「何気ない日常」を愉しめていますか?|『お茶の時間』益田ミリ 著
何もしていない気がするのに、なんとなく疲れている。
「ちゃんと何かをした」という感覚がないまま、
気づいたら、今日が終わっている。
そんなふうに感じることはありませんか?
『お茶の時間』は、
著者のそんな普段の仕事や
何気ない日常を描いた一冊です。
初版は2019年6月。
私が手に取ったのは、2025年4月発行の第16版でした。
この数字を見てふと、
「なぜ、この本はこんなにも読み続けられているのだろう」
と感じました。
そして、それはたぶん、
「何気ない日常」を、
見逃さない時間に変えてくれるからなのだろうとも感じます。
大きな出来事や
劇的な変化を取り上げているわけではなく、
ドラマチックな展開な展開があるわけでもない。
何気ない日々の断片を描き、
日常が静かに流れていくコミックエッセイです。
気づかないうちに通り過ぎている日常を、
もう一度ゆっくり見つめ直したいのかもしれない。
ちょっと、小休止したい気分に
ピッタリなのかもしれない。
ページをめくっていると、
時間の流れが少しだけゆるやかになって、
この本を読んでいると、
「ていねいに生きたいな」と感じます。
ゆっくりお茶を飲む時間。
ふと感じることに浸ってみる時間。
ただ「いいな」と感じるだけの瞬間。
ちゃんと味わうこと。
ちゃんと感じること。
何でもない日を、何でもないまま終わらせないこと。
そういう感覚を、そっと思い出させてくれる。
温かい一冊です。
さらっと読める一冊ではあるけれど、
さらっと流してしまうと、少しもったいない気もする。
たぶんこの本は、
「読むもの」というよりも、
「立ち止まるためのきっかけ」に
ぴったりなんじゃないかな、と思う。
読み終えたあと、
今日の出来事。
何気ない会話。
ふと感じたこと。
そんな一つひとつに、
もう少し目を向けてみようと感じさせてくれます。
私たちは気づくと、
“何かをしている時間”ばかりを気にしていて、
生産的であること。
意味があること。
ちゃんと進んでいること。
に意識を向けていることが多くなっている気がします。
でもこの本は、
何気ない日常にも、
ちゃんと時間は流れていて、
ちゃんと、感情は動いている。
それを見逃さないだけで、
日常は少しだけ豊かになることを
教えてくれます。
大きく何かが変わるわけではないけれど、
日常の見え方が、ほんの少しだけやわらぐ。
少しだけ立ち止まって、
自分の日常を重ねてみたときに、
じんわり効いてくる本です。
今日の出来事。
何気ない会話。
ふと感じたこと。
それらは、見逃しているだけで、
本当はずっとそこにあったのかもしれません。
「今日」はあなたにとって、
どんな瞬間、どんなこころの動きがありましたか?
特別な何かではなく、日常の中にある感覚に目を向けること。
それは、整うことや戻ってくることにもつながっています。
余白や在り方とあわせて見ていくと、
日常の見え方が少し変わるかもしれません。
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