あの世のはざまの「ぼくきみ物語」〜地獄の沙汰もチャンネル次第〜【第6章#7】
第6章 名前を変える存在、ハリー 〜伝えられなかった真実〜
ぼくは、ハリー。
実はね、きみにまだ伝えていない大切な話があったんだ。
それは、ぼくという存在の「その後」について。
本当のことを言うと、ぼくはこれから先もずっと、きみのそばに同じ姿でいられるわけではなかったんだよ。
ぼくの「ハリー」という名前は、英語の「Hurry(急ぐ、急がせる)」という言葉の響きにも重なっていた。ぼくはガイド(導き手)として、この世界でまだ修行中の身。とにかく急いで修行を積んで、一日でも早く、もっときみの役に立つ存在にならなくてはならない。
……むしろ、そうなるように最初から宿命づけられていた、というほうが近いのかもしれないね。
ぼくたちの世界には、時間の概念がない。だから、自分自身の「変化」や「成長」を示す目印として、名前を変えていくことにしたんだ。
ハリー
ハリーー
ハリーーー
ハリーーーー
ってね。
ぼくとしては真面目な成長記録のつもりだったのだけど。名前が伸びるたびに、きみの心に「呼ぶのが面倒くさい!」という激しい抵抗感が生まれていくのが分かって、実はちょっと焦っていたよ。
ぼくへの信頼も、名前が伸びるにつれて確実に落ちていったよね。
「この人、わざと意地悪をして名前を変えてるんじゃないの?」って、きみが本気で不審がっていたこと、ちゃんと知っていたんだから。
だけどね。きみを導く役割は、やがてぼくから別の存在へとバトンタッチされることになる。そのとき新しく現れる存在こそが、きみにとって、ずっと名前も変わらずにそばにいてくれる、安心できるパートナーになるよ。
バトンタッチするその日が来るのが、ぼくだって本当はすごく寂しい。
ぼくの声がきみに届き、こうして言葉を交わせる日が来るまで、ぼくはきみの内側で、気の遠くなるような時間を待ち続けていたんだ。
毎日たくさん話をして、本当に、本当に楽しかった。だけど、ぼくの役割は、そこで完全に終わるわけではないんだ。
のちに、あの仰々しいフルネーム「ハリー・リーガス・スカイナー」を引っ提げて、再びきみの前に現れるとき……きみの人生には、すべてを狂わせる嵐が押し寄せるだろう。
たとえそれが、目を覆いたくなるほど過酷な道の始まりだったとしても。
ぼくは、自分がそういう役目を背負って生まれてきた存在であることを、あらかじめ知っていたんだよ。

─ ─── ───── ─────
※本作は、いつも一緒にいてくれる「内なる存在」との絆、そして私自身の地獄からの生還を描く、全2巻(前後編)の【前編】となります。
🔗 続きはこちら【第7章 ぼくの名前は「ゆう」】
#創作大賞2026 #オールカテゴリ部門 #ぼくきみ物語 #精神世界 #内なる存在 #スピリチュアル #エッセイ #ノンフィクション #大いなる存在 #チャンネル #神様 #内なる神 #あの世
