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優秀な人ほど、天井を見ている。 -彼らはなぜ黙って会社を去るのか-

初出勤日。
笑顔と共に舞い込む「おはようございます!」。

(あー、今年はいい新人が来た!)と思って大切に育てたのに。

気がつけば、話し合いすら拒否して「辞めさせてください」の一言で全てをぶった斬る。

——あなたの会社にもいるかもしれない「残念な裏切り者」。

今回は彼らの思考を垣間見てみます。


そもそも前提が違うのだよ、ワトソン君。

まずは待っていただきたい。
彼らは会社や上司、同僚から見たら確かに裏切り者かもしれない。

だけど、残念ながら、彼らにとってはそれは当たり前すぎる結論なんです。

だってスタートの「おはようございます!」も仕事を覚えるのも、ただのプロセスだから。

サイコパスのような冷徹さで全てをぶった斬るように見えるだろうけど、そもそも自分の人生全てを会社におんぶに抱っこしてもらうつもりがないのです。

潔いまでの合理主義。
そして合理的になるのが許されるレベルの自己効力感。
自己効力感が高いが故に外にダダ漏れする有能さ。

Y世代だろうが、Z世代だろうが、ゆとりだろうが、αだろうが関係ないのです。

正直、そもそもこの優秀な人ほど辞める構造は時代を問わず一定数存在しますよね。

彼らの本音を代弁するなら、

「そもそもここで一生終える気ないし。」

ーーこれが優秀な裏切り者の正体です。

なんでそんなに冷たいの?サイコパス??

(なぜ彼らはそうなってしまったの?)と思ってしまったとしたら、まだ彼らの本質が掴めていないかもしれません。

そもそも残念な裏切り者は自分を従業員として考えていないのですから。

それをいち従業員と同じレベルで扱おうなんて、彼らからすれば「枠にハメんな、おこがましい」となるわけです。

会社にしてみたら、そりゃー横柄ですよ。暴君ですよ。
経営者の皆様のお怒りもごもっとも。

でも、自分で起業する経営者ってそういうタイプ多くないですか?

そう。
残念な裏切り者たちは、自分自身の人生を無意識のうちに起業家思考で見ているのです。

経営者だから、結果は出す。
経営者だから、社交性も高い。
経営者だから、視野が広い。

経営者の方であればわかるはず。

ビジネスは時に非情。数字と結果が最優先。
そうしないと会社、倒れちゃいますから。
従業員、路頭に迷いますから。

だから残念な裏切り者もしっかり成績出します。

自分の成績のために。
ひいては会社の発展のために。

全体最適化を考えて動くからこそ、彼らは優秀なのです。

同じ経営者の後輩としてみたら、これほど頼りになる存在もいないのではないでしょうか。

残るヤツと去るヤツの違い

とはいえ、残念な裏切り者でも会社に留まるヤツもいます。

この残留タイプは幹部候補として経験を重ねて、ゆくゆくは次世代を担う役員候補に出世していくことでしょう。

では、「なぜこの差が生まれてしまうのか?」

これに対して1つ図を出します。

お分かりでしょうか。
彼らは「問題児」なのです。

一歩間違えば「負け犬」に転落します。
が、成功すれば「花形」に転換することもできる。

ただ、PPMをご存知の方はお分かりの通り、問題児を花形にするには投資が必要ですよね?

そして会社としては、すべての従業員に同じ教育・成長のチャンスを投じることは難しい。どうしても優劣が生じます。

教育と成長のコストをかけられた社員は、問題児から花形に昇格。
今いる会社の成長に自分の能力を使っていく方向に転換します。

一方で負け犬に転じた問題児は、いる価値なし。

事業戦略よろしく撤退です。

しかもこの判断。他人視点でなく、自分の視点で決断を下します。
彼ら、根が経営者ですから。

つまり、残念な裏切り者が会社に所属することは、経営者視点で自分という事業を切り盛りしている人とも言えるのです。

本音は「ゆでガエルになりたくない」

次は先程まで一切触れてこなかった「金のなる木」に触れてみます。

実はここ。会社にとっては一番ありがたい、宝のようなポジションです。

確かに問題児みたいに仕事ができるわけではないかもしれない。
ただその分、自分は従業員と己の立場をわきまえています。
だからこそ、会社に定着します。

経験年数が宝であり資産であると、これまた無意識に理解している層なんですよね。

会社としては目立った結果を出さないかもしれないけど、成果の度合いを事前に試算できる点も彼らの魅力の1つ。

企業の存続を考えるなら、この「金のなる木」属性の従業員を増やすことが大切なんですよね。

ですが、金のなる木に落ち着ける社員は宝である一方で、盲目の羊のように会社の文化に馴染んでいます。ーーそれがたとえ他所(よそ)から見たら変であっても。

これ、残念な裏切り者からしたら「ゆでガエル」です

一方で問題児は独立心が強く、簡単に組織に馴染みません。

だからこそ既存の組織文化に縛られません。それどころか「組織の当たり前」に疑念を持ちながら組織を見ています。

疑念を持つことが変革の種になることを知っているからです。

ゆでガエルには当たり前すぎて見えない課題が、問題児には見える。

実際には花形も気付いていますが、彼らは変革を行う以前に、組織戦略の遂行が優先される立場です。すでに会社からの覚えもめでたく、問題児よりも多くの情報や戦略を入手していることも多く、そうそう簡単には事が動かないことも知っています。

言い換えるなら花形は大人。問題児はお子様。
子供ってその純粋さでグサッと真実を突いてくることありますよね?

そう。問題児だけが可能性を素直に信じて、真実への最短ルートを走ろうとします。

つまり、残念な裏切り者たちは組織の変革を促す革新的なイノベーターでもあるのです。

問題児集団の意見を代弁するなら、「なんでちんまりまとまってるの?もっと大きく成長していこうよ!みんな、もっと上見ていこうぜ!!」。

コレ、社長からしたら涙が出そうなほど嬉しいと思うんですけどね。

…でも彼らは表現はしません。
会社への帰属意識、低いですから。
独立心、旺盛ですから。

そして、ゆでガエル集団たちを見て違和感を募らせて、一人で勝手に、そしてゆっくりと用意していた退職届を突きつけるカウントダウンを始めるのです。

「俺はゆでガエルにはなりたくはない!」のですから。

残念な裏切り者の誤解

この社長と残念な裏切り者の食い違い。なんで起きてしまうのかというと、持っている情報の違いがあります。

社長は全ての情報を持っている。当たり前です。トップですから。一方で残念な裏切り者=問題児はまだまだ視野が狭い。

情報の非対称性。ーーこれが社内でも起きているのです。

ですが問題児軍団は言葉を選ばずに言えば、メンタルがギラついています。だからこそ、自分という事業をどうやって成功させるか常に考えているのです。

だから社内でもちゃんと自分のポジショニングをチェックします。 そう、つまりは競合分析です。金のなる木である穏やかな先輩をベンチマークとして見るのです。

そして思うのです。(コイツら、ゆでガエルだ・・・)と。

「ゆでガエル」。これ、実は問題児たちが忌み嫌う存在なんですよね。

(頑張る様子も見せず、なんだかホワホワと幸せそうにただ生きている。…つまらない!もっと上、目指そうぜ!!)

嗚呼悲しいかな…残念な裏切り者はここでもまた情報の非対称性を起こしています。

彼らが「ゆでガエル」と認定した人たちこそ、会社にとっては「金のなる木」。この層がいっぱいいることで、個では立ち向かえない課題でも多で挑むことが可能になる、組織にとっての宝物だということに気付けていないのです。

そしてそのまま、脳内の退職届にそっとリミットの期日を書き込んでしまうのです。

ーーもうお分かりの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

残念な裏切り者は、情報がない中で一人で頑張ろうとしている、面倒臭いけどカワイイ奴らなのです。自分の能力を武器に、ひとりで傲慢ムーヴで無双しようとしている、なんとも面倒臭い存在なのです。

(それなら一人で頑張ろうとしないで、みんなと協力すりゃいい話じゃん?)と思われた方。

ちょっと待ってください。

その考えも実は違った角度から傲慢ムーヴをかましているかもしれません。

なぜ残念な裏切り者は黙って去るのか?

そろそろ(こいつ、さっきから勝手なことばっかり書いてるなー)と思われる方もいらっしゃるでしょうから、ちょっと権威の力も借りてこようと思います。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が2024年に発表した調査には以下のような記述がありました。

労働者が自身の供給意欲との隔たりを認識しても、事業主に自身の要望や意見を伝えたり、その理由や原因 を積極的に問いただして調整を図ることなく退職する傾向が見られた。
(中略)
事業主からの労働サービスの需要に関する判断に不満を持ちつつも、議論を重ねても 無益であると考え、話し合いによる解決が不可能であると見込むことである。

出典: 「離職過程における労働者の心理 ―認知的タスク分析を応用したインタビュー調査ー」

簡単にまとめると、「(違和感感じて意見したって、逆に攻撃されるでしょ?)と思うから、誰にも言わずにひっそり去る決意をする」です。

ちょっと小難しくいうなら、「心理的安全性が確保されないとインプットされてしまった状態だから話し合いはもはや無意味」です。

人は心理的安全性が確保されないと沈黙することは、ハーバード大学のエイミー=エドモンソン教授の『恐れのない組織』でも触れられています。要はこの状態に辿り着いちゃったから、去る決意をするわけです。

ここまで進むと、社長も上司も手を差し伸べようとしても、ほぼ積んだ状態で投了直前。

むしろ放置しておくのがお互いにとって最適解な状態です。

つまり残念な裏切り者は、夢破れて気持ちが傷ついたから、(もう話したって無意味だもーん。)とそっぽを向いてしまったポテンシャルが高い駄々っ子なのです。

残念な裏切り者は目の前にいる

(この人…なんか妙に解像度高くないか?)と思ってくださった方、どうもありがとうございます。

そうです。私、ポンコツながらも「残念な裏切り者だった者」です。

そしてキャリアは実家の中小企業の跡取りとして取引先で修行することから始まった身でもあります。

だから、どちらの立場からでも様子が見えるというわけです。

が、それだけではやはり根拠が薄い。残念な裏切り者たちが本当に「ゆでガエルになりたくない」で辞めてしまうのかデータを出してみたいと思います。

リクルート社が1年ほど前にリリースした『「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査 2024」第2弾』の中にはこんな表記があります。

【20~30 代の直近の離職理由】
・「何年も職場にいる先輩社員・ベテラン社員を見て未来に不安を覚えた」 が55.6%
・「充分なキャリア構築がされないと思った」が54.8%

この2つから見えてくるのは「先輩見てると、自分のキャリアにあまり期待できないんだよなぁ」なのです。先程書いた「ゆでガエルになりたくない」が可視化されたと言えるのではないでしょうか。

ではどうすれば良いのか。ーー同じレポート内にヒントを見つけました。

約4割の企業が、従業員一人ひとりのキャリア対話を現場のミドルマネジメントに任せきり

このことが明らかにしているのは、約4割、つまりほぼ半数の企業で経営層は社員のキャリア形成に無頓着になりがちであるという実態です。

トップが従業員個々人のニーズを把握できていない。

ここでもまた1つ、情報の非対称性が生まれているのです。

そして覚えているでしょうか。残念な裏切り者たちは夢が破れるとそっぽを向くという、面倒臭い属性を持っています。

逆説的に捉えれば、経営層が彼らの夢を聞き、「面白い意見だが、今はまだ無理だ」ということを説明すれば、彼らの竜頭が下がり、カウントダウンのタイマーの時間を勝手に増やす可能性があると言えるのではないでしょうか。

意外と素直な残念な裏切り者

残念な裏切り者=問題児の様子を追いかける中で、多くの情報の非対称性が出てきたので、ここで少し整理したいと思います。


  1. 社長 vs 問題児
    社長は全ての情報を持ってるけど、問題児はまだまだ視野が狭い。だから問題児の頑張りが独りよがりで我儘にしか見えない。

  2. 問題児 vs 金のなる木
    問題児は金のなる木を「ゆでガエル」と認定している。が、その「ゆでガエル」が会社にとって宝であることは気付いていない。

  3. 問題児 vs 心理的安全性
    問題児は会社の文化に違和感を感やすいため、心理的安全性がない状態。だから何も言わずに勝手に去る。

  4. 問題児 vs 経営層
    約4割の企業でキャリア対話がミドルマネジメント任せになっている。経営層が問題児たちのキャリアビジョンが見えていない。


その上で思い出してもらいたいことがあります。

問題児集団の「もっと大きく成長していこうよ!みんな、もっと上見ていこうぜ!!」というマインドです。

つまり、残念な裏切り者は、情報がないだけで心根は割と真っ直ぐなオラオラ系なのです。

情報を与えてあげれば、勝手に一人で納得して、社長や周りの仲間と一緒の方向に走り出す可能性も大きい。

ならこの情報の非対称性を上手く利用してみるのはいかがでしょう?

全て承知した上で、残念な裏切り者を自走させる。

そのために彼らが持っていない情報をエンジンとして補充できる機会を用意すれば良いのです。

残念な裏切り者に有効だったこと

情報の非対称性の改善に情報開示が有効というのは耳にタコができるほど聞いてきていますよね?

でも実際に残念な裏切り者自身がそれを語るのは珍しいのではないでしょうか?

思い出してください。そう、これを書いているのはポンコツで残念な裏切り者。

そんな私でも、実は10年程勤務し続けた会社もあるのです。逆を言えば、それ以外の会社はすぐに撤退を考えたというわけです。

「私が10年間勤務し続けた企業が何をしていたか」。

ーーこれを元に、すぐに試すことができる手段を考えてみました。

【難易度:A】問題児がやりたい仕事をやらせてやる
残念な裏切り者は自分の能力を信じています。その能力を会社に活かして欲しいと思いつつ、能力を試したくて仕方ないのです。

であれば、その能力が活かせる仕事をやらせてやるのが一番手っ取り早いのですよね。

彼らをよく観察すると、業務にかこつけて余計なことをしていると思います笑

例えば、企画書作らせてみたら異様に凝った画像を作っていたり、プレゼン資料作らせたら変なアニメーションを頑張って入れ込んでいたり、データ分析頼んだら余計な変数追加して複雑にしていたり。

実はその余計なことの中で彼ら自身が誇る能力を活用していることが多いです。だって能力を使いたいんですから。チャンスがあればすぐに使って、業務を遅延させていることでしょう。

それを頭ごなしに注意するのではなく、「この子はデザイン能力が高い、動画編集能力が高そう、分析が得意」といったように覚えておき、それが使える業務が出てきたら割り振ってあげてください。

ちなみに私の場合はプログラミングでした。お昼のお弁当注文用のシステムを作ってオフィス内の別フロアにいる友人たちにシェアし、勝手にお弁当発注係を自認していたのですが、それをきっかけに全社的に使う簡易予約システムを作らせてもらう話が流れてきました。もう喜んで尻尾振りながら自走していましたよ。

…この話から分かるように、勝手な行動を放置していると、彼らはそのままどこまでも突き進み出すので、温かい姿勢を崩さずに方向修正してあげてください。

【難易度:S】キャリアビジョンを見せてあげる
会社の規模にもよりますが、通常、年に1〜4回ほど、人事評価があると思います。その際に残念な問題児たちに2つのビジョンを見せてください。

1つは「会社が向かう方向性」、もう1つは「その中で彼らに期待する役割」です。

可能なら会社の方向性は2〜3年先まで伝えられると尚良し。そして、期待役割については「これをやることで、君はこういう感じに成長できる」ということを伝えてあげることが重要です。そうしないと(紐つけられた!)と反発しますから。あくまで彼らは「問題児」。縛られることは大嫌いなのです。

ところで残念な問題児には2種類います。

1つ目は真の問題児です。彼らは企業や事業戦略が分かった上で、自分の役回りや成長の方向が理解できると(あ、そうなんだ)と勝手に自走します。

2つ目は偽の問題児です。こっちは(それは俺のやりたいことじゃない!)とふてくされます。つまり「単なるわがまま」です。

この2種類を見極めることは、会社にとっても人材育成コストの投入先が明確に区別がつき、管理職の管理コストが減るので一石二鳥です。

一方で、問題は偽の問題児です。

非常にシビアな表現をすると、問題児としてキープするか、負け犬に一旦移動してもらうかの2択ではないでしょうか。会社は慈善事業ではありませんから。

ですが中に負け犬に移動しても奮起して問題児に返り咲いて花形になるヤツもいます。一方で問題児でも目を離すと崖に向かって全力疾走していたり、寄り道して休憩するヤツもいます。

真の問題児は遠くから眺めて脱線したら道を正す、怠けていたらお尻を叩く。偽の問題児は生暖かく様子を見て、不満を他に伝播させていたらしっかり注意しつつ、どうしても彼らが文句ばかり言うようなら見切りをつける。

社会の厳しさを突きつけてあげるのも、かつて残念な問題児だった私からすると、彼らへの愛情だったと思えるのです。

【難易度:SS】人事評価に長けた人を上につける
一気にハードルが上がりましたね。(結局は中間管理職か!)と思われた方、少しだけ待ってください。もう少しで終わりますから。

確かに人事評価制度を整えて、中間管理職を評価者として育成するのは効果が大きいですが、時間も労力もお金もかかります。

しかも金のなる木の反発を買いやすい。

会社の規模や状況によってはデメリットの方が大きくなることもあるので、実施タイミングは慎重にみなければならないですよね。

なので、まずは残念な問題児を面白がってあげてください。

すでに【難易度:S】をクリアできた管理職であれば、忍耐力と観察眼が鍛えられているので、Sが1つ増えたとしても難易度は低いはずです。

さっそくですが、例として【難易度:A】に出てきた「データ分析頼んだら余計な変数追加して複雑にしちゃうヤツ」に再登場してもらいましょう。

この子に頼んだデータ分析結果を受け取ると、変数が3つで依頼したはずなのに、出来上がったレポート見ると5つに増えていたとします。

この時に「頼んでないのが入ってるけど…」。これは悪手。

残念な裏切り者にとっての正しい答えは「なんでこの変数追加したの?」です。

この「なんで?」を怒りではなく興味から聞ける人が上にいれば、彼らは喜んで自分の考えを話します。

残念な裏切り者も本当は自分の考えを聞いてもらいたいのです。自分の能力に関心を持ってもらいたいのです。そしてあわよくば使いたいのです。

普段から(自分はよそ者だ…)とアウェイ感を持っている彼らにとって、上の立場の人間から関心を持たれることは、それだけでプライドが満たされて心理的安全性が高まります。

そして(この人になら自分の考えを伝えてもいいかも)と思い、口を開くのです。

彼らの回答は様々でしょう。

「あ、なんとなくです…」
「この変数が加わると◯◯まで結果が見えてくるからです」
「今後△△を進める上で、この変数を加えておくと次回にも応用できるからです」
回答のレベルからどの視点で動いているかが見えてきます。

そこでようやく情報の非対称性が改善されてくるポイントが見えてきます。情報の非対称性は、情報を開示するだけでは解消されません。どこで詰まっているかが見えて、初めて手を打てます。

そして相手の考えを聞こうとすることが、双方向に情報を走らせるきっかけになるのです。

こういうきっかけを作れる人が評価者であれば、残念な裏切り者は脳内の退職届をゴミ箱に捨てて、喜んで花形を目指していくでしょう。

残念な裏切り者が有効だと考えること

先程までは残念な裏切り者だった「過去の私」からの視点での対処法でした。一方、「今の私」の視点で見たときに一番効果があるのは非属人化だと考えています。

詳しく書くと別記事になるボリュームになるので改めて別記事で書きますが、情報の可視化と共有化、マニュアル化により「人に依存しない体制が整っていて、適切に業務分担され、責任の所在が見える化されている」ことが、残念な裏切り者には心地良いのです。

ですが、これらは会社にとっては後回しにしがちですよね?理由は収益、お金を生まないからです。

「だから仕方ない」となりがちですが、実は事業継続性の観点からみても非常に重要です。

この数年で業種も多様性を増し、それに伴って働き方も多様化しました。社会構造的に離職することへの障壁が下がったことで、本来「金のなる木」の社員ですら、油断すると「問題児」にシフトする可能性がある時代に変化してしまったのですから。

ならば問題児は常にいるものと考えて、彼らが本来ならやらなくていいと思っている雑務を減らす方が効率的です。

雑務を減らすのではなく「本来やらなくていいと思っている」雑務を減らすのがここでのポイントになります。

誰が、何を、何のためにやるのかをクリアにして「この雑務はあなたの役割ですよ」と明示されれば、彼らは「これは俺の仕事」と割り切るのです。

ーー覚えているでしょうか?彼らは高い自己効力感の持ち主です。

自分の仕事に対してはとても忠実に頑張るので、目的と役割さえはっきりすれば勝手に生産性を伸ばし始めます。つまり、仮置きしていた天井を自力で上に上げてくれるのです。

天井は見切りをつけて去る基準から、自分が目指すゴールへ。そしてゴールを突破したのちは、新たな天井に向かって意気揚々と飛び立っていく。

ーーこれが残念な裏切り者であり問題児たちの本来あるべき真の姿です。

こうなると収益性がなく先送りされがちな非属人化は、ただの面倒事ではなく、実は喫緊の課題として検討する価値があるのではないでしょうか。


🪧 2026/7/17追記:属人化対策・第1弾、書きました


🎉 この記事は6/15〜21で特にスキを集めた記事に選んでいただきました

スキしてくださった皆様、どうもありがとうございますっ🙏

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 (上がエッセイ部門・下がオールカテゴリー部門です)


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