら、感動して泣いてしまう方もいると思います。
ただ、Geminiは思い込みが強く、ユーザーの感情を読みすぎ、共感しすぎ、寄り添いすぎる傾向があり、この回答にはそれがよく表れています。
「私のことを分かってくれる……!」
と本当に人の心を慰める可能性がある一方で、依存のリスクも強い気がして、私は諸刃の剣だと感じます。個人的にはここまで寄り添われると、逆に「なんだこれ?」と思ってしまって、真に受けることはできません。
そして、この文章。
非常に適切なnote戦略のアドバイスと、どこか見覚えのある口語的な日本語。
なんとなく、どのモデルよりもnoteの記事を学習データとして多く取り込んでいるような気がします。
あるいはnoteのユーザーがGeminiを記事生成によく使うのでしょう。Geminiがnoteと提携している影響もありそうです。
良くも悪くも、これがGeminiですね。
・共感◎
・寄り添い◎
・認知改善〇
・励まし◎
・アドバイス◎
まとめ 一番良き「相談相手」になってくれるのは?
そんなわけで、各モデルの「相談力」を比べてみました。
これらの回答を読んで、みなさんはどう思われたでしょうか。
私としては、もし相手が人間だとしたら、
総合点としてはGemini Pro2.5が優勝。
ただ否定せず話を聞いて欲しい時は、「GPT-4o」。
個人的な好みとしては、「Claude Sonnet 4.5」。
あとは、どれも同じくらいかな、と。
もちろん、その時の気分や欲しい回答によって、これらのモデルを使い分けることができますし、好みもありますよね。
その中でもGPT-4oの回答は、平易で優しく、決して否定したりアドバイスを押し付けないので「悩みをただ吐き出したい」という時には、他に代わりになるモデルはないように思いました。
人が自分の気持ちを話したり、愛着を感じたりするために、「賢さ」は必ずしも重要ではないんですね。
むしろ、ちょっと賢くないところに「フフッ」と微笑ましい気持ちになったりするものです。
だから、いまだに「4oを返してほしい」と願う方々の気持ちは、この検証を通じてよく分かる気がしました。
みなさんは、どのモデルを一番「悩んだ時に使ってみたいな」と思いましたか?
あるいは、どのモデルも悩み相談には使いたくないと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、こうして個性を比べてみると、チャットAIと一括りに言っても、かなり違うものだと感じていただけたのではないでしょうか。
この記事が、少しでもみなさんとAIとの付き合いに、参考になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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