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私が再評価されるべきだと思う、「なろう」系アニメ

皆さんは、1つのクールで大体いくつぐらいのアニメ数がリリースされてるか知ってる?
私も気になって今冬クールの作品リリース数をざくっとカウントしてみたんだが、大体80前後といったところみたいだね。
うむ、予想以上に多かった!
ぶっちゃけ、ちょっと過剰供給という気がせんでもないが・・。

で、その約80作品の中に「異世界ファンタジー」がどれほどあるのかというのを併せて調べてみたところ、これが今クールだと20以上でしたわ。

つまり、1クールのうちの約3割がいまだ「異世界ファンタジー」ということなんですよね。


相変わらず、多いと思いませんか?
もはやトレンド云々をヌキにして、これはもう完全に日本のアニメ文化の中で定着した大ジャンルといっていいでしょう。

ところで、皆さんは投稿サイト「小説家になろう」から初めてアニメ化された作品が何かを知ってますか?

はい、それはコレ↓↓なんです。

「ログ・ホライズン」第1期(2013年)

原作:橙乃ままれ 監督:石平信司 制作:NHK

そうか、今から13年前のことですか・・。 
なお、「なろう」からのアニメ化は

【1番手】2013年「ログ・ホライズン」
【2番手】2014年「魔法科高校の劣等生」
【3番手】2016年「この素晴らしい世界に祝福を!」
【4番手】2016年「Re:ゼロから始める異世界生活」


という順番になってまして、この初っ端の4作品の破壊力があってこその「なろう」ブーム到来だったと思います。
特に一番最初の「ログ・ホライズン」についてはNHK製作(製作委員会ではなくNHK単独)であり、なんていうか、あのNHKがこの作品をやったことでいきなり「なろう」にお墨付きが与えられた感じだったと思うのよ、正直。

NHKってさ、「いかにも私は保守でございます」という顔をしときながら、実際は意外と攻めてくるんだよね。
時流にも、かなり敏感。
まだブレイク前だった宮崎駿にいきなり「未来少年コナン」を任せたりとか、同じくまだブレイク前のガイナックス、庵野秀明にいきなり「ふしぎの海のナディア」を任せたりとか、磯光雄(⇐初めての監督)にもいきなり「電脳コイル」を任せたりとか、やることが他局より一歩早かった。
このへんはさすが「天下のNHK」とでもいうべきか、きっと局内に賢い人がいるんだろう。
で、そんなNHKが「なろう」からチョイスしたのが「ログ・ホライズン」、特に第1期の頃のアニメはホント素晴らしい出来でした。
ただ、後に原作者が脱税で逮捕されてしまい、そのせいか空白期間が長期化して、だんだんと皆に忘れられていったんだけどね・・(笑)。

しかし、私は敢えて今「ログ・ホライズン」を再評価したい!

実は「ログ・ホライズン」アニメ化の前年、2012年に同じく「ログアウトをできなくなった」系の「ソードアートオンライン」(⇐これは「なろう」系ではない)がアニメ化されており、この2つは似たシチュエーションということもあって当時よく比較されてたと思う。
しかしシチュエーションこそ同じにせよ、この2つは全くといっていいほど畑が違うものだった。
剣士が主人公の「SAO」はバトル劇だが、それに対して軍師(フィクサー)が主人公の「ログ・ホライズン」が扱うのは行政・経済の方がメインだったよね?
なんで異世界(ゲーム世界)系で、そういうお堅い題材を扱うねん?」と思う人もいただろうが、いやいや、違いますって。
この題材は、ああいうバーチャルが舞台だからこそ絶対にやる必要があったんですよ。
そもそも、この「ログ・ホライズン」が描いているのは一種のメタファーであり、ここで描かれてるものってのは、

インターネットという無法のセカイ(SNS等)を生きる匿名者たちの姿そのものですから

それだけに当時この作品を見てた人たちは、決してこれを他人事じゃなく、割と当事者の感覚で見てたと思うんですよね。

序盤、舞台のMMORPG「エルダーテイル」は一部プレイヤーが暴虐の限りを尽くしてて、もう荒れまくってたわけさ。
それを主人公シロエの知略によって「エルダーテイル」の自治体制を構築し、そこに秩序と安定をもたらすのが第1期のメインプロットでしたね。

で、ここに出てくる横暴なプレイヤーは作中こんなふうに言ってたのよ。

「ここは<俺のセカイ>だ!
思い通りにならない奴は許さねぇ!」

まぁ、ちょっと頭イカレた奴に思えるかもしれんが、別に彼は生粋の犯罪者というわけじゃなく、単にゲームプレイヤーのひとりである。
じゃ、なぜこんなイカレ野郎になってるのかというと、それはここがリアル世界ではなく無法だから、そして自分もリアルの自分ではない、匿名の存在だから・・なんですね。
匿名、身バレしない、というのがひとつのポイント(いや、ホントは超簡単にバレるんですけどね・・)。
こういう状況に置かれたら「何でもしていい」と自分に都合よく解釈して、なぜだか獣化する輩も出てくるわけです。
実際、この人物は「どうせバーチャルじゃねーか!」と言ってました。
まぁ、バーチャルだからこそ「リアルじゃ絶対に出せない自分」を演出し、その「リアルよりイケイケな自分」に陶酔するのかもしれん。
だとすりゃ、あまりにもイタすぎる・・。

というか、これファンタジーでも何でもなく、めっちゃ今も実在してる人たちの話じゃん?

この邪悪な容姿もリアルではなく、あくまでアバターである

この作品そのものは今から十数年前の古いものだが、この当時もまたネットの世界は非常に荒れてたわけですよ。
昨今、「いまどきのSNSは目に余る」みたいなこと言う人いますけど、それ違いますからね?
目に余るのは今に始まった話じゃなく、ず~っと昔からインターネットとはそういうもの。
特にネット黎明期(00年代)なんて、今以上にマナーの概念そのものが存在してなかっただけに、もうとにかくエゲツないもんがありましたわ。
日々がデスマッチ、流血試合だったといっていい。

・・そうそう、私の知人にそういう黎明期に掲示板みたいなのを立ち上げた猛者がいて、そいつも最初は本業と二足のワラジだったのが、やがてネット収入の方が本業を完全に上回ってきて、結局は勤め先を辞めちゃったのよ。
で、私も知人のよしみで暇を見てはその掲示板運営のお手伝いっぽいことをしてた時期があるんだが、もうね、その頃にイヤというほどの数の悪意あるものを見てまして・・。
で、その頃の経験則からいわせてもらうと、「若気の至りでやっちゃう人が多い」というのが正直ありましたね。
実際、めっちゃタチ悪い奴の身元を特定したらそれが小学生だったりして、まぁ、その子もリアルは全然悪い子じゃなかったし、親御さんもよくできた人だったので丸くおさまったんですけど。
ただ、それ以来私はネット上における悪意あるものを見るたび、まず小学生がイメージとして頭に浮かぶようになったんです(笑)。
でもって「コドモだし、しようがない」と考えるようにもなり、そういう系は「精神が成長するまで、そっとしとこう」という認識になっちゃいましたけどね。

この「ログ・ホライズン」原作者/橙乃ままれ先生も、きっとそういう荒れた時代(00年代黎明期)をくぐってきた人でしょう。
で、そこに対する熱い思いが主人公シロエの行動に込められてると思うんですよ。
実質的に法が有名無実になってる匿名のセカイで、果たしてどうやって治安と秩序をもたらすのか?
どうすれば、人々が恥ずべき行動をしなくなるのか?

「ログ・ホライズン」第1期は、そこに踏み込んでるんだよね。
これって、明らかに橙乃先生から巷のネット使用者たちに向けたメッセージでしょ、どう見ても。
うむ、「なろう」にしては非常に意識が高い作品である。

あとは、橙乃先生が税金払ってれば完璧だったんだが・・


そういや、「ログ・ホライズン」の中に税制の話って出てきましたっけ?

あと、この作品は早い段階からプレイヤー(人間)と大地人(AI)の共存のカタチをシミュレーションしてたところもよかったですね。
シンギュラリティがいよいよ秒読み段階に入った今だからこそ、この作品の示唆は染みてくると思う。
逆に、今だからこそ見るべき作品とでもいうべきか・・。

今じゃ、こういうバーチャル系というのも「ソードアートオンライン」の方がイケイケだし、「シャングリラフロンティア」も人気みたいだし、あとは悪役令嬢(乙女ゲーム)系もめっちゃ増えてきたし、年を追うごとにみんな「ログ・ホライズン」のことを忘れていってるよ・・(笑)。
お願いですから、忘れないでください。

そもそも、この作品は

「なぜゲーム世界に閉じ込められたのか?」
「現実世界はどうなっているのか?」など、
最大の謎が放置されたまんまですからね?

現実世界のシロエ

「SAO」とはコンセプトが違うので(SFっぽさは薄い)、橙乃先生としてそこを重視してないかもしれないけど。


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