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爆笑系サイバーパンク「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」

今回は、まず最初にアニメデータインサイトラボ(ブシロード分析班)が8/26にリリースした「2025年夏アニメ初速分析」をご覧いただきましょう。

初速分析をやってるところは他にもいくつかあるが、このインサイトラボが定期的にリリースするやつと比較すればほぼクソみたいなものである。

で、ここの分析班がまず最初にリリースしたのは、「初週」の話題度。

まず、Googleの検索量をグラフ化したのがコレ↓↓

次に、X(旧Twitter)の投稿量をグラフ化したのがコレ↓↓

GoogleもXも、上位4つが完全にカブってるんだよね。

・タコピーの原罪
・ダンダダン
・光の死んだ夏
・その着せ替え人形は恋をする


・・はい、意外性もヘッタクレもないラインナップです(笑)。
この4つは、たくさんの人たちが見てる作品だと解釈してください。

で、ここまでなら他のところがやってる初速分析とほとんど同じなんだが、さすがインサイトラボ、次は「4週目」の分析で全く違うパターンのデータをリリース。

はい、ここでは「初週」の数値を100とし、そこからの伸び率が高い作品を挙げているっぽい。
「トレンド維持」がGoogle、「ファン維持」がXからのデータだろう。

で、両方で1位になってるのが「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」。
これは1話3分間の3DCGショートアニメ。

そして、「トレンド維持」4週目で急激な伸びを見せているのが「カラオケ行こ!」。
「ファン維持」4週目で急激な伸びを見せてるのが「フードコートで、また明日。」。
この2つを見て、共通点がお分かりになりますか?

「カラオケ行こ!」⇒全4話

「フードコートで、また明日。」⇒全6話

・・はい、実はどっちも短期シリーズなんですよね。

思えば話題作「タコピー」も全6話だったし、もはやこういうのがひとつの切り口になってるのかもしれない。
「フードコート」なんて実にあざとい方法論であり、全6話の終了後、7週目からは再び1話目からの放送をしてるという。
しかも単なる「再放送」ではなく、2周目はちょっとだけ内容にアレンジを加えてるという。
「どこが変わってるか確かめてね」という趣向でしょうが、私に言わせればこんなのは「ほぼ半分の予算で1クールを乗り切る姑息なアイデア」でしかない。
このアイデアを出した人は確かに賢いが、でもこういうのが今後増えてくることにならなきゃいいなぁ・・。

いや、視聴者側も「1クール(3カ月間)もの期間、ひとつのコンテンツに束縛されるのは正直しんどい」という思いがあるんだろうね。

私みたいな古いタイプにしてみりゃ、「たった3カ月も辛抱できんのか?」と言いたいところだが、いや、でも確かに人間の興味を維持する集中力ってやつは、昭和から平成、平成から令和、こうして時代を経るごとにどんどん落ちてきてるような気がする。
ようは、みんな飽きっぽくなってるんだよ

<辛抱を強いられた昭和コンテンツ>

「機動戦士ガンダム」⇒全43話

「母をたずねて三千里」⇒全52話

昔のアニメなんて、1クールどころか4クールが当たり前だったんですよ。
ゆえに展開が遅々として進まず、それでもみんな頑張ってアムロやマルコを応援していたんだ。
それが今は何だ?
全12話という長さにすら耐えられない?

・・そうね、確かに今の若い人たちのテレビ離れの本質は「1分間というCMに耐えられない」ことにある、という話を聞いたことがある。
1分間が我慢できない・・。
じゃ、カップヌードルも3分待たないのか?
多分、そういう時代になりつつある。
ネットCMも「5秒後にスキップ」のボタンを押されるのが前提で、いまや広告代理店も「開始5秒が勝負!」という仕事に変わってきてるだろう。

ちなみにだが「尺が短い」が売りで人気のTikTokは、若い層を中心に大人気らしい。

<TikTok世代別利用率>

13〜24歳:51.2%

25〜34歳:23.3%

35〜44歳:12.6%

45〜54歳:7.5%

55歳以上:5.5%

これ、面白い現象でしょ?
10代の子の半数以上が利用してるTikTokを、45歳以上になると10人に1人も使ってないという恐ろしいまでの温度差。

・・え、私ですか?
昭和生まれですから、使ってませんともw

大体、あんな時間の短いコンテンツ、圧倒的に情報量が少なすぎるじゃないですか・・。

いや、くれぐれも誤解のないように。
これからの時代、全てが短縮化されていくというわけでもありません。
事実、いまや社会現象ともいえる劇場版「鬼滅の刃」、あれは2時間35分という驚異的な長さですが、みんながあれを受け入れています。

映画館⇒長く、情報量の多いコンテンツ

スマホ⇒短く、さくっと見られるコンテンツ

ようするに、ハードに合わせた<2極化>ですね。

・・で、<映画館>と<スマホ>のちょうど中間に位置するのが<テレビ>であり、ここがどっちに振れるのかは今のところまだ分からないんですよ。
テレビアニメ自体が2極化する、という可能性も十分にあり得ますね。

さて、そろそろ本題に入るわけですが、今回ご紹介したいアニメは、前述の「トレンド維持率」1位、「ファン維持率」1位のこの作品↓↓

「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」

・・いや、ぶっちゃけ、これサイコーっすww


未見だという方は、まずご覧になってみてください。
普通にYouTubeで公開されてるし、今から全話追っかけても3分×8話=24分ですから、まさに「銀河特急」ですわ。
すぐに追いつけます。

CGクリエイター/亀山陽平(1996年生まれ)

とにかく、この亀山さんという人がスゴイのよ。
原作、監督、脚本、制作、デザイン、その全部をひとりでやってる。
ようは「自主制作アニメ」なのね。
いや、確かにCGは少ない人数でやれると聞いてはいたが、まさか1人でここまでできるとは・・。
しかも、1人でやったとは思えない映像クオリティなのよ。

で、上の画のツノが生えてる子がチハル(cv寺澤百花)で、顔面が液晶になってる子がマキナ(cv永瀬アンナ)。
どうやら、チハルは強化人間という遺伝子を操作したタイプの人間らしく、マキナは全身義体のサイボーグであるっぽい。
2人はコドモの頃からのトモダチみたいで、ただ素行が悪いのか、今までに何度も警察のご厄介になってるという、いわば不良少女かな?

でね、とにかく第1話の立ち上がりからいきなりブッ飛んでいて、マキナがいきなりこういう状態です↓↓

液晶パネルの電源が切れてる・・

なぜか、頭部だけの状態になったマキナ(⇐死んでるのか?)がデスクの上に置かれている・・ww

で、マキナがこうなるに至ったここ3日間の経緯をチハルが警察に説明する感じの導入で、時系列は3日前に遡り、そこから物語は始まる感じ。

・・なんていうかな、この時系列を遡りながら全体像を徐々に解明していく感じは昔のクエンティンタランティーノそのまんまの手法。
アホっぽい脱力系の会話の応酬もまた、実にタランティーノっぽい。
それもそのはず。
聞けば、亀山さんは日本じゃなくアメリカでアニメ作りの勉強をしてきたという経歴らしいんだよね。

cv寺澤さんと永瀬さんの掛け合いがまた異様なほど巧い

ただ、亀山さんはディズニーのアニメ(手描き)を見て感銘を受け、それでアメリカに留学したわけよ。
つまり手描きアニメーターを志して渡米したのに、なぜかCGアニメーターになって戻ってきた感じ(笑)。
おまけに、ディズニーを志して渡米したのに、なぜかタランティーノっぽくなって戻ってきた感じ(笑)。
おそらく色々な意味で「思ってたんと違~う!」という仕上がりの亀山さんだが、私は逆にこれで良かったと思うよ?
この人、こういうアホっぽいやつの方が絶対あってるって。

そもそも、この「ミルキー☆サブウェイ」は前作「ミルキー☆ハイウェイ」の続編という位置付けらしく、じゃその「ミルキー☆ハイウェイ」とは一体何かというと、帰国後の亀山さんが入学したゲームアカデミーでの卒業制作アニメだったという。

アカデミー卒業制作アニメ「ミルキー☆ハイウェイ」

で、このアニメをYouTubeにアップしたところ、いきなり500万再生という驚異的なバズり方を見せ、こうして続編の「サブウェイ」に繋がったわけだね。
・・あ、「ハイウェイ」もYouTubeにアーカイブされてるから、興味ある方はご覧ください。

①チハルとマキナがクルマでスピード違反をし、警察の追跡車両をマキナが破壊するも、最後は捕まる(「ミルキー☆ハイウェイ)

②警察に逮捕されたチハルとマキナは「奉仕活動」として電車の車両の清掃を命じられるも、なぜか車両が誤作動を起こし発進、そして暴走するという事態に・・(「ミルキー☆サブウェイ」第1話~)

③その3日後、頭部だけになったマキナを持参したチハルが警察の事情聴取を受けている(「ミルキー☆サブウェイ」のイントロ)

・・で、②と③の間に何があったのか、というのを明かしていくのが「サブウェイ」の本編ということです。


とにかく、これはコメディとしてめっちゃよくできています。
ぶっちゃけ、これほど笑えるサイバーパンクは生まれて初めてかも・・。

特に、このマキナなんてサイコーじゃん?
完全にカラダが機械なんだが、顔の部分だけ液晶パネルで表情を変化させるというハイテクだかローテクだか全く区別のつかないところが好き(笑)。
一見、ポンコツっぽいんだが(時々ケムリが出たりして・・)、実は超ハイスペックであることの伏線が幾つも仕込まれており、今後の活躍が楽しみである。

・・うむ、これはTikTok世代でも昭和世代でもともに楽しめる理想的なアニメだよ!

人海戦術の極致ともいうべき「鬼滅」の大ヒットの一方で、それとは真逆のベクトル(たった1人で制作)の傑作も存在するんですよ。
かたや2時間35分、かたや1話3分。

やっぱ、この両方を見とくべきだと思います。


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