🌸ちょっと違和感「女性管理職」ということば
テレビやネットでは「女性の活躍」「ジェンダー平等」といった言葉が飛び交い、企業の取り組みや女性管理職の割合が話題になっています。
こうした動き自体は決して悪いことではないです。
現に企業が積極的に女性のキャリア支援を行うことで、キャリアアップした女性がリーダーシップをとり、社会にポジティブな影響を与えていることは確かです。けれど、私はふと違和感を覚えるのです。
企業における「女性管理職の割合」で、その企業が誰もが働きやすい環境づくりに取り組んでいる企業と判断されるのは少し違うのではないかと。
女性管理職の割合を強調していくと、企業側に「女性管理職を増やそう」という暗黙のスローガンが先に立って評価の基準がまずは「女性であること」に偏ってしまう危険性があります。本来の平等な実力主義からはかけ離れていってしまうのです。
まず「女性であること」から選考し、次にはどのような女性を昇進させるかという基準が加わります。その結果今度は全ての女性が同条件で評価されるわけではなく、ここで新たな線引きが生まれてしまいます。
全ての女性が同じ条件のもと会社に従事しているわけではないからです。
個々の実力を公平に見るには、すべての従業員が同じ条件で働ける環境が必要です。わたしも勤続28年になり、その経験の中で思うのですが、
現実にはライフステージの違いによって女性の仕事に対する向き合い方や優先順位は変化します。
結婚、妊娠、出産、育児(これがまた長い)。ライフシーンの変化により働き方の選択肢も変わらざるを得ません。
一括りに女性といっても、いろいろなパターンがあるのです。
独身、既婚、既婚でも子供がいる、いない、更には子供の年齢によって状況は大きく異なります。果たしてこうした違いを考慮したうえで平等な評価がされているのでしょうか。
たとえば、私の会社では管理職に選ばれるのは、独身の女性か、既婚でも子どものいない女性が多いのが現実です。
つまり女性が活躍しているのではなく、「仕事を最優先できる女性」が昇進するということです。とても限られた人数です。これでは、本当に「女性が働きやすい環境」が整っていて、女性が活躍する職場とは言えないと思います。
仕事を優先できる女性とそうでない女性と新たな線引きを生んでいるにもかかわらず、「女性管理職を増やしました」と言われると違和感を覚えます。限られた条件の女性、そして男性というくくりの中で、男女平等でやってますとうたうのはちょっと違うような気がするのです。
既婚、独身、子持ちも問わず、性別に関係なく誰もが柔軟にキャリアを築ける環境が整っていること、これこそが重要なんではないかと。
そうなれば、わざわざ「女性管理職を増やす」ことにこだわる必要もなくなります。
なぜなら、女性がライフステージの変化で離職せず、実力を積み重ねられる環境があれば自然と適正な人材が管理職に就くことになるからです。
また、逆の視点もあります。「女性管理職を増やそう」という流れの中で、本来なら昇進すべき優秀な男性が機会を失っていることはないでしょうか。
あるいは、「女性だから」という理由で管理職に就いた女性自身が、心のどこかで複雑な気持ちを抱えてはいないでしょうか。優秀な男性の上司になるわけです。
日本では、定年まで同じ会社で働き続ける女性は、男性に比べるとはるかに少ないのが現実です。
まずは、女性がライフステージの変化で仕事を辞めなくてもよい環境をつくること。それを実現したうえで、本当の意味での男女平等が成り立つのではないでしょうか。
今日は国際女性デー。本来、「女性がもっと自由に、自分らしく生きられる社会」を目指す日。「女性だから」という枠組みが、かえって足かせになりませんように。
性別ではなく、すべての人がライフステージに合わせてキャリアを築ける環境づくりをしていけたらと思うのです。
「女性だから」ではなく「その人だから」選ばれる社会に。そんな未来を願って今日も一日頑張ります。

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