見出し画像

SoFiのワンストップサービスが生む「Winner Takes ”Most”」-前編-

SoFiのCEO Anthony Notoは「フィンテック業界にもWinner Takes ”Most”がやってくる」と度々発言する。SoFiの銀行・投資・保険・ローンなどのワンストップサービスで、Winner Takes ”Most”は実現するのか、その構造を見ていく。
※Anthony NotoはWinner Takes ”Most”とよく発言するが、用語の解説ではより馴染みのある「Winner Takes "All"」で話を進めていく。

<Winner Takes Allが起きる構造>
Winner Takes Allとは、ある市場において、一部または1社が、シェアや利益をほぼ独占する構造を指す。Winner Takes Allは、以下を主な要因として起きる。

【ネットワーク効果】
ユーザーが増えるほど、そのサービスの価値も高まる現象
1. 直接的なネットワーク効果(direct network effects)
Facebook、X(旧Twitter)、LINEなどのSNSでは、ユーザーが増えることで、自分とつながれる人の数(=ネットワークの広がり)が増え、結果として自分にとっての価値も高くなる。これが「直接的なネットワーク効果」である。
2. 間接的なネットワーク効果(indirect network effects)
Amazonやメルカリは、出品者が増えれば増えるほど、購入者が増え、購入者が増えれば増えるほど、出品者もまた増える。必ずしも人(購入者)と人(出品者)である必要はなく、ユーザーの増加により、アプリの使いやすさが上がり、それがまたユーザーの増加を生む、という場合も「間接的なネットワーク効果」に当てはまる。

表現を変えて言うと、「あるつながりが別のつながりを生み、それぞれが“正のスパイラル”で有機的に成長していく」ことが、ネットワーク効果である。

【スケールメリット】
ユーザーが増えてもコストはあまり増えることなく、サービス提供が可能
・Microsoft Office:完成したら、1人でも100万人でも配布するだけ
・Netflix:作った映画は視聴者が多くなるほど、視聴者あたりの単価は低下
・Google:一度検索アルゴリズムを完成させたら、ユーザーが増えるほど検索あたりのコストは低下

結果、1位企業が最も低コストでサービスを提供でき、価格優位性を保つことで、後発企業が参入できなくなる。

【データの独占とサービス改善】
データが蓄積されるほどサービスの品質が高まり、ユーザー満足度が向上する構造
・Googleの検索アルゴリズム:ユーザーが増え、膨大なデータが蓄積されていくことで、さらなる高精度化
・Amazon:膨大な閲覧履歴・購入履歴・レビューなどから、レコメンド(おすすめ)機能、在庫管理、販売価格などを常に最適化
・Tesla:何百万台もの車両から、リアルタイムで走行データ収集し、自動運転アルゴリズムをチューニングし続け、自動運転技術の改善を継続

膨大なデータ蓄積によるサービス改善で、ユーザー満足度が向上し、新たなユーザーの流入により、さらにデータが蓄積される好循環が生まれる。

【ロックイン効果】
上記要因の組み合わせにより、1位企業が多くを独占すると、そこにブランドや信頼が生まれ、ユーザーもほかのサービスを使う理由が見当たらなくなり、1位企業にますますシェアや利益が集中していく、といった現象が発生する。日本のLINEはその典型例である。また、多様なサービスや特典を通じて、積極的にユーザーの囲い込みを図る企業も存在する。

<Winner Takes Allの共通要素>
上記で企業名を挙げたが、すべてに共通するのはインターネットを活用した「プラットフォーム事業」であるということだ。(MicrosoftもOfficeのオンライン配布という点、Teslaも自動運転技術の開発という点は、インターネットを活用したプラットフォーム事業だ。)

ただし、たとえば動画配信サービスにおいて、Netflix以外にも、Disney+、U-NEXTなども、それぞれ存在感を発揮しているように、独占的優位性は、分野・サービスごとに形が異なる。

それでは、SoFiはどうだろうか?中編に続く

【免責事項】 本ブログは情報提供を目的とし、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。内容は執筆時点の情報に基づき、将来的に変更される可能性があります。投資判断は自己責任で行い、十分な調査のうえ決定してください。本ブログの内容を基にした投資損失について、当方は一切の責任を負いません。また、外部リンクや第三者情報の正確性も保証するものではなく、各自の判断でご利用ください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー