「太客」という言葉を見るたびに、思い出す人がいます。
こんばんは。10年以上前にチャットレディをやっていたenです。
現在は女性用風俗の利用者として、サービスを提供される側にいますが、女風でも太客・細客という言葉を頻繁に目にします。かくいう私も、自分のことを「月1ショート利用の細客です」なんて評したりしますが。
そんな私には、「太客」と聞いて思い出す人がいます。
チャトレをしていた頃のお客様、Yさんです。
チャトレ時代、一本釣りでした
Yさんは30歳前後の独身で、真面目で大人しい方でした。ライブチャットを利用し始めたタイミングで私を見つけ、気に入ってくれたようです。
アダルト(例:女性の裸や自慰を見ること)だけを目的にしているわけではなく、会話も含めて楽しみたい、関係を深めながら利用したい…というタイプの方でした。
チャトレ時代、他にも固定客と呼べるお客様はいましたが、単価、利用頻度、利用期間、どれをとっても間違いなくYさんは「太客」と呼べる存在でした。一本釣りだったし、囲われていた自覚もあります。
過ごす時間が長かった分、Yさんとはいろいろありました。
会いたい、付き合いたいと言われたこともあったし、ケンカしたり病ませたことも少なくない……いや、使ってもらった金額を思えば、Yさんは随分大人で紳士的でした。
昔のことなので美化してる部分も大きいと思いますが、私の話を楽しそうに聞いてくれたし、趣味のことだけでなく仕事のことや人生観みたいな話もたくさんしてくれました。勧めたアニメをすぐに見てくれたり、私もYさんのおすすめマンガをチェックしたり。
そして、アダルトに限らず、私がしたがらないことを一切強要しない方でした。
「そろそろそういうことを」と言われても「今そういう気分じゃない」と突っぱねたり、夜中まで話し込んでアダルトに割く時間をとれなかったとしても、許してくれていました。完全に甘えていますね。時間管理ができないダメピのよう…
そんなYさんとの思い出で、色濃く覚えていて、何度も思い返すエピソードがあります。
「終わりのないマラソンみたいだ」
随分と甘やかされ、マイペースな対応をしていたくせに、私は一定のペースでYさんも含めたお客様にケンカをふっかけるタイプでした。キャバクラでもやっていましたね。
なぜそうするのか。
不安にさせるとお金になると、思っていたからです。
接客中にけんかを仕掛けると、自然と滞在時間が長くなります。もちろんストレスもあります。それは当然お互いに。その場だけで落ち着かず、メッセージやLINEでのケアが必要になる場合も多かったです。
でも、「それを乗り越えた」という事実は思い入れを強くするし、そうやって関係が続くほどに「ここまで時間やお金を使ってきた」「こんなenを理解し、ついていけるのは自分しかいない」などと依存度が増す気がしていました。
本当に離れた方もいましたが、追ってこない私に焦って戻ってくる人もいました。
Yさんとも、この手のやり取りが何度もありました。そのたびに雨降って地固まるをやってきたのですが、一度だけこんなことを言われました。
「終わりのないマラソンをしているみたいだ。マラソン自体は良い。だけど、いつゴールがくるのか、本当にゴールが存在するのかわからない……そのことが本当に辛い」
細かなニュアンスまでは記憶しきれていないのですが、確かこのようなことを言われ、かなり堪えました。
それは、このままだと恨まれそうとか、この人が切れちゃったら困るみたいな自分本位な感情ではなく、「彼を解放しなければ」という気持ちが芽生えたのです。
この時もなんとか持ち直しましたが、ほどなくして在籍していた事務所の体制が変わり、私は不本意なタイミングでチャトレを辞めました。Yさんとの最後は、どんな会話をしたのか覚えておらず……
でも、「終わりのないマラソンみたいだ」という言葉は覚えているし、こんな言葉を言わせてしまったことも、しっかり記憶している。不意に思い出しては、胸がキュッとなります。
この記事を書くきっかけをくださった、ももかさん・すみれさんのnoteにも感謝です☺️
