僕がサウジアラビアに移住する理由【※更新有】
こんにちは。chef+(シェフプラス)の米澤文雄です。
僕がスタートさせたお店No Codeがメキシカン・フレンチにジャンル変更し、8年間僕と共に働いてきたアキノリが料理長に就任することを、前回の記事で書きました。
さて、じゃあ僕はどうするの?ということなんですが、なんと、家族と共にサウジアラビアへ移住します!!

ビザ次第だけど、早ければ8月の終わりくらいから。3ヶ月に1回くらいは日本に帰国予定ですが、日常の拠点はサウジアラビアに。どうして?なぜサウジアラビア?について書いてみます。
なぜサウジアラビアなのか?
きっかけは、サウジアラビアの方から「レストランを出しませんか?」と提案をもらったこと。
この時はサウジアラビアなんてまったく考えてもなくて、文字通り青天の霹靂。「まずは視察に行かせてください」と、2024年の冬が終わる頃に西麻布のmerachi(メラキ)のシェフこーすけと一緒に初めてサウジアラビア・リヤドに訪れました。

サウジに来たのはこの時が初めて。5日間だけの滞在だったんだけど、その躍動感に、心を鷲掴みにされた。
中東諸国の凄まじい発展ぶりについては、皆さんご存知の通り。その中でもこれまではアラブ首長国連邦のドバイが目立ってきたと思うのですが、隣国であるサウジアラビアも今、国全体を挙げて、飛ぶ鳥を落とす勢いで爆伸び中。
というのも、サウジアラビアは国の収入の大半を占めている石油からの脱去を図るために「サウジビジョン2030」という国家目標を掲げていて、観光業など都市開発に国を挙げて力を入れている真っ只中なんです。観光ビザが2019年に解禁されたのもこの流れ。
具体的なところでいくと、ニューヨークのセントラルパークの約4倍もの規模になる都市公園「キング・サルマン・パーク」を首都リヤドにつくるプロジェクトが進行中だったり、
螺旋状の建物を中に内包する建築物「ニュー・ムラッバ(New Murabba)」は、建物内でホログラム技術やデジタル技術を駆使しながら、住宅やホテル、商業施設、観光施設、そして緑地やサイクリングロードなどの独自交通整備までもを共存させる、超近未来的な都市計画。なんとこの建物の中で、健康的でサステナビリティな上質な生活が完結できるようになるらしい。

そしてアニメ好きなら押さえておきたい「ドラゴンボールテーマパーク」も、サウジアラビアに2035年頃までにオープン予定。これはサウジアラビアが親日国で、アニメや漫画のカルチャーが浸透していることが大きいんだとか。広さは東京ディズニーランドと同規模50万平方キロメートル超!

他にも遺跡のディルイーヤ再開発プロジェクトや、世界最大級のスマート都市NEOMプロジェクトに国家の予算が大きくついている状態。
サウジアラビアという国は、実態も印象も、数年後、今と全く違うものになっていると思う。

そんな未曾有の発展を目下に控えたサウジアラビアを肌で感じて「ここにレストランを作って、食を通じたいろんな活動ができたら面白いだろうなー!」って、めちゃくちゃワクワクしたんです。
娘に海外生活の経験してもらいたい
そんなわけで、前向きな返事を先方にした上で、2024年の11月に今度は妻と、娘の希風(のかぜ)を連れて再びサウジへ。

僕には、娘が2人います。美風(みかぜ)と希風(のかぜ)。
僕が今回海外に行こうと思った一番の理由が、家族、特に娘たちの存在。彼女たちに、できるだけ早い段階で海外での経験をさせてあげたい。
日本はもちろん素晴らしい国で大好きなんだけど、若いうちから海外での経験をすることっていうのは、個人的にすごく大切なことだと思っています。特にこれからの時代は。でも、実際2人行かせてあげようと思うと、結構なお金がかかるわけです。
美風はメルボルンの高校への留学がすでに決まっているんだけど、希風はこの時まだ決まっていませんでした。なので、希風もサウジアラビアの雰囲気を気に入ってくれるなら、僕をシェフとして招致してくれるサウジ側に、希風の留学についても掛け合おうと思いました。

実際にサウジアラビアに来てみた希風は、結構楽しそうにしていたので一安心。
希風が通うのに良さそうな学校を4件ほど見学させてもらい、気に入ったアメリカン・インターナショナルスクールがあったので、移住したら、そこへの入学を決めています。
創造的な"50代のchef+"を目指して自信をつけたい
移住を決めたもうひとつの大きな理由。
それは、料理人としての今後のキャリアについて。
誤解を恐れずに書くと、料理人は50歳以降、体力や感性の変化とともに、キャリアの停滞、いわゆる「キャリアの踊り場」を迎えると僕は思っています。
この話をお客さんにすると「米澤シェフはそんなことないですよ〜!」って言われるんですけど「でも、皆さんも若いシェフのお店に、行きたくないですか?」って聞くと、一瞬、無言の間が開く(笑)多少なりとも、心当たりがあるんだと思います(笑)
特に食の分野は、どんどん新しいモノや人が出てくる。だから、時流を読むためには常にアンテナを張らないといけないんだけど、どうしても若い人達の感性や体力には敵わない。
でも、じゃあ50代以上の料理人は活躍してないのか?と言われるとそうじゃないですよね。
50歳を過ぎても本当に素晴らしいレストランを運営されているシェフが勿論たくさんいます。でもそこに到達するには、本当に確固たる実力と、その年になっても活躍できる好奇心と潜在能力がないといけない。
僕は今45歳ですが、5年後の僕にそれがあるかと言われると、自信がないんです。
僕だって、50代になっても、60代になったって、仕事をし続けたい。
自らの肩書きにしている"chef+(シェフプラス)"として、仕事や活動の幅を広げていきたい。
だからこそ、"脂が乗っている"自覚がある今こそ、今まで以上に本気で挑戦しなきゃ!と思って、気持ちを新たに拠点を移すことを決めました。
店名でもあり、会社名でもある"No Code"には「国境を超える」という意味もある。このタイミングで再び国境を超えて、全く未知の新しい場所、そして世界でも有数の発展を遂げるであろうサウジアラビアに腰を据えて、自分自身に挑戦したいと考えています。
準備からすでに大変
そんなわけで準備を進めているんですが、絶賛発展中のサウジアラビアは、システムも仕組みも、まだまだ整っていない部分が多くて大変!
QVPというシステムでサウジでビザを申請する資格を取得するんですが、この資格は、本来は大学卒業以上の資格が必要なんです。
僕も普通に申請してみたら一度棄却されちゃったのですが、シェフやアーティスト、スポーツ選手などの、学歴と職種がリンクしない人は、それ相応のキャリアや資格、受賞歴などの実績を提出する必要があるとのことで、古巣のJean Georgesシェフからのオファーレターをもらって、再度申請したら無事取得出来ました。
一般職の人は別にそこまで厳しくないとか、管理職で家族連れはかなり厳しいなどの噂も色々聞きますが、真相は不明……。
この調子だと、移住してからも、想像を超える出来事がいっぱい待ち構えているんだろうなー!
そう考えると、僕の意思決定についてきてくれる仲間、家族には感謝しかないです。そして、だからこそ本気で頑張れる。
酸いも甘いも全てしっかりと自分のモノにしたいと思っています!
今後の予定



画像は、現時点でのサウジでのお店のパースです。
現時点の開店目標は12月くらい……でもラマダンが来年1月半ばからあるので、もしかしたら春ぐらいのオープンになるかも……その上もしかしたら物件を変更するかもしれなくて、そうなるともっと先になるかも……上のパースと全然違うお店に仕上がる可能性も大。
こんな感じで、まだまだ未確定なことだらけです。紆余曲折も全てinstagramなどでリアルタイムに発信する予定なので、ぜひチェックしてください。
どちらにせよ、夏は40℃を普通に超えるので、来ていただくなら、11月から4月の間がおすすめの時期かなー。
あと、日本には基本3か月に一度は帰国予定です。
No Codeの旗艦店となるNo Code Tokyoはじめ、日本の事業も蔑ろにしたくないし、スタッフ達とも直接面と向かって話す時間をしっかりと取りたいと思ってるからです。
そして、今年2025年の秋頃にはNOCODE台北もオープン予定。加えてTHE SG CLUBの後閑信吾と一緒に走らせている上海のEDITION HOTELのプロジェクトYONEもあるので、そちらにも定期的に足を運ぶ予定。
その他、今までと変わらず、気になる場所には世界中どこでも、どんどん出向いていく予定です!
今まで以上に本気で、でも「いいな」と思ったものを取り入れる柔軟さも意識しながら、自分の根っこをより深く伸ばす挑戦にしたいと思っています!
No Codeのご予約について
ご予約は下記サイトから承っています。
Tablecheck
OMAKASE
店名:No Code
営業時間:(2部制※各回一斉スタート) 17:00~ / 19:45~
料金:料理 おまかせコース 13,500円(税込サ別) ドリンク ペアリング 10,000円(税込サ別) ※ファーストドリンク別 ※ドリンクはグラス、ボトル共にアラカルトオーダー可能、ノンアルコールペアリングは御座いません。料理:メキシカン-フレンチ
予約:電話、ネット予約※テーブルチェック推奨
座席:8席(カウンターのみ)
ドレスコード:スマートカジュアル
キャンセル料:~1週間前30% / 前日50% / 当日100%
※2025年6月時点の情報です。最新の内容は予約ページなどをご確認ください。
僕の最新の情報は instagram で確認してください!
(arranged by 菅原きこ)
