【運動療法×予防医学】足関節捻挫と股関節筋力の意外な関係性〜エビデンスに基づく再発予防戦略〜
足の捻挫が多い方は何度も捻挫しやすいですよね。
なぜ捻挫を繰り返しやすいのでしょうか?
足関節に何か問題があるというのは何となくイメージできますが、股関節にも再発に関連する問題があるようです。
今回の研究では足関節と股関節にも注目し再発予防に必要な戦略を提案しています。
※足首の捻挫に関してはこちらも併せてご覧下さい
今回の研究はこちら
タイトル
"Ipsilateral Hip Abductor Weakness After Inversion Ankle Sprain"
日本語訳
「内反捻挫後の同側股関節外転筋の弱さ」
となります。
では要約です。
1.【研究目的】
慢性足関節捻挫(特に外側靭帯損傷)を繰り返す患者において、患側と非患側の股関節筋力(外転筋・伸展筋)や足関節可動域に差があるかどうかを調査し、股関節筋力の低下が足関節捻挫の反復や慢性化に影響を及ぼす可能性を検証する。
2.【対象と方法】
• 対象
• 年齢18~52歳の慢性足関節捻挫患者23名
• 少なくとも2回以上の同一側足関節捻挫を経験し、直近の捻挫から3か月以上経過している
• 完全に荷重歩行が可能で、現在リハビリを行っていない
• 方法
1. 股関節筋力測定:
• ハンドヘルドダイナモメーターを用いて、患側・非患側それぞれの股関節外転筋力および伸展筋力を計測
2. 足関節可動域測定:
• ゴニオメーターを使用し、背屈・底屈・内反・外反の可動域(ROM)を計測
3. 統計解析:
• 対応のあるt検定(有意水準α=0.05)を用いて、患側と非患側の筋力および可動域の差を比較検討
3.【主な結果】
1. 群間の違い(患側 vs 非患側)
• 股関節外転筋力: 患側で有意に低下(P < 0.001)
• 股関節伸展筋力: 両側間に有意差なし(P = 0.19)
• 足関節底屈可動域: 患側で有意に低下(P < 0.004)
• 背屈・内反・外反可動域: 有意な差は認められず
2. 条件ごとの違い・相関
• 股関節外転筋力と伸展筋力の相関(患側): r = 0.539(P < 0.01)
• 足関節底屈可動域と内反可動域の相関(患側): r = 0.462(P < 0.026)

〈患側(Involved Side)と非患側の数値を棒グラフで比較し、股関節外転筋力と足関節底屈ROMに有意差があることを視覚的に示しています。〉
4.【臨床的意義】
a.股関節外転筋の強化が重要:慢性足関節捻挫患者は患側の股関節外転筋力が低下しており、バランス維持や歩行時の安定性に影響を及ぼす可能性がある。
そのため、足関節捻挫後のリハビリには股関節外転筋の強化を含めることが望ましい。
b.足関節可動域の低下と関節機能の関係:足関節底屈ROMの低下が股関節の筋活動に影響を与える可能性がある。
リハビリでは、股関節筋力の改善だけでなく、足関節の可動域制限にも着目する必要がある。
5.【まとめ】
いかがでしたか?
足関節底屈の可動域を改善することに加え、股関節の外転筋強化とそれによる関節の安定性向上が必要ということですね。
学生でも部活などでよく捻挫する方がいますよね。
セルフエクササイズとして足関節のストレッチと股関節のトレーニングを中心としたメニューを行ってもらうのがよさそうです。
足関節だけに注目するのではなく、股関節の機能も評価し治療を行っていきましょう!
6.【参考文献】
Friel K, McLean N, MyersC, CaceresM.Ipsilateral hip abductor weakness after inversion ankle sprain. J Athl Train. 2006; 41: 74–78. PMID: 16619098
股関節のトレーニングに関してはこちらを参考にしてみて下さい!
また学びになる研究がありましたら紹介していきます。
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