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<ラグビー>2026年シーズン(7月第二週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

〇「あらゆる不死の人びとは、一種完璧な心の平安を保つことができた。わたしは彼らのひとりのことをよく憶えている。その男が起きているのをわたしはついぞ見たことがないが、鳥がこの男の胸に巣をかけていたほどであった。」
 『エル・アレフ』「不死の人」ホルヘ・ルイス・ボルヘス著 篠田一士訳 集英社版世界の文学9 1978年 P.146より
 
〇 映画監督の小津安二郎が、良いことを言っている。「酒を飲む盃の数少なければ、秀作は生れぬべし、秀作は酒の数より生まれ、なみなみと盃に酒は満つべし」小津の遺作『秋刀魚の味』のフランスでの公開題名は『酒の味(たぶんLe Gout de Sake)だったそうだ。(『小津安二郎を読む 古きものの新しき復権』フィルムアート社 1982年 P.278-279より)


1.ネイションズチャンピオンシップ

オールブラックス47-17イタリア(HT14-10)

 オールブラックスのデイヴ・レニー監督は、先週のフランス戦の快勝を経て、選手をローテーションした。20番FLアントン・セグナーと23番WTBジョシュ・ムービイが初キャップとなった。また、FWではジョシュ・ロードが19番LOのリザーブとなり、怪我から復帰のツポウ・ヴァアイが5番LOで先発し、6番FLピーター・ラカイがメンバー外となり、代わりにワレス・シティティが先発した。BKでは、13番CTBクイン・ツパエアがメンバー外となって、代わりにビリー・プロクターが先発し、11番WTBにはケイリヴ・クラークが外れてレロイ・カーターが先発した。リザーブでは、16番HOアサフォ・アウムアが外れ、代わりにサミソニ・タウケイアホが入り、22番CTBにはベテランのアントン・レイナードブラウンが戻って来たが、フェヒ・フィネアンガノフォは怪我でメンバー外となった。BKラインが、9番キャメロン・ロイガード、10番ルーベン・ラヴ、12番CTBジョルディ・バレット、13番CTBビリー・プロクターと、ハリケーンズの強力なアタックラインが揃い、さらに23番のムービイが後半入ってくれば、破壊力が増すことが期待される。3番PRタイレル・ローマックスが50キャップを達成した。

 イタリアは、11番WTBにルイス・ライナー(父が元ワラビーズSOのマイケル・ライナー)を入れてきた。SOは日本戦から変わらずパオロ・ガルビシとなり、FBもトンマゾ・アランが先発した。キャプテンは、7番FLミケーレ・ラマノ。

 試合は、2分にイタリアがトライで先制したが、オールブラックスは7分に4番LOサム・ダリーのトライで同点にする。イタリアは17分のPGで7-10と再びリードしたが、オールブラックスは、29分の14番WTBウィル・ジョーダンのトライで、14-10と逆転して前半を終えた。後半に入り、オールブラックスの猛攻が始まった。41分にSHキャメロン・ロイガードのトライで、21-10と引き離すと、47分には1番PRイーサン・デグルートが連続トライを挙げ、さらに51分にはジョーダンが2つ目のトライを挙げて、33-10とリードを大きく拡げた。

 その後イタリアにレッドカードが出て、オールブラックスはこの数的優位からジョーダンが53分にハットトリックとなる、またダグ・ハウレットの持っていたオールブラックス最多記録を抜く50個目のトライ(しかも56試合で達成)を挙げて、40-10と早々に勝負を決めてしまった。イタリアは、56分にトライを返して40-17と点差を縮めたが、慰めにしかならなかった。オールブラックスは、80分に5番LOツポウ・ヴァアイがダメ押しのトライを加えて、圧勝劇を締めくくった。

 オールブラックスでは、4番LOサム・ダリー、NO.8アーディ・サヴェア、SHキャメロン・ロイガード、SOルーベン・ラヴ、12番CTBジョルディ・バレット、13番CTBビリー・プロクター、14番WTBウィル・ジョーダン、FBダミアン・マッケンジーが活躍した。また、リザーブからプレーの20番FLアントン・セグナー、21番SHコルティス・ラティマー、23番WTBジョシュ・ムービイも良いプレーを見せていた。このようにハリケーンズのBKが揃って良いプレーを見せている上に、ジョーダンはFBではなく14番WTBが最適なポジションであることから、9番ロイガード、10番ラヴ、11番フェヒ・フィネアンガノフォ、12番ジョルディ・バレット、13番プロクター、14番ジョーダン、FBムービイまたはカラム・ハーキンというほぼハリケーンズのメンバーで構成するのが理想的だと思う。

 一方、FWの前5人は、怪我のLOスコット・バレットの復帰後(ただし、南アフリカ遠征には参加できず)もリザーブを含めたメンバーをほぼ固定できるが、3列は、アーディ・サヴェア(NO.8)以外は流動的になっている。ピーター・ラカイ、ルーク・ジェイコブソン、ワレス・シティティ、アントン・セグナー、そして怪我から復帰のレスター・ファインガアヌクで、6番、7番、20番の3席を争うことになりそうだ。

 なお、この試合を含めて、オールブラックスのWTBレロイ・カーターとフェヒ・フィネアンガノフォの二人が怪我で欠場しているため、当初スコッド外だったリエコ・イオアネをスコッドに追加招集した。

オーストラリア26-42フランス(HT21-12)

 オーストラリアは、SOカーター・ゴードンとベン・ドナルドソン、さらにFLトム・フーパーの三人を怪我で欠く布陣となった。SOは初キャップとなるデクラン・メルディスが先発し、FBにはトム・ライトが移動し、23番にはFBのカバーとしてジョク・キャンベルがリザーブに下がった。

 フランスは、フランストップ14のシーズンが終了し、ようやくスコッド全員が揃った。マチュウ・ジャリベールがSOから本来のFBに移動し、SOにはロメイン・ヌタマックが先発した。11番WTBアーロン・グランディデエールヌカナン、1番PRモーゼス・アロエミールが初キャップとなった。リザーブは、FW6人+BK2人にした。

 試合は、フランスが先制トライを取った後、オーストラリアもトライを返すが、17分にフランスに2つ目のトライを与えてしまう。しかし、23分にフランスにイエローカードが出て、オーストラリアは数的優位から連続トライを取って、前半を21-12とリードした。後半に入ると、フランスがPGで点差を詰めた後、49分にオーストラリアがイエローカードを出してしまい、フランスに4連続トライと1PGを取られて、21-42と逆転され、大きくリードを拡げられてしまった。それでもオーストラリアは、76分にトライを返したが、点差を縮めるのが精一杯だった。

 フランスでは、FBマチュウ・ジャリベール、SOロメイン・ヌタマック、SHマキシム・ルク、NO.8マルコ・ガゾッティ、6番FLレンニ・ノウチらが良いプレーを見せた。また、11番WTBアーロン・グランディディエールヌカナンが2トライを記録し、SHマキシム・ルクは、2PG3コンバージョンで勝利に貢献した。た。オーストラリアでは、SOデクラン・メレディスが機能しなかった中で、7番FLフレイザー・マクライトが2トライを記録するなど、孤軍奮闘していた。

日本20-36アイルランド(HT13-19)

 オーストラリアへ移動する実質アウェイの試合となった日本は、母国オーストラリアでのマッチオフィッシャルへの暴言で謹慎処分となっていた、エディー・ジョーンズ監督がオーストラリアの現場で復帰した試合となった。ジョーンズが、試合中に暴言を押さえられるかが注目されたが、現在のところ大丈夫だったようだ。一方、前々戦のマオリオールブラックス戦及び前戦のイタリア戦ともに、ジョーンズ監督不在であることがむしろ幸いした結果となったが、復帰でどうなるのかが注目された。

 そして日本の23人は、11番WTB石田吉平がメンバー外となり(チーム事情?怪我?)、メイン平が先発した他は変更のないメンバーで臨んだ。勝利したイタリア戦で出番のなかった23番サム・グリーンがプレーする時間も出てくると思われるが、引き続きSO伊藤龍之介が素晴らしいプレーを見せてくれることを期待した。

 アイルランドは、格下日本に対して4人の初キャップとなる選手を入れた。ケイラン・ドリスが欠場し、シーン・ジャンセンがNO.8で先発した。またリザーブから、17番PRビリー・ボーハン、18番PRサム・リオ、20番FLブリン・ワードがそれぞれ初キャップを得た。SHはクレイグ・ケーシー、SOはキアラン・フロウレイが先発した。HOローナン・ケラファーが50キャップを達成した。4番LOタデュク・バーニーがキャプテン代行となった。

 試合は、3分にアイルランドのラインアウトスローのミスを取った、11番WTBメイン平がそのまま20mを独走して先制トライを挙げた。しかし、アイルランドは8分にトライを返し、7-7の同点とする。それでもラインアウトとスクラムが安定している日本は、相手陣に攻め込み16分のPGで10-7と再びリードした。しかし、トライを取れないことが最後まで勝敗に影響してしまった。アイルランドはすぐに反撃し、20分のトライで10-12と逆転するが、日本も26分のPGで13-12と粘った。しかし、31分に攻守の要である12番CTB廣瀬雄也が怪我で退場してしまう。代わりにFLの21番ティエナン・コストリーが入ったが、BKでのプレーはやはり荷が重かった。34分にアイルランドは、再逆転のトライを取って13-19で前半を折り返した。

 後半に入り、日本は先に得点したかったが、50分にアイルランドにトライを取られて13-26と引き離される。それでも56分にゴール前のラックから16番HO江良颯がトライを挙げて、20-26と6点差に迫った。その後アイルランドに多くのミスが出るが、日本が相手のミスにつけ込むことができないうちに、日本に致命的なミスが出てしまい、70分にアイルランドにPGを与えて、20-29と勝負を決められた。それでも日本は点差を縮めるべく奮闘したが、廣瀬雄也を欠いたBK陣が機能しなかった上に、せっかくスクラムとラインアウトが安定しているのにも関わらず、創意工夫の溢れたアタックをできずに流れをアイルランドに渡してしまう形となり、77分に痛恨のイエローカードを出してしまう。この数的不利から、79分にアイルランドにダメ押しのトライを与えて、20-36とリードを拡げられてノーサイドになった。

 この試合のアイルランドは、主力を休ませたメンバーであった上に、試合中に数々のミスをしており、前週のイタリア同様に日本が勝つチャンスがかなりあった相手だったが、エディー・ジョーンズが指導に復帰したことが原因になったのか、FWがセットプレーで奮闘している中で、SO伊藤龍之介の、マオリオールブラックス戦及びイタリア戦で見せた、フレアー溢れるアタックが封印され、昨シーズンまでの日本代表がやっていた単調なアタックに終始したことが悔やまれる。SO伊藤龍之介を日本のエースとして育成していくのであれば、目の前の小さな勝利にこだわることなく、アイルランドのレベルを相手にしたテストマッチで、失敗を恐れることなく自由奔放なアタックをさせることが重要なのではないか。このままでは、せっかくの優れた才能を、エディー・ジョーンズにつぶされてしまうのではないかと危惧している。

フィジー8-73イングランド(HT3-35)

 イングランドは、トミー・フリーマンを14番WTBに移動し、13番CTBにヘンリー・スレードを、7番FLにガイ・ペッパーを入れた。また、18番PRジョージ・クロスカ、22番CTBヤンセ・ファンレンズブルグ、23番WTMノア・カルオリの初キャップとなる3人をリザーブに入れた。

 フィジーは、SOにエースのケイリヴ・ムンツが戻って来た。12番CTBジョシュア・ツイヴァサ、13番CTBカレヴェティ・ラヴォウヴォウとのアタックの連携が注目された。リザーブは、FW6人+BK2人にして、イングランドの重量FWに備えた。

 試合は、イングランドの連敗継続が心配されたが、前半に5トライを積み重ねた一方、フィジーは1PGのみに抑えられた上に、イエローカードとレッドカードを出してしまい、数的不利な状況が長い時間続いた。後半に入り、フィジーはトライを返したが、その後イングランドは6トライを重ねる一方的な試合となって、最後はイングランドが大勝した。イングランドでは、SOフィン・スミスが9コンバージョンを決めた他、11番から15番全員がトライを記録し、SHジャック・ファンプーアヴィユ、7番FLガイ・ペッパー、3番PRジョー・ヘイズ、HOジェイミー・ジョージ、1番PRエリス・ジェンジらが健闘した。また、リザーブ20番FLのヘンリー・ポロックが、後半48分からのプレーでハットトリックを記録した。フィジーでは、HOテヴィタ・イカニヴェレが孤軍奮闘ていした。

南アフリカ42-28スコットランド(HT14-14)

 南アフリカは、先発10人を入れ替えた。先発SOにベテランのハンドレ・ポラードを入れ、またアンブロワーズ・パピエーが2018年以来メンバー入りし、SHで先発した。イングランド戦で大活躍したダミアン・ウィルムゼは、FBから13番CTBに移動し、FBにはアファレレ・ファッシが入った。キャプテンは7番FLピータースティフ・デュトイが代行し、シヤ・コリシは欠場した。HOマルコム・マルクスも欠場し、ヨハン・グロベラーが先発し、16番のリザーブにはヤンヘンドリクス・ウェッセルズが入った。リザーブは得意のFW6人+BK2人としている。

 スコットランドは、SOにフィン・ラッセルが戻って来た。SHベン・ホワイトとともにアップセットを狙う。また、3番PRザンダー・ファガーソン、4番LOグレガー・ブラウンを入れ代えた。

 試合は、南アフリカが連続トライで19分までに14-0とリードする。しかし、スコットランドも反撃して連続トライを取り、14-14の同点で前半を終えた。後半に入った直後、南アフリカにイエローカードが出て、スコットランドは数的優位に立ったが、これを生かせず、逆に南アフリカが、3連続トライを取って66分までに35-14と大きくリードした。その後スコットランドも連続トライを取って、70分には35-28まで点差を縮めたが、南アフリカにダメ押しのトライを77分に取られて完敗した。

 南アフリカでは、SOハンドレ・ポラードが5コンバージョンを入れた他、12番CTBダミアン・ウィルムゼ、SHアンブロワーズ・パピエー、7番FLピータースティフ・デュトイらが勝利に貢献した。スコットランドでは、SOフィン・ラッセルが4コンバージョンを入れ、12番CTBシオネ・ツイプロツ、NO.8ジャック・デンプシーらが健闘したが、勝利は遠かった。

アルゼンチン35-21ウェールズ(HT28-14)

 ウェールズは、6番FLに8年振りとなるジェイムズ・ボッサムを入れた。SOはサム・コステロウが先発し、リザーブの16番HOライアン・エリスが50キャップを達成した。また、20番FLケイン・ジェイムズが初キャップとなった他、ルイス・リーザミットが23番のリザーブに下がった。

 アルゼンチンは、パブロ・マテーラが20番FLのリザーブに下がり、6番FLにサンチャゴ・グロンドーナが入った。また、14番WTBバウティスタ・デルガイ、FBサンチャゴ・カレーラスのベテランが先発した。

 試合は、ウェールズが3分のトライで先制したが、アルゼンチンが連続トライで逆転して、15分には14-7とリードする。ウェールズは23分のトライで14-14の同点に追いつくが、アルゼンチンに連続トライを追加され、前半を28-14で折り返した。後半に入り、アルゼンチンが47分にトライを追加して、35-14とリードを拡げた後、膠着状態になり、ウェールズは66分にトライを返して35-21まで詰め寄ったが、そのままアルゼンチンが逃げ切る結果となった。

 アルゼンチンは、SOトマス・アルボルノズが5コンバージョンを入れた他、NO.8ホアキン・オヴィエドが2トライを記録した。また、1番PRボリス・ウェンゲル、7番FLマルクス・クレメール、SHゴンザロ・ガルシア、11番WTBマテオ・カレーラス、12番CTBユスト・ピッカルド、FBサンチャゴ・カレーラスが勝利に貢献した。

2.ジュニア(U20)ワールド・チャンピオンシップ

プール分けは以下の通り。
A:南アフリカ、ウェールズ、ジョージア、ウルグアイ
B:NZ、イタリア、スコットランド、日本
C:アルゼンチン、イングランド、アイルランド、アメリカ
D:フランス、オーストラリア、スペイン、フィジー

7月7日
アイルランド73-22アメリカ(HT45-3)
 アイルランドは、前半に7トライを重ねて大量にリードした後、後半はイエローカードとレッドカードを出したものの、トライ数4対3と試合を支配して大勝した。アイルランドSOチャーリー・オシェアーと12番CTBシーン・ウォルシュがハットトリック、FBダニエル・グリーンが9コンバージョンと大勝に貢献した。

NZ45-15イタリア(HT26-10)
 試合は、イタリアがトライで先行したが、その後イエローカードを出してしまい、NZが数的優位からトライを連取して12-5と逆転する。イタリアも二つ目のトライを返したが、NZはまたも連続トライを奪って、前半を26-10とリードした。後半に入り、NZが3連続トライで43-10とリードして勝負を決めた後、イタリアが三つ目のトライを返したが、勝負は決まっていた。順位決定戦に備えてメンバーを代えたNZは、先発15人中7人がトライを取るなど、バランスの取れたアタックを発揮していた。

アルゼンチン38-40イングランド(HT12-20)
 試合は、トライを取り合った7-7の同点の後、15分にアルゼンチンがレッドカードを出してしまう。その数的優位からイングランドが3トライを取った一方、アルゼンチンは1トライに抑えられ、前半を12-20とイングランドがリードする。後半もトライの取り合いとなって17-35となった49分、アルゼンチンにイエローカードが出て再び数的不利となり、イングランドがトライを連取して24-40と勝負を決めたかに思われた。ところが、68分、70分とイングランドが連続してイエローカードを出してしまい、この数的有利からアルゼンチンが連続トライを取って2点差まで迫ったが、時間切れでイングランドが逃げ切った。

 アルゼンチンは、14番WTBバウティスタ・レスカノとFBサイモン・ファイファーがそれぞれ2トライを記録した。イングランドは、5番LOアイデン・アインスワースケイヴとFBジェイムズ・ピーターがそれぞれ2トライを記録した。また、SOヒュー・シールズが5コンバージョンを入れた。

スコットランド43-32日本(HT26-15)
 試合は、順位決定戦などによりメンバーを大幅に入れ替えた日本が、フィジカルに優るスコットランドに、スクラムとラインアウトを支配された上に、個人の突破を止められずに、17分までに19-0と大きくリードされる。しかし、その後スコットランドのアタックを分析した結果を反映させた日本が反撃し、2トライと1PGを入れて点差を縮めたが、スコットランドにトライを追加された上に、42分にスコットランドにイエローカードが出た数的優位を生かすことができず、前半を26-15で終える。

 後半に入り、スコットランドがトライを加点して、50分には31-15とリードを拡げられたが、57分に日本の23番WTB内田慎之甫が、スクラムのSHの位置から個人技で独走するトライを取って、31-22と迫った後、64分にもトライを追加して31-29と2点差に迫った。しかし、スコットランドは72分にトライを追加して36-29とし、リードを拡げる。日本も74分にPGを入れて36-32と4点差に迫り、スコットランド陣に入ってアタックを継続したが、スコットランドSOジェイク・デイルジールにBKの不用意なパスをインターセプトされ、そのままゴール中央まで独走されて万事休した。日本のFB古賀龍人が攻守に奮闘した他、内田慎之甫のランニングスキルは、相手を圧倒する世界中から称賛されるプレーだった。しかし、FWがスクラムで劣勢だった上に、相手陣に攻め込んだ後のラインアウトをことごとくミスしたことが敗因となっていた。

南アフリカ52-33ウェールズ(HT26-14)
 試合は、ウェールズが連続トライで先行したが、南アフリカも3連続トライを返して24分には19-14とリードする。さらに、29分にウェールズにイエローカードが出て、南アフリカがトライを加えて26-14として前半を終えた。後半は、南アフリカがトライを加えた後、イエローカードを出してしまい、ウェールズが2トライを取って反撃するが、一方の南アフリカもトライを追加するなど乱打戦となった。それでも67分に南アフリカが52-26とリードを拡げて勝負を決めた。その後南アフリカに二枚目のイエローカードが出て、その数的有利からウェールズがトライと取ったが、既に勝負は決まっていた。南アフリカHOシフォセツ・ムネベレレ、16番HOリアム・ファンアイクがそれぞれ2トライを記録した。SOヤキーン・アーメッドは6コンバージョンを入れた。

フランス34-29オーストラリア(HT22-12)
 試合は、オーストラリアがトライで先行したが、16分にイエローカードを出してしまい、この数的有利からフランスが3連続トライを取って、26分に19-5とリードする。オーストラリアも反撃して19-12と迫るが、フランスにPGを追加されて22-12とリードを拡げられて前半を終える。後半に入り、フランスがトライで先行した後、オーストラリアも反撃したが、51分に二枚目のイエローカードを出してしまう。フランスはこの数的有利からトライを加えて、56分には34-19と大きくリードして勝負を決めた。オーストラリアも、その後トライとPGで5点差まで迫ったが、逆転する時間は残っていなかった。フランスの7番FLルーカス・アンディセラマッチが2トライを記録した。

7月8日
ジョージア56-3ウルグアイ(HT28-3)
 試合は、ジョージアが一方的に8トライを取って圧勝した。スペインは、イエローカードを出した他、アタックでは1PGのみに抑えられた。ジョージアは、7番FLルカ・ナルシアがハットトリック、FBニコロチ・ハルヴァシが8コンバージョンを決めた。

スペイン26-29フィジー(HT18-17)
 試合は、スペインが先行した後、フィジーにイエローカードが出るなどスペインのペースで進んだ。しかし、フィジーも3トライを返し、2トライ2PGのスペインに対して、1点差のリードに止めて前半を終える。後半に入り、スペインはまたもや先行したが、今度はイエローカードを出してしまい、この数的有利からフィジーが55分のトライで23-24と逆転し、さらに65分のトライで23-29とリードを拡げた。スペインも72分のPGで26-29と3点差に迫ったが、そのままフィジーが最後までリードを維持して勝利した。フィジーの6番FLイソア・コロイナワイが2トライを記録した。

(以下、順位決定戦)
7月12日
13位準決勝
日本71-21アメリカ(HT28-14)
 日本は、開始3分に先制トライを挙げたが、6分にアメリカにトライを返されて、7-7の同点になる。しかし、12分にトライを加えて14-7とリードする。日本の攻勢で、22分にアメリカにイエローカードが出て日本は数的優位を得る。24分、32分と連続トライを挙げて、28-7とリードを拡げた後、37分にアメリカにトライを返されて、28-14で前半を終える。前半の日本は、相手陣ゴール前に攻め込みながら、アメリカの執拗なタックルでミスをするなど、何度もトライできない時間帯が続いたことは、次の試合に向けての反省材料になっていた。

 後半に入り、41分にアメリカにトライを取られたが、これ以降は日本がゲームを支配し、45分、49分、52分、56分、61分と5連続トライを挙げ、さらに65分にアメリカに2枚目のイエローカードが出て、66分に日本は10個目のトライを挙げる。さらに71分にアメリカにレッドカードが出て、日本の数的優位は15人対13人になり、73分に11個目のトライを挙げて、最後は圧勝した。フィジカルに優るアメリカが、ラインアウトで競ってこないなど、これまで日本の弱点であったセットプレーが安定したことが、大勝に繋がった。アメリカは、21個ものペナルティー、2枚のイエローカード、1枚のレッドカードでは勝負にならなかった。日本は、この試合でアメリカに与えたトライは、いずれも相手のフィジカルに簡単にタックルを外されたものが多く、このディフェンスの脆弱さは修正しなければならないだろう。

 一方、SO丹羽雄丸が8コンバージョンを入れ、13番CTB岩倉吏臣、16番HO三浦颯太がハットトリック、14番WTB内田慎之甫が2トライを記録した。ここまでの試合で、WTB内田慎之甫は代表レベルでも通用するスピードとテクニックを発揮しており、安定した計算できるプレーをしているFB古賀龍人及び12番CTB福田恒秀道とともに、来年の日本代表に入っている可能性を秘めている。一方、FW陣ではそうした目覚ましい活躍をしているプレヤーが未だでていないので、最終のスペインでの奮起を期待したい。

5位準決勝
アルゼンチン26-44スコットランド(HT7-19)
 両チーム合わせて4枚のイエローカードが出る激しい試合となった。特に前半は、アルゼンチンに2枚、スコットランドに1枚のイエローカードが出た中で、スコットランドが3トライを重ねた一方、アルゼンチンは1トライに留まり、7-19でスコットランドがリードして終えた。後半は、トライの取り合いとなったが、66分までにスコットランドが19-36とリードを拡げた後、68分にアルゼンチンに3枚目のイエローカードが出て勝負が決まった。その後トライを取り合ったが、スコットランドのリードは変わらず完勝した。スコットランドのHOジョー・ロバーツが2トライを記録した。

7月13日
13位準決勝
スペイン57-6ウルグアイ(HT19-6)
 この試合も両チーム合わせて3枚のイエローカードが出る激戦となったが、スペインが前半に3トライを重ねた一方、ウルグアイを2PGに抑えて19-6とリードした。後半は、互いにイエローカードを出す展開となったが、スペインが6トライを重ねて大勝した。スペインでは、SOマラカイ・ハフォカが6コンバージョンを入れた他、12番CTBオリオル・マルシニャック、20番FLマルセル・カレーラスがそれぞれ2トライを記録した。

5位準決勝
オーストラリア36-38ウェールズ(HT17-14)
 試合は、ウェールズが13分、17分とトライを連取して0-14とリードしたが、19分にイエローカードを出してしまう。この数的優位からオーストラリアが反撃し、19分、23分、30分と3連続トライを取って、17-14と逆転して前半を終えた。後半は、数的不利が消えたウェールズが、40分、47分とトライを連取しまたPGを加えて、17-31と逆転しリードを拡げる。オーストラリアが54分にトライを返して、22-31と点差を縮めた後、ウェールズは62分にレッドカードを出してしまう。この数的優位からオーストラリアが66分にトライを取って、29-31の2点差に迫ったが、71分に今度はオーストラリアがイエローカードを出してしまい、この反則からウェールズはペナルティートライを取って、29-38とリードを拡げた。オーストラリアは、数的不利が消えた76分にトライを取って、36-38と2点差まで迫ったが、最後は時間切れでウェールズが逃げ切った。オーストラリアは、23番FBトム・ファージョーンズが2トライを記録した。ウェールズは、14番WTBリーズ・カミングスが2トライを記録した。

9位準決勝
ジョージア19-43イタリア(HT14-43)
 試合は、前半にイタリアが6トライを取った一方、ジョージアは2トライに抑えられ、ほぼこれで勝敗が決まった。そのためか、後半に入ってからイタリアに2枚、ジョージアに1枚のイエローカードが出る荒れた展開となり、ジョージアが1トライを加えただけで、得点の少ない状況のまま試合は終わった。イタリアのNO.8ジェイヘイム・ノエルウィルソン、FBピエトロ・セリがそれぞれ2トライを記録した。

1位準決勝
フランス26-22NZ(HT14-12)
 試合は、NZが6分のトライで先制した後、フランスも19分にトライを返して7-7の同点とする。20分にNZにイエローカードが出たが、NZは数的不利にも関わらず26分にトライを加えて、7-12とリードした。しかし、32分にフランスにトライを返されて14-12と逆転されて、前半を終えた。後半に入り、NZは57分にトライを挙げて、14-19と逆転したが、60分にまたもやイエローカードを出してしまい、この数的不利から、60分にフランスにトライを与えて19-19の同点にされる。それでもNZは、71分にSOミカ・ムリアイナがPGを加えて、19-22とリードしたが、75分にフランスにトライを許してしまい、26-22の4点差とされて時間切れとなってしまった。

 NZはアタックのキャリーした回数では131対67、ゲインした距離では278m対167mと圧倒したが、セットプレーが安定しなかったのと、タックル成功率がフランスの94%に対して83%と劣ったことが敗因となってしまった。さらに優勝目指したNZにとっては、痛恨となる2枚のイエローカードが敗因の一つとなった。フランスのHOギャビン・ガラルトが2トライを記録した。

7月14日
9位準決勝
アイルランド24-19フィジー(HT14-12)
 試合は、両チームが交互にトライを取り合い、コンバージョンの差でアイルランドが前半をリードした。後半に入り、アイルランドが先にトライを取って、21-12とリードを拡げた後、フィジーに連続してイエローカードが出る。ところが、この数的不利を乗り切ったフィジーは、72分にトライを取って21-19の2点差に詰め寄った。しかし、アイルランドは79分にPGを入れて、24-19とリードを保って勝利を確定した。アイルランドは、前半最後の37分と試合終了前の80分に、それぞれイエローカードを出したが、勝敗には影響しなかった。アイルランドのSOダニエル・グリーンが、1PG3コンバージョンを入れて勝利に貢献した。

1位準決勝
南アフリカ53-37イングランド(HT12-20)
 大量得点となっただけでなく、両チームに1枚ずつレッドカードが出る激戦となった。前半は、イングランドがトライで先制した後、南アフリカがトライを返すが、イングランドはPGとトライで、30分に7-12とリードしたが、直後の31分にレッドカードを出してしまう。この数的不利から南アフリカにトライを取られるが、イングランドはPGを入れて、前半を8点のリードで終えた。

 後半に入り、南アフリカが4連続トライを取って、53分に40-20と大きくリードする。イングランドは54分にトライを返すが、南アフリカは58分のトライと61分のPGで50-25とリードを拡げた。しかし、南アフリカは63分にレッドカードを出して数的不利となる。イングランドは64分のトライで50-32と詰め寄ったが、68分に南アフリカにPGを入れられ、点差は縮まらない。イングランドは78分にトライを取って、53-37と迫るのが精一杯だった。南アフリカのSOヤキーン・アーメッドが、1トライ2PG6コンバージョンと勝利に貢献した他、11番WTBクタゾ・ラシヴァガがハットトリック、6番FLケボティレ・マアアケが2トライを記録した。イングランドは、ペナルティーの数で8対13と多かったこと、タックルミスが15対27とディフェンスが悪かったこと、さらにセットプレーが安定しなかったことが敗因となった。

3.主なニュース

(1)ネイションズカップの結果

 一週遅れだが、下部大会となるネイションズカップがアメリカで開催されており、その第一週の結果は以下の通り。ここに参加しているチームは来年のRWCに出場するので、大会へ向けての参考になると思う。

ウルグアイ34-41ジョージア
 ジョージアは日本と大差ない実力なので、ウルグアイが健闘したと言える。

サモア66-19香港
 まだベストメンバーになっていないサモアにこの点差で負けるくらいだから、香港はRWCでは100点ゲームで負けるだろう。

チリ48-31ルーマニア
 ルーマニアの凋落が残念だが、ウルグアイとともにチリも南米チームとして強くなっている。

トンガ36-26ジンバブエ
 トンガもまだベストメンバーではないので、この結果は順当だと思う。

カナダ42-42スペイン
 カナダの凋落とスペインの躍進が、この引き分けになった。

アメリカ30-29ポルトガル
 アメリカが最近強化されているポルトガルに辛勝したが、2031年大会をホスト国として開催するまでの実力を示せていない。

(以下、第2週の結果)
7月12日
ウルグアイ36-36ルーマニア
 この2チームに、スペイン、ポルトガル、チリを加えた5チームは、実力が同程度だと思う。

サモア12-33ジョージア
 現時点では、サモアよりジョージアが強いが、来年のRWCになれば逆転しているだろう。

トンガ19-32スペイン
 今の時点だとトンガはベストメンバーではないので、スペインにこのスコアで負けても仕方がないが、来年のRWCになれば逆転するはずだ。

チリ38-17香港
 チリが圧勝する可能性もあったが、香港が意外と健闘した。このスコアを見ると、チリの実力は低いと思う。

アメリカ31-15ジンバブエ
 アメリカは実力低下が著しい。これでは、2031年のRWC開催が心配になってしまう。強豪国から若手の生きの良い選手を金で引き込む以外に、強化の道はないのではないか?特に、イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、オーストラリアからは多くの選手を金で引き込めると思うし、フィジー、トンガ、サモアからも取り込めるだろう。

カナダ14-38ポルトガル
 カナダも、アメリカと同様に実力の低下が著しい。しかし、アメリカのように外人傭兵で強化する資金力は協会にはないだろうから、この傾向を止められそうもない。

(2)コンラッド・スミスが、オールブラックスのハイパフォーマンス担当総括に指名

 コンラッド・スミスは、オールブラックスの13番CTBとして94キャップを重ね、2011年及び2015年のRWC連覇に貢献した。また、ウェリントン代表及びハリケーンズでも長年にわたってチームに貢献してきた名選手である。スミスは、ウェリントンのビクトリア大学OBかつ行政書士でもあるため、その高い教養とラグビー知識の豊富さから、オールブラックスのインテリジェンス機能を担ってきた選手でもあった。そのため、今後オールブラックスの躍進に大きく貢献することが期待される。



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きーやん(木下裕治) しがない年金生活の一方、健康状態の関係から身体を使う仕事は難しいため、趣味と実益を兼ねてnoteに様々な投稿をしています。皆さまからの私の投稿へのご支援をいただけることは、今後さらに多種多様な投稿を継続していくことにつながりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。