無職という負い目を、あなたが吹き飛ばしてくれた
うつ病になって会社をやめると決意したこと、だれにも言わなかった。というより言えなかった。
同じ環境で働く会社の人に相談なんかしたら、ききっと「甘えだろ」って思われるし。
アドバイスとか改善案とか言われたら、さらに耐えられなくなってしまう。
転職をお祝いしてくれた友人に、「うまくいかなかったんだ」と報告するのが恥ずかしかった。
アラサーのわたしたちは、仕事とか家庭とか恋愛とか推しとか、それぞれの優先度がある。
当時の優先度は圧倒的に「仕事」が高かったので、それがなくなったら自分には価値がないと思っていた。
とはいえ、もう働けない状態にまでなってしまっていたので、会社で退職を申し出ることになる。うつ病の診断がでたことは最後まで言えなかった。
わたしの中には、「病気になってしまった自分が恥ずかしい」という思いがどこかにあったんだよね。
調子が悪いのは気持ちの問題で、気合いがたりないだけでしょ?って。
会社に退職を申し出てからすぐ、友人と会う機会があった。学生時代からの仲で、社会人になってからも定期的に会っている。
わたしは友人が少ないけど、関係が長く長く続くタイプだ。
天気のいい日、おしゃれなカフェでランチをした。
「最近どう?」
いつもと同じ会話。なのに少し緊張した。
「実は、来月で会社を辞めることになって・・・」会社であったこと、体調を崩して働けなくなったことを話す。
聞かれるとわかっていたから、脳内で返答を考えていたので、なんだかセリフみたいになってしまう。
ひととおり話し終えて、「まあ、長期休暇ってことでしばらくゆっくりするわ!」と暗くならないように宣言した。空元気でもあるけど、本音でもある。
友人は、「安心した」と言った。最近のわたしの様子が心配だったこと、忙しいのかなと思いつつも見守っていたことを、このときはじめて聞いた。
そんな場所、行かなくていい。寝て食べて、家でゆっくりしな!と。
いまこの文章を書きながらも、鼻の奥がツンとして涙がでそうになる。
アドバイスも、仕事を失うことへの心配も、いっさい言われなかった。わたしの決断を、ただただ「正解!!」と受けとめてくれた。
わたしが無職になろうが病気になろうが、友人の態度は変わらない。それはすごく心強くて、嬉しかった。
体力や気力が落ちてしまい、ペースは減ったけれど、いまもその友人とは定期的に会っている。
そしていつもと同じように、「最近どう?」と聞く。
わたしたちはまだアラサーで、きっとこれからも予期せぬことがたくさん起こる。
わたしは友人と同じように、どんな回答が返ってきても「その選択、正解!!」と言える自分でありたい。
あのとき、友人がそうしてくれたように。
またね。
