本を書いて売るということ、文学フリマにひとり初出店してみた
究極のソロ活をしました。もともとひとり行動が好きで、ひとりで行けない場所もひとりでできないこともほとんどありません。映画、ライブ、旅行、アフタヌーンティー、テーマパーク、海、山、あらゆる場所にひとりで訪れては満喫してきました。
そんなわたしも「ひとりでフリーマーケットに出店する」という経験は初めてで。しかも商品をイチから自分でつくる必要がある。つくらないと売るものがない。お店の装飾も、店番も会計も、全部自分でやるしかない。これって究極のソロ活なのでは⋯?
ということで、5/11(日)に単身で文学フリマへ初出店してきました!

文学フリマとは?
作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で作品を販売する、文学作品展示即売会です。
小説・短歌・俳句・詩・評論・エッセイ・ZINEなど、さまざまなジャンルの文学が集まります。
同人誌・商業誌、プロ・アマチュア、営利・非営利を問わず、個人・団体・会社等も問わず、文芸サークル、短歌会、句会、同人なども出店しています。参加者の年代は10代〜90代まで様々です。
5ヶ月前にお客さんとして訪れた東京ビックサイト。本を書く人と読む人しかいない空間がたまらなく幸せで、その熱気にあてられて「本って自分で書いていいんだ⋯!」とテンションが上がり、勢いで出店を申し込むことに。
1ブース(6,600円)を申し込むと幅90cm×奥行45cmのスペースが割り振られるので、自由に装飾して本を並べます。事前にXで「文学フリマ 設営」などで検索して、過去の出店者の設営方法やアイテムなどを参考にさせてもらいました。
本に合わせたコンセプトで装飾をしている方が多くて素敵だったので、残業をテーマにした表紙デザインに合わせて、夜をイメージしたアイテムで設営を行うことに。サークル名も「深夜新聞社」なのでぴったり!
夜の街柄の布を敷いて、ポスターやお品書きも紺や青色で揃えました。差し色は月の黄色で。ユザワヤで布を選ぶ時間が楽しかったです。

設営のために用意した物、持っていった物のリストも残しておきます。
【設営用アイテム】
・布
・ポスタースタンド
・見本カバー
・コインケース
・お札を入れる用のポーチ
・釣り銭(事前に平日に両替しておくこと)
・PayPay
・釣り銭トレイ
・ブックスタンド(本とお品書きを立てる用)
・値札
・ビニールテープ
・ホワイドボードとペン
・ポスターとお品書き(Canvaで作ってコンビニで印刷)
【その他持ち物】
・本(これがないと始まらない)
・入場証(大事)
・飲料水とお昼ごはん(おなかすくので)
・トートバッグ(席を外すときにお金を入れて持ち歩く用)
設営用アイテムは、布・ポスタースタンド・見本カバー以外は100円ショップで揃えました。ポスターの印刷代も含めると、全部で4〜5,000円くらいだったかな。
持っていってよかったと思ったのはホワイトボード。お手洗いや買い物に行くときに「16時に戻ります」などと書いて置いておきます。「不在の間にもしお客さんが来てくれたらどうしよう⋯!」と不安になるので、ひとり出店なら用意しておくのがおすすめ。スケッチブックでもOK。
前回お客さんとして参加した文学フリマで「もっと現金を崩してくればよかった〜!」と思ったので、試しにPayPayを導入してみました。本を購入してくださった方の3割がPayPay払いで、「PayPay使えるんですね!」「助かります⋯!」と言ってもらえたりして。用意してよかったです。
事業者としてPayPay for Businessから申し込んで、1週間ほどでPayPayキットが到着します。個人で申し込む場合は自宅の住所を入れるしかなく、初期状態だと「近所のお店一覧」に店舗として自宅が表示されてしまいます。こわすぎる。後ほど非表示申請を行えるのでお忘れなく。
自宅で設営のリハーサルも行っていたので、当日はかなりスムーズに準備できました。12時になり、拍手とともに文学フリマが開幕。
ひとりで初出店にも関わらず、この瞬間まではほとんど緊張なんてなかったんです。本の制作に追われたり、設営準備に夢中だったりで、目の前のことしか見えていなかったから。
だけどいざすべての準備が終わって、あとは待つだけの状態になったとき、すごく怖くなってしまって。うつむいたときに見えた自分の両手が震えていて「とんでもなく緊張してるんだ」と気がつきました。
12時台は、みんなお目当てのブースに真っ先に向かうんです。周りのブースがにぎわってきて、本を手渡して談笑する様子とか、本を受け取って嬉しそうに次へ向かう人の流れとかを目の当たりにして「どうしよう、場違いだったかも」と思って。
だから最初のお客さんが「これ、1冊ください」と声をかけてくれた瞬間、泣きながら走り回りたいほど嬉しくて。本を手渡した瞬間の喜びとか照れとか緊張とか感謝とか、すべての感情をずっと覚えておこうと決めました。
13時を過ぎたころからはブースに来てくださる方が増えてきて「ゆうあんさんですか?」「note読んでます、応援してます!」と、note経由で声をかけていただくことも多く、自分のことを知っている方がこの会場にいるのだという事実はすごく勇気になったし嬉しかったです。
序盤は緊張しすぎて、挙動不審になりうまく話せなかったりもして⋯。周りの出展者さんが「ぜひ見本だけでも読んでいってくださいね」「この本は○○がテーマで・・・」「なにで知ってくださったんですか?」とナチュラルなコミュニケーションをされていて、素敵だったので真似してみたりもしました。
「転職活動中なんです」「いまちょうど無職期間なので表紙が目に止まって」「人の仕事歴に関する本を集めるのが好きで⋯」「さっき見かけて気になったので来ました」と、本のテーマに惹かれて手にとってくださる方が多くいたのも嬉しかったです。経験や気持ちを共感できたりもして。
不器用な接客になってしまったかもしれないけど、内心は本当に本当に嬉しかったです。全員にお中元を送りたいくらい、感謝の気持ちでいっぱいです。
閉幕前にどうしても本を買いに行きたく、15分ほど自分のブースを離れました。お目当ての本やお会いしてみたかったnoterさんなど10ブースほど回りたかったのですが、すでに撤収されていたり残念ながら時間がなくほとんど行けず⋯。
それでもなんとか2冊をお迎えできました!「出店も買い物も両方楽しむ」が目標だったので、なんとか達成できひと安心。
17時になり「これにて文学フリマは終了となります」のアナウンスが流れ会場が拍手に包まれる中、わたしの初出店は幕を閉じました。撤収作業のお手伝いをして帰路につきます。
個人的に目標にしていた販売数が30冊でしたが、目標を超えてお迎えいただくことができました。本当にありがとうございます!
自宅に帰る前に鳥貴族に寄り、ビールとともにひとり打ち上げを開催しました。ソロ活のプロなので、ソロ貴族だって余裕です。
「ひとりでフリーマーケットに参加する」という初めての経験は、ものすごく特別なものになりました。自分の書いた文章を受け取ってもらえるって、当たり前のことじゃなくて。
こうしてnoteでも文章を書いているけれど、どこかで読んでくれる人がいるって思えるから書き続けられるんだろうなって。少なくともわたしはそう。
「自分が好きに書けるならそれだけでいい」という人もいるけど、わたしはやっぱり「書きたいし読まれたい」って思う。noteを始めた11ヶ月前から変わらない。
だから今回こうして「物をつくって届ける」という一連の流れに触れて、書いたものを読んでもらうこと・受け取ってもらうことの重さと喜びを、自分の目と手と脳と身体で実感できてよかったなと思うのです。
冒頭で文学フリマへのひとり出店を「究極のソロ活」と書きましたが、本をつくるのも販売するのも、ひとりの力ではできるわけがなくて。
文章を書くのはわたしだけれど、本が美しく仕上がったのは印刷所のおかげだし。ブースに立つのはひとりだったけれど、お客さんと運営の方がいるからこそ文学フリマが成立しているわけで。noteやSNSでハートを押してくれたり、応援してくれた方がいたからこそ、孤独な時間も最後まで折れずになんとかやりきることができて。
すべての感謝を、感情が新鮮なうちに残したくてこのnoteを書きました。文学フリマ、出店してよかった。本当にたくさんありがとうございました!

また出店するぞー!
