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月収450万より、31通の不採用が強かった/昔稼げた男のしょうもない再起録 #6

実は、酔いどれ。

傷病手当で、なんとか食いつないでいたんです。

ありがたい制度である。

本当に助かった。

これがなかったら、たぶんもっと早く詰んでいた。

妻に捨てられていた、とまでは言わない。

言わないが、捨てる理由の書類選考くらいは通っていたと思う。

でも、永遠ではない。

カレンダーを見て、あと何回もらえるのか数えた。

一回。

二回。

三回。

思っていたより少ない。

指って、こういう時だけ正直である。

noteで再起。

100円から稼ぎ直す。

自分の言葉で出していく。

そう言いながら、家賃も食費も光熱費も待ってくれない。

「再起中なので少々お待ちください」

とはならない。

なので、ボクは求人サイトも見ていた。

noteで再起すると言いながら、求人サイトも見ていた。

カッコ悪い話である。

でも、本当の話である。

検索窓が弱くなっていく

最初は、少し強気だった。

在宅。

正社員。

マーケティング。

ライター。

Web関連。

昔の自分が、横から口を出してくる。

ネットで稼いでいたんだから、何かあるだろう。

そう思っていた。

でも、求人を見ているうちに、検索ワードが少しずつ弱くなる。

未経験可。

ブランクOK。

40代歓迎。

在宅相談可。

週3日。

体調に合わせて。

検索窓に入れる言葉で、自分の現在地が見えてくる。

検索条件をゆるめるたびに、自分の肩も少しずつ丸くなっていった。

31社落ちた

応募もした。

最初のうちは、まだ少し期待していた。

条件が合えば、どこか引っかかるだろう。

昔は自分で稼いでいたんだし。

ネットの仕事なら、少しは話になるだろう。

そう思っていた。

でも、落ちる。

また落ちる。

書類選考で落ちる。

面接にすら進まない。

「今回はご希望に添えず」

その一文を、何度も見た。

最初は本文まで読んでいた。

そのうち、件名と冒頭だけでだいたい分かるようになった。

10社落ちたあたりで、少し焦る。

20社落ちたあたりで、職務経歴書が他人の作文みたいに見えてくる。

31社落ちた頃には、求人サイトを開く指が少し重くなっていた。

応募するボタンにも、こちらを見下ろされている気がした。

もちろん、ボタンは何も悪くない。

悪くないのに、なんか腹が立つ。

昔の月収は、書類を通してくれない

昔はネットで稼げていた。

月収で大きく稼いだ時期もある。

でも、求人サイトの中では、それだけでどうにかなるわけではない。

過去の売上は、書類選考を通してくれなかった。

昔の月収450万円より、今の空白期間の方が強かった。

これが現実だった。

なかなかしんどい。

企業が悪いとだけ言うつもりはない。

たぶん、ボク自身も、自分をどう見せればいいのか分かっていなかった。

「昔は稼げました」

それだけでは、どこにも入れてもらえない。

白い画面の前にいた

求人サイトを閉じた。

少しだけ放心した。

働きたい気持ちはある。

でも、すぐに働ける自信はない。

副業で戻りたい気持ちもある。

でも、そもそも本業が止まっている。

本業がないのに、副業とは何なのか。

求人サイトを見ている方が副業なのか。

noteを書く方が本業なのか。

考え出すと、かなり面倒くさいおじさんである。

どちらにも胸を張れない。

パソコンの画面には、noteの下書きが開いていた。

まだ白い。

求人サイトには弾かれた。

noteには、まだ何も出していない。

その夜のボクは、ただ白い画面の前に座っていた。

昔の月収は、書類選考を通らなかった。

でも、今の一文もまだ書けていない。

白い画面だけが、やけに正直だった。

しばらく眺めてから、ようやく一文字だけ打った。

でも、求人サイトの「応募する」ボタンよりは、少しだけ押しやすかった。

最後まで読んでくれてありがとうございます!

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