ピンチはチャンス
ヱリさんに感想文を書いていただきました。
皆さまご存じの通り、ヱリさんは昨年の創作大賞2024で見事に大賞に輝き、この四月には『あなたの四月を知らないから』で朝日新聞出版社さんからデビューされています。
昨年の文学フリマ東京39で、青音色創刊号をお買い求めくださったかたはご存じだと思いますが、『リミッター・ブレイク』はその青音色創刊号に出した作品です。
ちなみに青音色は、刊行後は公募OKの同人誌です(さりげなく宣伝)。
実を言うと私は、今年の創作大賞には応募しないつもりでした。
プライベートな事情もありましたし、創作上の悩みもあったからです。
でも、頭と心にはいつも、みくまゆたんさんのこの言葉がありました。
打席に立ち続ける。時には、心が折れそうになるかもしれないけれども。それでもバッターボックスに立つ。
自分自身の心の揺れ動きは以下の記事にも書きました。
あれからもなんとなくすっきりせず、ずっと迷いの中にいた私に、ヱリさんは創刊号を読んでくださった後に口頭で『リミッター・ブレイク』良かったよ、面白かった、と言ってくださいました。それだけでも嬉しく、励まされていましたが、創作大賞には出さないつもりとしり込みする私の背中を「おまつりを楽しむ感じで」と背中を押してもくれました。そして、こっそり投稿した私の作品をみつけ、エントリーを喜んでくださった上で、感想文を書いてくださったのです。
最近私は、こんなふうに思うようになっていました。
感想をいただくのって、実はものすごく稀有で、尊くて、難しいことなのかもしれない、と。
特に、記事のようにまとまった形での「感想文」は、書く方にとってはより一層、ハードルが高く、大変なことなんだ、と。
しばらく前から「本を作って共同書店に置いてます」「青音色という同人誌やってます」というアピールを繰り返してきました。noteの記事なんかを見ると、いかにも「うまくやってる」感じ。華々しくご活躍でよろしおすなと京ことばで言いたくなる感じ。でもそれはやっぱり、ある種の「装い」なのです。当然、そんな無茶苦茶うまく行ってるわけじゃない。心の中では、裏側では、葛藤があり、苦しみがあり、涙があります。
そして、そうした外側から見える努力や労力に対しての言葉はかけていただいても、肝心の自分の作品に対してとなると——、実際に感想を言語化してくださるのは本当にごく一部のかたで、とても稀なことで。
私は感想を書くのが好きで、これまで「うわ!面白い!」と思う作品に出会ったらいてもたってもいられず、嬉々として感想文やコメントを書いてきました。ですから私が感想を伝えた「お礼」「お返し」として感想をいただくことは確かに、ありました。それももちろん、とても有難いものですが、やはり、自分が読んだお返し、というものではない感想というものをいただいてみたい、私の作品は誰かの心を少しでも動かすことができたのだろうか、知りたい、そんな気持ちは、日に日に高まっていました。これまでいただいた感想が、必ずしもお礼やお返しではないことは重々承知ながら、どこかで、サプライズで感想をいただくことに、奇妙なほど重い意味を持たせていたのです。
本当に面白い作品なら、見逃さず誰かが見てくれているはず
本当に面白い作品なら、心が動いたことを伝えたいと思ってくれるはず
といった「信仰」が、私の中に眠っていたようです。
青音色を発行してからは、少しずつ、その「思いがけないところからの感想」をいただくようになりましたが、同時にそれが簡単なことではないのだということを、実感するようにもなりました。
知らない誰かの作品を読んで、作者に直接感想を届ける、ということは、とても勇気のいることです。それが的外れだったらどうしよう。相手の不興をかったらどうしよう。
ある意味私はこれまで、そういうことをあまり考えずにただただ、心が動いたことを伝えたくて感想文を書いてきましたが、それはずいぶん押しつけがましいことだったのではないだろうか——私自身は、どんな感想でもいただけたら嬉しいけれども、私が感想を贈った方も、みなさん、そう思われていたのだろうか。本当は、迷惑だったんじゃないだろうか。
そんな風に思ったら、ある日突然、感想が書けなくなってしまいました。他の人の文章を読んで、感想を書く。あんなに楽しい、胸躍ることだったのに、すっかり自信が無くなり、怖くなってしまいました。
できるだけ、コメントを控えて、感想を控えて——
テイルズでは、どなたの作品も読みに行くことはおろか、感想を書く自信もなかったので、失礼ながらどなたもフォローせず、ほんとうにこっそり作品を置いておくだけにとどめていました。
そこを、ヱリさんはブレイクスルーしてくださったのです。自分で作ったリミッターを外そうよ、という作品を書いておきながら、ウジウジしてむしろ丹念にリミッターをこしらえていた私の背中を、にっこり微笑みながら「なにやってんすか!」という感じで平手でバッチーン、的に。笑
今、私は、何重もの意味で救われた気持ちです。
なぜならこうして感想をいただくことの喜びを味合わせていただいたし、ヱリさんの感想を読んだら、「書くのは楽しい、また書きたい」と思える力が自然に湧いて来たからです。
テイルズでは、私のほうからどなたもフォローしていないにも関わらず、多くの方がフォローしてくださり、作品を読んでくださっています。
本当に、有難いこと。そんなこと、普通ないこと。すごいこと。
なんでそんな大事なことに気づかずにいたんだろう。
なにを彷徨っていたんだろう。
失うような「自信」なんて、持っていたのだろうか。
「自信を失くした」なんて、むしろ不遜じゃないだろうか。
これからどうなりたいとか、なんのために生まれて何をして生きるかとか、そんなことに惑わされていたようです。月星座が山羊座の私には、まったくもって陥りがちな「穴」に陥っていたんだなあと改めて。
どんぶらこと、おむすびころりんと、おっこちていましたよ、その穴に。
ヱリさん。
今回私は、いただいた感想から、たくさんのことに気づかされました。
素晴らしい感想を書いてくださって、ありがとうございます!!
そして何重もの意味で、感謝申し上げております。
何回も、言わせてください。
ありがとうございます!!
今さらですが、テイルズで創作大賞にエントリーしております。
他の作品も「文庫化準備」として、投稿しています。
もしかしたら、他の作品も、別のカテゴリーにエントリーするかもしれません。
現在、青音色の執筆活動にも入っているので、いましばらくテイルズには投稿するだけとなりますが、もし読んでみて面白かったものがあったら、ぜひ感想を聴かせていただけたらと思います。
どんな感想でも大歓迎です。
ちなみにサトちゃんは『迷宮のアリアドネ』に「かーっ。最後が暗いな」と言ってました。それでも嬉しい。笑
みなさんは、どう思われます?
ともかくも。
これまで、noteのコメントや感想記事などでも、青音色およびその他私の作品群に感想を寄せてくださったみなさま。
本当に本当にありがとうございます!
読んでいただくことは奇跡!
心が動いたよと合図をいただくことは、さらなる奇跡!
みなさまからいただいた奇跡を胸に、これからも精進したいと思います。
※ヱリさんの近々の予定はこちら☟
今回もダラズさんの素敵なイラストをお借りしました。レモネードって「元不良品」みたいな意味ばかりかと思っていたんですが、「When life gives you lemons, make lemonade.」ということわざがあって、ピンチをチャンスに変えよう、という意味があるそうです。
