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【学び】物語が持つ癒しの力

夏休み、北京郊外で行われた
教師対象の研修に参加しました。
もし今後日本語を教えることがあったら、
子供に教えるのはどうかな、
という思いが湧いてきていたところに
ちょうどこの研修を見かけたので、迷いなく申し込みました。
 
研修は朝から夕方までびっしりのスケジュールで10日間。
中国人の先生方の中にひとり混じって参加した私は
ちょっとドキドキ。
 
小学校1、2年生の認知特徴などの講義のほか、
午後には絵画や手芸、粘土遊びなどの体験授業もありました。
 
私が特に心惹きつけられたのは、粘土遊びの授業。
 
先生のやさしい声にしたがって、
魚、水鳥、かたつむり、きのこ、葉っぱなどの中から
好きなものを選んで作ってよく、
私は黄色い粘土でかたつむりを作ることにしました。
しかしあまり上手にできず、ちょっとひびの入った、
触角の太いかたつむりに。

私は内心、その出来に満足していなかったのですが、
隣の先生が作ったかたつむりを覗き見ると、
私よりずっと上手。
なんだか自分が恥ずかしくなりました。
 
その後は、4人グループになって
それぞれが作った粘土作品を持ち寄って
物語を作る時間。
 
1人1文ずつお話を作ることになり、
中国語でお話なんて作ったことがない私は、
内心「どうしよう・・・」と不安を感じましたが、
断ることもできないまま、
私に順番が回ってきました。
 
わずかな沈黙にみんなが固唾をのんだ瞬間、
私はほとんど無意識に口を開きました。
自分が作ったかたつむりに気持ちを託し、
隣の先生が作ったもう一匹のかたつむりに向かって
こう言いました。
 
「あなたのしっぽは半透明でとってもきれい。
 それに、あなたの触角はとっても細くてとってもすてき。」

われながら、とてもかわいい声が出てびっくり。

すると、もう一匹のかたつむりくんは、
 
「君の太い触覚もとってもすてきだよ。」
「僕たち一緒に遊ぼうよ。」
 
と言ってくれました。

ふたりは友達になって、
一緒に向こうの森まできのこを食べに行きます。
ふたりでゆっくり、ゆっくりと。
 
私はこの物語に魅了されました。
自分の気持ちを素直に表現できた喜び。
自信のない自分が受け入れられた体験。
ふたりで一緒に歩む心強さ。
 
なんだか心の奥が満たされたような気持ち。
物語にこんな力があったとは。
 
子供達は物語の世界で
生きる勇気を育んでいる

それを実感した体験でした。


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