そのカロリー、お預かりしました
目で見たカロリーが全て血となり肉となった。
アラウンドサーティにもなると、どうやら文字で見たカロリーも、映像や画像で見た食べ物も脂肪として身体に蓄える技が使えるようになるらしい。
「空気を吸うだけで太る」
とはよく聞くが、たぶん似たような原理。
そのせいで、どの服を着ても羽化途中の蝉みたいになる。
タイトなジーンズにねじ込めなくなったワガママボディである。
ワガママではない。
自堕落ボディの間違いだ。
とりあえず、そんな状態で出歩くわけにもいかないし何より苦しいので服を買った。
シャレオツジャージ!
気温も財布も寒い。
日常に潜むカロリーは油断ならない。
なぜなら、まずテレビをつけたら何かしら食べ物が映る。
特に今は秋。
新米、栗、ぶどう…何かしら流れてくる。
つい先日のことだ。
“芋煮会”総まとめみたいなことをニュースでやっていた。
芋煮の大鍋から、その芋煮を喰らう人の映像まで流れてくる。
視覚情報によるカロリーは“延数”である。
つまり、芋煮を喰らう人の紙皿に鎮座する芋煮があの大鍋から取り出されたものであっても、それは別カロリーとして換算される。
要するにこの場合、
大鍋の芋煮+(皿に盛られた芋煮×人数)分のカロリーを摂取したことになる。
あの大鍋のカロリーが気になるよな?
え?
そうでもない?
私が気になるから計算する。
まず、芋煮のレシピが多過ぎてこれを調べている間にも大量の芋煮および食材を見てしまった。
つまりどういうことかって、視覚情報によるカロリーによりすでに一日の摂取カロリーをオーバーしたってことだよ!
見事に肥える。
【「日本一の芋煮会」の芋煮レシピ】
〈材料〉
1.里芋:3トン
2.牛肉:1.2トン
3.こんにゃく:3500枚
4.長ネギ:3500本
5.醤油:700リットル
6:日本酒(一升瓶)50本
7.砂糖:200kg
8.山形の水:6トン
日本最大の芋煮会こと山形の「日本一の芋煮会」では3万食超えの芋煮を生成するらしい。
凄まじい量だな!
【「日本一の芋煮会」鍋内総カロリー】
1.里芋:3トン→159,000kcal
2.牛バラ肉:1.2トン→405,600kcal
3.こんにゃく:3500枚→52,500kcal
4.長ネギ(1本150gと仮定):3500本→185,500kcal
5.醤油:700リットル:53,200kcal(食塩相当量:101.5kg)
6:日本酒(一升瓶)50本:96,000kcal
7.砂糖:200kg:773,400 kcal
8.山形の水:6トン:0kcal
トータル1,539,700kcal。
一般的なアラウンドサーティ女の770日分の必要摂取カロリーを15秒ほどの間に摂取していたらしい。
※2,000kcal/日
年齢別に換算してみたので、
皆さんも自分の芋煮日数を確認してくれ!
【あなたの芋煮、何日分?】
※身体活動レベル〈普通〉で算出
※()内は芋煮何日分かの値
◽︎男性
18〜29歳:2,650kcal(581日)
30〜49歳:2,650kcal(581日)
50〜69歳:2,450kcal(628日)
70歳:2,200kcal(700日)
◽︎女性
18〜29歳:1,950kcal(790日)
30〜49歳:2,000kcal(770日)
50〜69歳:1,950kcal(790日)
70歳:1,700kcal(906日)
そして油断してはならない。
インタビューに応じた人数分と、その後ろで食われている芋煮と、芋煮持って通過した人数分も加算する必要がある。
1,539,700kcal +α
そりゃあ肥えるわ!
その後、バレンシアガのパーカーを着た若者が焼き芋をはふはふしながら
「ほいひいでふっ!」とインタビューに答える映像が流れた。
焼き芋のカロリー追加摂取。
だいたい、450kcalくらい。
その後「新米」というワードを見た。
2025年の新米は747万7000トンらしいので、
26兆9,172億kcal摂取。
その後も油断したら上戸彩さんがうどん食べてだけど、うどんのカロリーはもちろんシェア。
でも、半分こではない。
だっておこがましいだろう?
彩さんと俺がうどん半分こだなんて。
だから、フルカロリー摂取。
先日、原田ひ香さんの『その復讐、お預かりします』を読んだ。
この本は740円+税でとんでもないカロリーが摂取できるのだよ!
“ゲスなパン”ことハイカロリー胃もたれ必須の油ギトギト惣菜パンや砂糖モリモリ菓子パンが多数登場する胃もたれ小説でな…
【登場したゲスいパン】
1.巨大コッペパン(あんことマーガリン)
2.コロッケが挟まったパン
3.推定メロンパン
(たっぷりの砂糖衣がかかっている)
4.コーンとマヨネーズのパン
5.なめらかなミルククリームをはさんだ夢のようなパン
6.正体不明の三つのゲスなパン×3
7.ハンバーグが挟まった惣菜パン
8.コンビニで買ったソーセージパン
この本をあまりに気に入った私は、この短期間の間に三回も読んだ。
つまりここに出てくるゲスなパン24個分のカロリーを摂取した。
「本は心の栄養」とはよく言ったもので、
身体にも栄養である。
肥えたくなければ食いもんが出てくる本は読んではいけない。
そうだな、夏目漱石の『三四郎』は特にだめだ。
あれは、「柿」の文字が11回出てくるし
正岡子規が1回に「柿を16個」食うせいで柿だけで27個分のカロリーを摂取することになるからな。
あと、タンニン過多で結石できんぞ。
『三四郎』にでてくる柿を甘柿の王様・富有柿と仮定すると、27個で4,536kcalものカロリーを摂取することになる。
あれには他にも鮎の煮浸しとかライスカレーとかヒ素入りの桃が出てくる。
とんだハイカロリー小説だな!
ただ、本をほとんど読まない私だって薄々勘づいていることがある。
食べ物が全く登場しない小説はおそらくほとんど存在しないと。
直接的に食べ物が登場しなくとも、珈琲に角砂糖を入れたり、生きた鶏がうろついていたりするはずだ。
つまり、「読書の秋」と「食欲の秋」は背中合わせの存在である。
……ところで、ここまで読んでくれた方がいらっしゃったら謝らせてくれ。
かたじけない。
ここまでしつこく食べ物の名前を連呼していたのは他でもない。
あなたを、道連れにしたかったからだ。
……全てはあなたを肥えさせるためだよ。
油の乗ったゲスなあなたを煮て食おうか、焼いて食おうか……
いや、ハロウィンを言い訳にしてこんなグロテスクなことを言ってはいけないよな!
反省した!
きっと文字みただけで肥えてんのは俺くらいのもんだろうから、おぬしの代わりにそのカロリー、我が血肉としてやろう。
そのカロリー、お預かりしました!
だから安心して読書して、うまいもん食べてください。
【参考資料】
◽︎日本全国芋煮会同好会
コミュニケーションレシピ
◽︎山形味の農園
山形では日本一の芋煮会はじまる
◽︎農林水産省
米の流通状況等について
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よもぎちゃーん!
はーい!
何が好き?
ポテトチップスよりも
お・ぬ・し