見出し画像

SoFi USDの衝撃③ ― “怒涛”のB2B市場進出開始 ― FTX崩壊からの教訓

2022年11月――世界第2位の暗号資産取引所FTXは、わずか数日で“音を立てて崩壊”した。

暗号資産市場はかつてない“流動性ショック”に陥った。

リスクを恐れた世界中の銀行が取引所へのドル送金を一斉に停止し、状況はさらに悪化した。その結果、リスクヘッジが遅れ、週末をまたぐだけで数千万〜数億ドル規模の損失へと直結する異常事態が広がった。

この事件は単なる取引所の破綻だけではない。暗号資産市場がステーブルコイン決済へ移行する流れを“決定的に加速させた瞬間”でもあった――。

───

前回の記事「SoFi USDの衝撃② ― SoFi vs Robinhood:明暗を分ける“銀行免許”」では、“銀行免許を持つ”SoFiの暗号資産ビジネスにおける構造的優位性を解き明かした。

今回は、暗号資産売買取引を通じて、SoFiにとって“本丸”であるステーブルコインの発行残高が、なぜ増え続けるのか――その市場背景を見ていく。

2026年、SoFiが発行するステーブルコイン「SoFi USD」の“怒涛のB2B市場進出”が始まる。

<FTX崩壊と“週末の流動性ショック”>
本来、分別管理すべき顧客の預かり資産がない――。

「暗号資産版リーマン・ショック」とすら言われ、市場全体が凍りついた瞬間、それが「FTX崩壊」である。

破綻の核心は、FTXが顧客資産と自社資産を意図的に混同し、レバレッジ取引や損失補填に流用していたという、信じられないほどずさんな資産管理であった。

CoinDeskの暴露記事がきっかけとなって信用不安が急拡大し、続くBinanceによる「保有するFTT(FTXが発行する自社トークン)をすべて売却する」との宣言が、致命傷となった。市場は取り付け騒ぎのように出金に殺到し、Binanceの宣言からわずか数日でFTXは崩壊した。

「FTX崩壊」だけではない。

“清算の遅延”による悲劇は、暗号資産の世界では過去に何度も起きている。2021〜2022年にかけて頻発した“週末の流動性ショック”もその一つだ。

これは特定の企業の不祥事が引き起こしたものではない。“決済の非対称性”が問題であった。

「24時間365日動く市場」と「週末は止まる銀行決済」という構造的ミスマッチこそが、週末ショックの本質である。

LPや取引所は週末にドル資金を動かせず、急落時でも担保を即時に補填できない。結果として、週末だけで数億ドル規模の損失に直結した。

銀行決済には、構造的に“リアルタイム性がない”という致命的な弱点がある。

平日でも送金の反映にはタイムラグが生じ、まして営業時間外は資金をまったく動かせない。そもそも、銀行の送金インフラは24時間365日動く市場と根本的に噛み合わないのだ。

これに対し、ステーブルコインはブロックチェーン上で清算が即時完結するため、週末でも深夜でも制約がない。

銀行決済の遅延により、多額の損失を被ってきたLPにとって、ステーブルコインは単なる便利な決済手段ではなく、“損失回避のための生命線”なのである。そのため、USDT・USDCへの移行は、生き残り戦略そのものであったと言える。

そして、FTX崩壊はその脆弱性を鮮明にした“決定打”となり、LPや取引所は、ブロックチェーン上で24時間365日、即時に移動できるUSDT・USDCへの移行をさらに加速させていった。

<USDT/USDCはすでに決済通貨>
このような経緯を踏まえ、ほぼすべての主要取引所とLPは、USDT・USDCを決済通貨として全面的に受け入れている。

ステーブルコイン決済が浸透している理由は、暗号資産市場が本質的に「24時間・国境不問・即時清算」を前提としているためである。また、現在の暗号資産取引の主要な取引ペアはUSDTやUSDCなどのステーブルコインで構成されている(例:BTC(ビットコイン)/USDT)。そのため、流動性も非常に大きい。

よって、決済速度・流動性・コストのすべてにおいて、ステーブルコインは現金決済を圧倒する。事実、取引所は自らの保有資産の大部分をUSDT・USDCで管理している。

では、今後SoFi USDがこれに加わることができるのか?

――答えは「Yes」だ。しかも“極めて高い確率”でYesである。

暗号資産市場では、すでにUSDTとUSDCが“標準決済通貨”となり、LPや主要取引所の資金移動の大半を占めている。その巨大マーケットの中で、SoFi USDはどのように存在感を高めていくのか。

次に見ていくべきは――「USDTという最大勢力が、なぜ今まさに揺らぎ始めているのか」という構造的な変化である。ここを理解すると、SoFi USDが“追い風を受ける理由”が、まったく別の角度から鮮明に浮かび上がってくる。ここで決定的な役割を果たすのが、取引所の“裏側”で市場を支える存在――LPである。

・流動性プロバイダー(LP:Liquidity Provider)
暗号資産市場は24時間365日動き続けている。そのため、ユーザーの注文に常に応じられるだけの売買量が、取引所だけでは不足しがちになる。そこでLPが、大量の暗号資産とドルを常に保有し、ユーザーからの注文に即座に応じることで、市場に安定した流動性を供給する。LPは、取引が途切れないよう裏側で支える、暗号資産市場にとって欠かせない存在である。

さあ、盛り上がっていきますよ~🔥 次回が楽しみになった方は、「スキ」💙、「フォロー」🌼、SNSでの拡散🚨をお願いします!このシリーズを続ける最高の原動力になります🔥

【免責事項】 本ブログは情報提供を目的とし、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。内容は執筆時点の情報に基づき、将来的に変更される可能性があります。投資判断は自己責任で行い、十分な調査のうえ決定してください。本ブログの内容を基にした投資損失について、当方は一切の責任を負いません。また、外部リンクや第三者情報の正確性も保証するものではなく、各自の判断でご利用ください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー