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眠れる市場を掘り起こす─SoFiの新収益源「LPB」がもたらす利益革命

ローンプラットフォームビジネス(LPB)の潜在力にまだ気づいていない方も多いと思う。私はこのビジネスだけで「SoFiの利益を現在の数倍程度に押し上げる力がある」と踏んでいる。

【ローンプラットフォームビジネス(LPB)とは?】
LPBとは、法人顧客の要望に応じて、SoFiが代わりにローンを組成するビジネスのこと。SoFiはローンの審査・組成・サービス提供をするものの、実際の融資資金は提携先の企業やファンドが提供し、ローン資産はSoFiではなく提携先のバランスシートに計上される。よって、SoFiは自ら資金リスクを負わずに手数料収入を得ることができる。

今回は改めて、このLPBのポテンシャルをみていきたい。

<金融サービス事業 業績>
わずか3年前まで、SoFiの各事業の中で金融サービス事業は最も売上が少なかった。しかし期を追うごとに成長は加速し、このままいけばローン事業を上回り、来年には最大の収益セグメントに成長すると見込まれる。

金融サービス事業の売上増加の理由は、2022年の銀行免許取得による預金の増加から発生する金利収入の拡大もある。しかし、それ以上に最近の急伸を支えるのは、2024年第3四半期以降に本格的に開始したローンプラットフォームビジネス(LPB)である。

※LPBからの売上は主に金融サービス事業の非金利収入(=手数料収入など、利息以外の収益)に計上される。LPBを開始したFY24Q3以降に非金利収入の急増が確認できる。
※非金利収入の増加を支えるのはLPBであることがわかる。

<SoFiのローン事業の特性>
一度、SoFiのローン事業の特性を振り返る。SoFiのローン実行額推移は以下の通り右肩上がりが続いている。

また信用リスクについても非常に管理がしっかりできており、たとえば90日以上の延滞率(=返済が3か月以上遅れている割合)も極めて低水準で推移している。

これは融資先を優良顧客に厳選していることが大きい。

SoFiの2025年第2四半期における融資先の平均年収は、個人ローンが161,000ドル、学生ローンが134,000ドルと、それぞれ高水準にある。一方、米国人の平均年収は67,920ドルで、90%の人が125,720ドル以下の収入であることから、米国「上位10%」以内の高所得者層に融資をしていることになる。

しかし、逆に言うと、SoFiの与信基準は高すぎるとも言え、多くの「取りこぼし」がある状況だった。その未開拓領域を収益化する仕組みこそが、LPBである。

<LPBのポテンシャル>
SoFiの2024年のローン実行総額は230億ドルである一方、経営陣によると申請を却下したローン申し込み額は年間「1,000億ドル(15兆円程度)」にものぼるという。つまり、生かし切れていない巨額のローン需要があるということだ。

その“眠れる資産”を活用したのがLPBである。すなわち、SoFiの高い与信基準には満たないものの、法人顧客の基準には合致するユーザーを選別のうえ、法人顧客が用意した資金を用いてローンを実行、そしてSoFiはその対価として、収入を得るのである。

2024年第3四半期から本格的な開始をしたLPBの2024年における融資額は21.2億ドル、2025年は第2四半期までの半年で40.0億ドルと順調な増加傾向にある。

しかし、まだこれは助走に過ぎない。申請を却下したローン申し込み額の一部を継続的に取り込むことで、LPBを通じた融資が年間数百億ドル規模に拡大しても不思議ではない

<高い利益率を誇る金融サービス事業>
金融サービス事業全体の貢献利益率はすでに50%を超えている。

※貢献利益:売上-変動費(仕入れ・送料・広告宣伝費など) ※貢献利益率:貢献利益÷売上

このセグメントにはMoney、Invest、Credit Card、LPBなどが含まれるが、InvestやCredit Cardは依然として収益化の途上だ。それにもかかわらず、事業全体として50%を上回る利益率を達成しているということは、MoneyとLPBが圧倒的な利益率で事業全体を牽引していることを意味する。

加えて、LPB事業は、すでにローン審査済みという点、またシステムによる自動化がかなり進んでいることから、極めて効率性が高い。これを踏まえれば、LPB単体の利益率は60%程度には達していると推定できる。

仮に年間300億ドルの融資がLPBを通じて実現すれば、LPBからの実効収益率は実績ベースで5%台を維持していることから、年間約15億ドルの売上を生み出す計算になる。そして、利益率60%、実効税率20%と仮定すれば、残る最終利益は以下となる。

・15億ドル × 0.6 × 0.8 = 約7億ドル

会社ガイダンスで、SoFiの2025年通期の最終利益は3.7億ドルである。よって、LPBがこのまま順調に成長を続けることができれば、利益はLPBだけで数倍に膨らむ

LPBは、これまで見過ごされてきた膨大な需要を利益へと転換する仕組みだ。LPBの成長余地は依然として大きい。これが本格化することで、金融サービス事業だけでなく、SoFi全体の成長エンジンとなるのは間違いない。

【参考資料】
SoFi鍵を握る「金融サービス事業」深掘り-前編-「急伸するLPB」
SoFi鍵を握る「金融サービス事業」深掘り―中編-「LPBはゲームチェンジャー!?」

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