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カサ・バトリョ。一歩入った瞬間に、可愛くて絶叫した。ガウディに沼落ちした話【スペイン旅行記③】

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やってきました、カサ・バトリョ。
カサ・バトリョは賑やかな大通りに面したアパートのような建物だ。

遠目で見ると、「え、これ?」ってなる。札幌の時計台を初めて見た時の「思ったより小さい」みたいな、あの感じ。なんか普通の建物が建ち並ぶ通りの中に、ちょっとおしゃれなアパートが混じっている、くらいの印象。よく見ると確かにバルコニーが骨のような、どくろのような形をしているし、屋根のタイルも鱗みたいで独特なんだけど、外から一瞥しただけでは「すごい!」ってなりにくい。

でも近づくとめちゃ可愛いと気付く。

ナニコレめっちゃかわいいやん

そして一歩、中に踏み込んだ瞬間。

「ぎゃあぁーーーーーーー!!!!!!」

心の中で、というか、口から声が出た。本当に出た。怪しいアジア人の独り言として、声が出た。

なんだこれは。なんだこの可愛さは。

青と緑のグラデーションのタイル、天井まで続く吹き抜けの曲線、有機的なフォルムの窓、渦を巻くような手すり。全部が全部、曲線でできていて、幻想的。全部が全部、可愛い。いや「可愛い」という言葉では足りないんだけど、でも「可愛い」以外の言葉が出てこない。

わたしはもともと、直線より曲線が好きだ。ピシッとした建築より、遊び心のあるもの、ディテールに凝っているもの、おとぎ話から出てきたようなものが好き。だからこのカサ・バトリョは、わたしの「好き」をあらゆる方向から全力で殴りにきていた。

もとはジョセップ・バトリョさんという方が所有していた建物を、全面改修するにあたってガウディに依頼した、というのがカサ・バトリョの成り立ちだ。1903年から1906年ごろの改修で、この時代のガウディの好みが全面に出ているらしい。ガウディは時期によって方向性がかなり違うそうで、この時代の、この可愛らしさとキュートさとニッチさが、わたしにがっつりはまった。

中の吹き抜けは、下から見上げると海の中にいるような錯覚に陥る。青のグラデーションのタイルが上に行くほど濃くなっていて、これは光の当たり方を計算してデザインされているらしい。すごい。なんでそんなことができるんだろう。とにかくタイルの質感とか色味とか、全部が可愛らしくてセンス良くて繊細で美しい。

螺旋状に渦を巻くようにカタツムリの貝殻みたいな天井、そこに下がるシャンデリア。曲線の廊下、有機的な形の扉。ステンドグラスの窓は渦巻き模様が入っていて、光が差し込むたびにきらきらする。どこを見ても「キャー可愛い」だった。ずっとぶつぶつ「やっべ可愛い」と独り言を言いながら歩いていたので、周りから見たら完全に不審者だったと思う。

わたしはARチケットも事前に購入していたので、タブレットを借りて見ることができた。今は何もない部屋でも、ARで当時のリビングルームが再現されて、当時の生活の様子がイメージできる。これが思いの外面白くて、「ここでご飯を食べていたんだ」「ここで家族が集まっていたんだ」と、タイムスリップする感覚があった。

オーディオガイドを聞きながら、上へ上へと進んでいく。

オーディオガイドが「中庭のタイルをガラスを通して見ると、海の中にいるみたいでしょ」と言うので見てみたら本当にそう思えて、なんて夢のあるつくりなんだろうとまた感動した。

その横にあるドアも曲線美が素晴らしくて、しかもすべすべとした手触りの木が気持ちいい。さらにそこに書かれた文字はガウディ自身が書いたものらしく、「そうか」と思ってしげしげと眺める。


屋上テラスに出た。ここがまた最高で、鱗のようなタイルが並ぶ屋根、お菓子の塔みたいな煙突、青い空。どこからどう見ても可愛い。

ちなみにカサ・バトリョはユネスコの世界遺産に登録されているらしい。全然知らなかった。世界遺産じゃなくてもわたしは大好きだけど、世界遺産と認められてうれしい。

実際の家具が置かれている部屋に入れるチケットを買ったのでベッドルームにも入った。これまためちゃくちゃ可愛い。まずベッドがかわいい。本棚がかわいい。何もかもがかわいい!!!ここに住ませてください!!と心の中で叫びながら見学。


本棚が何事?っていう形


そして、有料だけどベランダに出て、プロのカメラマンに撮ってもらえるというサービスもあった。15ユーロぐらいだったんだけど、一人旅で記念写真を撮ってもらえる機会はなかなかないし、こんな最高のロケーションで撮ってもらえるなら絶対やる。即決でお願いした。スペインの青い空をバックに、カサ・バトリョのテラスで撮ってもらった写真は、この旅で一番のお気に入りになった。


ひとつだけ、気になったことがある。

帰りに降りていく階段のあたり、突然テイストが変わった空間があった。鎖を使った装飾で、なんかさっきまでの世界観と全然違う。ガウディじゃなくない?と思って。

後で調べたら、日本人建築家の隈研吾が手がけた部分だった。

隈研吾。白木をよく使う、あの人。

個人的に、隈研吾のあのテイストがあまり好きではない。好きな人には申し訳ないんだけど、わたしにはあまりぐっとこない。そして何より、ガウディの世界観と全く合っていない。ガウディのこってり可愛らしいブリブリの曲線と、隈研吾のミニマルな世界観が、全然マッチしていない。

なんでその人を選んだの?と、正直思った。

綺麗は綺麗なんだけど、全然違うものになってしまっていて、そこだけなんだかちょっと残念だった。


ミュージアムショップで、沈没。

カサ・バトリョでもう一つの試練が、ミュージアムショップだった。

途中で一回ショップを通過させられる構造になっていて、そこで最初の沈没が起きた。

可愛いものばかりだった。カサ・バトリョのタイルをモチーフにしたグッズ、ガウディデザインのアクセサリー、ポストカード、しおり。全部可愛い。全部欲しい。でも初日だから爆発できない。まだスペイン2週間あるし、お土産のことも考えなきゃいけないし。

かわいすぎる・・


と自分に言い聞かせながら、最低限「これだけは」というものだけ購入。

でも最後にも当然ミュージアムショップがあって、そこでまた沈没した。初日だから、と思いながらも、どうしても諦めきれないものがあって悩みに悩んで。でもミュージアムショップの値段が強気すぎて、ちょっと躊躇して、結局は厳選した。


これもかわいすぎたけど高かった・・・

カサ・バトリョのしおりは、後でどうしても欲しくなってメルカリで探して買った。他にも後から欲しいものがあったんだけど、ミュージアムショップのグッズって、日本では手に入らない。本当に。「あの時買っておけば」問題は旅の永遠のテーマだ。次行ったら後悔ないように買おう。「ミュージアムショップではケチるな」だ。

日本語訳の解説書も買った。旅先の美術館や観光地で売っている書籍って、重いし荷物になるんだけど、帰ってから読み返すと旅の記憶が蘇るんだよね。あそこってこうだったな、とか、あの空間にはそんな意味があったのか、とか。わたしはそれが好きで、結局買ってしまう。今回もカサ・バトリョの日本語本を比較検討して1冊購入。

ミュージアムショップだけで1時間近く潰れた気がする。

いや、それぐらい中身が濃かったということだ。初日に元気なうちに来ておいて、本当によかった。カサ・バトリョは、心も体力も万全の状態で来るべきだ。

最後に外観を愛でて、やっぱり「かわいい~」となって眺めたおす。このバルコニーのドクロ、かわいすぎでない?

立ち去るのが名残惜しい、もう一度見たいと思いつつ、夕方のタパスツアーにもあるしこの場を後にした。

この後のタパスツアーがなんとも胸糞悪いものになるとは、この時のわたしはまだ知る由もなかった。


つづく。次回は、人生最低のタパスツアーガイドとの戦いの記録。
今日もお読みくださりありがとうございました!

続きはこちら④


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