アメリカの<R指定アニメ>を楽しもう!
今回は、アメリカのR指定アニメについて少し書いてみたい。
「R指定」というと、なんかエロいのを想像するかもしれんが、意外とそう限った話でもない。
日本では、確かにそうだろう。
しかしアメリカという国は、日本のとは少し違うんだよね。
<日本の年齢制限>
・PG12指定
・R15指定
・R18指定
<アメリカの年齢制限>
・PG13指定
・R指定
・NC17指定
おそらく、PG12⇔PG13、R15⇔R指定、R18⇔NC17、という解釈で大枠OKだと思う。
とはいっても、日本の基準とは少し違うかもしれない。
じゃ、アメリカの指定の具体例を見てみよう。
<アメリカPG13指定映画>
「天気の子」

「君たちはどう生きるか」

<アメリカR指定映画>
「AKIRA」

「GHOST IN THE SHELL」

<アメリカNC17指定映画>
「鉄コン筋クリート」

「パプリカ」

ぶっちゃけ、ちょっと指定基準が厳しくない?
日本より厳しい気がする。
あれ?
あそこって「自由」の国じゃなかったっけ?
でも実際テレビなんかでも、「タバコを吸うシーンはダメ」とか「未成年者の外泊はダメ」とか、めっちゃ厳しいらしいよ。
特に、コドモの素行の悪さの描写は、かなりのデリケートゾーンらしい。
当然、エロシーンもまた御法度である。
だけど、そうやって厳しい規定を設けるほどに、かえって逆効果ということもあるよね(笑)。
これは表現者にとって一種の習性とでもいうべきかな、基準を決められると敢えてそのギリギリのところを狙いたくなるもんでしょ?
たとえば、「ヘア論争」というのがある。
基本、倫理規定として「陰毛」は映像として上映すべきものではないよね?
ただし、「ギャランドゥ」なら別にOKだろう。

ただ、ここで大きな問題は
「陰毛とギャランドゥの境界線とは、一体どこなのか?」
ということなのさ。
そう、実はこの両者は繋がっているんだ。
そして毛質、色、艶、匂い、その全てが同一といって過言ではない。
いわば、同一民族である。
なのに、住所がほんの少し違うだけでそこに「差別」が生じてしまうということの不条理。
いわば、東京都民が埼玉県民を小馬鹿にするようなもんだろ?

・・いや、東京と埼玉ならまだ境界線が明確に設定されてるから議論も簡単だろうが、陰毛とギャランドゥの間に境界線などないんだよ。
法律や条例に
「性器を中心点とし、その半径3cmの領域内を陰毛区分と定め、その外部はギャランドゥとする」
とでも明文化されてるのか?
ちゃんと調べてないから分からないけど、多分明文化されてないと思う。
ならば、表現者というのは必ずそこを攻めるんだよ。
「あのぉ~、監督、変なモノが映っちゃってますけど・・」
「ただのギャランドゥです!」
「・・いや、それだけじゃなくてね・・」
「ただのギャランドゥと、その仲間たちです!」
という感じで、常に「表現の自由」を目指して規制をする側と闘ってしまうものである。
そういう表現者のスピリットは、今も昔も変わらない。
かつて小林多喜二が「蟹工船」を執筆し、結果、警察に逮捕され、警官から拷問されて死亡するという痛ましい事件もあったんだけど、今だって表現者たるもの、誰しも多喜二スピリッツをもち、<陰毛⇔ギャランドゥ>を拠点とした国家権力(弾圧)への反抗を挑んでるわけよね。

そして、そういうスピリットは、日本だろうとアメリカだろうと変わらないものである。
ちょっと前置きが長くなってしまったが、今回ご紹介したいのは、こちらの作品です↓↓
「ソーセージパーティ」(2016年)

これは、「アメリカ初のR指定CGアニメ」として話題になったものである。世界興収100億を突破したほどの大ヒット作だけに、きっと皆さんの多くもご覧になってると思う。
超お馬鹿映画だよね(笑)。
日本にもギャグアニメは腐るほどあるけど、こういう超お馬鹿系って意外と少ない。
(超お馬鹿系=あまりにバカバカしくて呆れる系、苦笑せざる得ない系)
対してアメリカのお笑いって、かなり超お馬鹿系が多いのよ。
ニーズの違いだろうか?
うん、土壌の違いは確かにあるだろう。
日本という国は「1億総中流」というか、その学力においても大体みんなが似通った一定ゾーンの中に収まっているものである。
どんなに頭悪くとも、大体みんな字は読めるし、九九ぐらいはできる。
だけど、アメリカなんかはそうでもないんだ。
普通に字を読めん人はいるし、逆に飛び級があるから幼くてもトンデモなく賢い子がいたり。
そういう土壌ゆえ、「全米みんなが楽しめる」エンターテイメントを作るのは日本以上に難しいと思う。
その為、ギャグの「共通言語」が、日本みたく「これ分かるよね?」という身内感覚みたいなモノが許されず、どんな人種/民族/宗教であっても伝わる<普遍的な笑い>が求められものなのさ。
その<普遍的な笑い>とは?

その主たるものは、下ネタ、変顔、変な動き、下品/お馬鹿な言動。
日本みたく、高度に言葉と「間」を駆使した<ボケ/ツッコミ>などはあまりやらない。
また、英国みたく知性と教養を問われる<ユーモア>というのもあまり多くないかと。

で、この「ソーセージパーティー」は思いっきり「下ネタ」に特化してるのよ。
それも徹底的に。
だって主人公(♂)がソーセージで、ヒロイン(♀)が割れ目の入ったパン(ソーセージを挟むホットドッグ用)だからね・・(笑)。


主人公「ナマのまま、君に挟まりたい。でも本当は不安なんだ。
初めてだから、うまくできるかどうか・・」
ヒロイン「それは私も同じよ。こんなに固く閉じてるわ・・」
主人公「あぁ、愛しい君・・ルール違反だが、もう待てない。
君に触れたい」
ヒロイン「・・同じこと、考えてる?」
主人公/ヒロイン「先っぽだけ!」
この映画、アホすぎる(笑)。
で、こんなアホ映画を作った監督は誰?と思って見たら、これがコンラッドヴァーノンという人で、彼は「シュレック2」や「マダガスカル3」の監督をしてた人物らしい。
ちゃんと、マトモなアニメを作ってきた人なんだよ。
・・じゃ、なぜ急にこんなブッ飛んだ作品を作ったのかというと、どうやらこれ、製作/脚本があのセスローゲンらしいんだわ。
セスローゲン監督/主演作品「無ケーカク命中男」

セスローゲン監督作品「スーパーバッド童貞ウォーズ」

はい、セスローゲンとは、超お馬鹿映画の神様みたいな人ですよ。
基本、下ネタONLYでブレイクを成した人である。
・・まぁ、「ソーセージパーティー」は彼がプロデューサー/脚本家を務めたアニメだというなら、うむ、十分に納得だな。
結構ヤバいエロ表現してるけど、
「何言ってんすか?
ただソーセージをパンに挟んでホットドッグ作ってるだけなのに、一体これのどこがマズいんすか?」
とか言ってたんだろう。
しかし、彼ほどの大物コメディアンが、こうしてアニメの製作に取り組んでくれたのは嬉しい話である。
じゃ、あともうひとつ、この作品もご紹介しておきたい↓↓
リック&モーティ(2013年~)

これは米カートゥーンネットワークの「アダルトスイム」(18歳以上対象)で放送されてるコメディ作品なんだ。
全くエロ要素は皆無だよ。
なのになぜアダルト対象なのかというと、これはまぁ見てもらうしかないんだが、とても子供には見せられんわな・・。
というのも、これ純度100%のブラックコメディであり、この主人公たち、悪気はないにせよ、彼らのせいでどんどん人が死んでいくんですよ。
一番ひどい時は世界をまるごと滅ぼしてしまい、しようがないから、彼らはパラレルワールドで自分たちが事故死する世界線を探して、次元移動して、その死ぬ瞬間を見計らって彼ら(別世界線の自分たち)の死体を庭に埋めて隠し、彼らに成り代わってその世界線を新たな生活圏とするという、最悪というべきトンデモない解決法だったんだから・・(笑)。

・・いやホント、物語は常にこんな感じなのよ。
日本のアニメだと、さすがにここまでブラックなのはやらないよな?
仮にやるとすれば、ダウンタウン松本人志ぐらいかと。
でもこれ、アメリカではかなり熱狂的ファンのいる人気シリーズだったみたい。
だというのに、原作/脚本/監督のジャスティンロイランドがスキャンダル(松本人志的なやつ)を起こし、彼はシーズン7をもって降板させられたという。
そんなわけで今年、日本の老舗制作会社テレコムが依頼を受けたらしく、「リック&モーティ/THE ANIME」という新作を制作したわけですよ。
でね、私はそれを見たんだけど、
いや、もう酷かったわ!
大体、リズム感が全然違うのよ。
これまでのやつは16ビートでテンポよくやってたのに、テレコム版のやつは4ビートでダルダルだったし・・。
あくまで「日本のアニメ」のスピード感でやるもんだから、そのギャップでもう見るに耐えん!
2話で切ってしまったよ。

なぜか1話完結ブラックコメディのスタイルを廃し、SFのストーリー物に変化していた・・
正直、まるで日本のアニメがアメリカのアニメに負けたみたいで悔しかったです。
<テレコム大失態>といっていいだろう
いっそ、今ヒマしてるかもしれない松本人志を渡米させ、あっちで彼に「リック&モーティ」作らせてみりゃどうだ?

実際、アメリカのブラックコメディアニメって、めっちゃ松本人志の作風に近い毒があるのよ。
彼も日本じゃやりにくいだろうし、心機一転、今後は2次元でのお笑い作家として再起するのはどうだろう。
ジャスティンロイランドと松本って、結構作家性が似てると思うんだわ。


