そこに入れちゃう? ~常識の壁を越えるのは、一口だった〜
前話「打ち合わせより、美味しかった。〜事務所で突然始まった異国ごはんをご紹介〜」の続きで、日本で人気のあのおつまみの、意外な食べ方を体験したお話です。
バガリポロ バア マーヒー
コーヒーウイスキー(炭酸割り)
珍しくて美味しいごはんを頂いたのですが…更に、おつまみが、また斬新でした。
柿の種にレーズンをミックスしているのです。

石ではありません。
え、甘いの混ざってる?と見つめていたら、マジッドさんが「美味しいから食べてみて」と勧めます。
一口食べてみると…
しょっぱい柿の種とピーナッツに、レーズンの甘さがふわっと来て、なんだこれ、美味しい。
食べる手が止まりません。
日本では率先しては絶対にやらない組み合わせなのに、食べてみたら「あり」どころか「かなりあり」でした。
中央アジアや西アジアでは、ナッツとドライフルーツをミックスして食べると以前に本で読んだことがあります。
それの応用が柿の種…笑笑笑
近年、柿の種チョコレートがありますが、甘味だけでなく酸味まであるのは想定外でした。
食べ物の常識って、国によって全然違うんだなあ。
そういえば、似たような体験が以前にもありました。
だいぶ前の事。マジッドさんの古い知り合いのイラン人男性アキさんが、小さなダイニングバーをやっていました。
その時は他にお客さんがいない夜、アキさんと私、カウンターを挟んでお喋りしながら食事していた時のこと。
アキさんが
「実家で作ったザクロペーストだよ」
と貴重なザクロペーストを味見させてくれたのです。

イランのザクロを絞って煮詰めて作った、本物のペーストでした。
煮詰めるので、当初の果汁からはだいぶ少ない仕上がりとなるため、とても貴重なもの。
酸味の中に深みがあって、とても美味しい。
思わず「ヨーグルトに合いそうですね」と言いました。
アキさんの表情が、止まりました。
「……え?」
聞き間違い?とでも言いたげな間がありました。
そうか、と気づきました。
トルコもそうなのですが、あのエリアの人たちにとってヨーグルトといえば料理に使うもの、塩味のもの、というのが常識。
甘いものと合わせるという発想が、そもそもないのかも。
お店にヨーグルトがあるというので、ぜひ試してみてくださいと勧めてみたら、彼は恐る恐る一口食べて、しばらくしてから言いました。
「……美味しい」
「え~?」
信じられない…という表情。
戸惑いながらも、美味しいと認めてくれました。
日本に長く住んでいても、食の常識はなかなか塗り替えられないものらしい。
でも、食べてみたら美味しかった。
更に以前、台湾でも似たような出来事が・・・
台湾に行った時に、コンビニエンスストアで緑茶のペットボトルを買って飲んだら、甘くてびっくりしたことがありました。
(それが結構美味しかったのでまたびっくり)

あれも、私たちは
緑茶=爽やかな苦みを味わうもの
もちろん砂糖なし
という日本人の中の観念があります。
今回の柿の種干しぶどうミックスも、ヨーグルトにザクロペーストやジャムを添えて食べるのも、そういうことなのでしょう。
(お寿司だって海を越えたら別人のようになっちゃいますしね)
結局、常識の壁を越えるのは、いつも「一口」なのかもしれません。
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