はじめてのオアハカ、死者の日の夜
メキシコシティから飛行機で約1時間。
オアハカの空港に降り立った瞬間、気分が上がるあの感覚は今も変わりません。
メキシコシティの、薄くて乾いた標高2,200メートルの空気ではなく、やわらかくて温かい太陽の気配。
肌にあたる風が、ぜんぜん違う。
着いた瞬間に、「あ、好きだ」と思ったことを今も覚えてます。
そんな第一印象とは裏腹に、宿に着いてびっくり。
予約したのは、ちゃんとしたホテルのつもりでした。
でも実際に着いてみると、ホテルとAirbnbの中間のような場所で、共用スペースがあったり、他の宿泊客と鉢合わせたり。

死者の日シーズンということもあって宿代は高騰していたのに……想定と違う雰囲気に少し面食らいました。
とはいえ、オアハカにいる高揚感は止まらない。
荷物を置いてすぐ、向かった場所がありました。
そこは、ヒル・ボノラさんの作品を買えるお店。
POPEYEのメキシコ特集を見て、一目惚れしたボノラさんは、脱力感のある「ヘタウマ」なタッチで描かれたアートが魅力的。

一見ゆるいのに、色彩感覚と構成がしっかりしていて、見れば見るほど引き込まれます。
テンションが上がりすぎて、気づいたら10個以上買っていました。
もちろん今も、自宅に飾っています。
メキシコに行くたびに買い足しているので、気づけばどんどん増殖中。
我ながら、相当好きらしい。
そして、オアハカ初の夜。
現地集合した日本の友人たちと、有名レストラン「Alfonsina(アルフォンシーナ)」へ。
素晴らしいオアハカモダンな一品一品を、舌と脳、記憶に焼き付けたいと思いつつ、何をどう食べたかよりも、その場にいた時間のことをよく思い出します。

友人たちとの会話、メスカルの美味しさ——今も大切な思い出です。
あっという間にあたりは暗くなり、食後はみんなでセントロへ。
ここで初の骸骨メイク。
お互いの顔を見て笑って、写真を撮って。
お墓を見に行くこともなく、特別なことは何もしていないけれど、これも友人たちと過ごした貴重な時間。

そのままの顔で、友人と一緒にインスタライブしたことも忘れられません。
ライブなんてやったことはなかったけれど、メキシコにいる高揚感が、わたしたちを喋り続けさせたような。
一夜明けて、余韻に浸る間もなく、時間が迫ります。
本当はもっといたかったのに……。
でも、PCR検査を受けるために、一足早くメキシコシティに戻らなければならない。
泣く泣く、オアハカをあとにしました。
メキシコシティの空港で検査を受けてからは、残りのメキシコを惜しむ気持ちと、陽性だったらどうしようという不安が、ぐるぐると交互に。
そんな時間を、わたしはある場所で過ごしていました。
メキシコ建築が好きな人なら、名前を聞いただけで反応するかもしれない。
建築家リカルド・レゴレッタが手がけた、あのホテルで。
Este viaje aún continúa —— この旅は、まだ続きます。
※2022年11月当時は、日本帰国の条件としてPCR検査の陰性証明が必要でした。
このエッセイは「メキシコに魅せられて」シリーズの第3回です。メキシコへの偏愛をつづった記事や、現地でしか知れない情報はメンバーシップ「ヨコヤムヤムのメキシコガイド」で発信しています。気になった方は、のぞいてみてください。
メキシコ旅行の参考に
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