"強者の余裕" フランスvsパラグアイ (2026W杯 Round of 16 レビュー)
フランスvsパラグアイ、1−0
今試合のフランスの戦い方は、かなり強国の余裕を感じた。
嫌がらせのプロ、パラグアイ
パラグアイは0-0でPK勝利狙いが明確なベタ引き5バック。
しかも今どき珍しい、肘打ちやら足裏タックルやら清々しいくらい喧嘩上等の南米フットボール。
要は「いかにフランスをイライラさせるか」に全振りしたサッカー。
(マリーシア、ってレベルじゃなく、「ハラスメントフットボール」とも言うべきプレーだった。多分相手にやられたら死ぬほど腹立つが、第三者視点だとめちゃくちゃおもしろかった。
パラグアイインフルエンサーのマリンボブ氏を見ていなかったら、確実にパラグアイを嫌いになっていた。)
しかも主審はパラグアイのファールとらない、イエローも出さない、かなり疑問の多いレフェリングでパラグアイに追い風。
実際前半0-0で終わり、オリーセとパラグアイ選手が小競り合いした結果オリーセにイエローが出て、「パラグアイの土俵」に持ってかれる可能性がかなり漂っていた。
挑発に乗らなかった「大人な」フランス
でもデシャン監督も選手も焦っていなかった。
特にデシャンはやるべきことが分かっていたようで、後半打った手はシンプルに「バルコラをドゥエに替える」ということ。
広いスペースでより生きるバルコラではなく、ドリブルで切り裂けるドゥエにして、相手守備陣に風穴を開ける、あわよくばファールを誘いPKをもらう作戦。
実際ドゥエの仕掛けから思惑通りにPKを獲得し、それをエムバペが沈めた。(主審がプレーを流したあとVARでのPK宣告だったから、もしVARがなければパラグアイの試合になっていた可能性高い、、、)
PK直前、ペナルティスポットにデンベレが立ち続けるシーンがあり、それをパラグアイ選手たちが取り囲んでいた。
何をしているのかと思ったら、まさかのパラグアイ選手がデンベレの後ろから足を差し込み、「ペナルティスポット荒らし」を試みていた。さすがハラスメントのプロ、細部まで徹底している。
デンベレは自分がPK蹴りたかったのではなく、得点等争い中の同僚のため、スポットを守っていたのね。デンベレの健気さに涙。
0-0死守のゲームプランが崩れたパラグアイ。
力の差を認識しているが故か、焦って雑な攻撃に終始。フランスはそれをいなしつつ、一撃必殺のカウンターをたまに刺しに行き、完全に「心理的優位」を取る。
後半、相手のラフプレーを受けたエムバペが笑っていたのがとても印象的。
誰よりもタックルやら肘打ちやらを喰らってたエムバペが、笑っていた。
前半は「したたか」に見えたパラグアイのラフプレー、
後半は「感情をコントロールできない子ども」に見えた。
そして1-0ゲームセット。
「試合を壊す」しか選択肢のなかったパラグアイを焦れずにじっくり料理したフランス。
点差以上の完全勝利だった。
