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【稼ぐ力 第1回】結論から言え——おめえの報告は、ラーメン屋で小麦の産地から説明しとる

新シリーズじゃ。NISAで増やす話は散々やった。今度は入金力の元——「稼ぐ力」を鍛える。第1回は全ての土台、伝え方じゃ。


おめえ、ラーメン屋で注文するとき、何て言う。

「……え? 『味噌ラーメンください』ですけど。」

じゃろ。「まず小麦という穀物の歴史からお話ししますと」とは言わんじゃろ。

「言いませんよ!! 追い出されますよ!!」

ほんならなんで、おめえは上司への報告のとき、それをやるんじゃ。

「……え。」

先週、廊下で聞こえたで。おめえが課長に「あの、先日の件なんですけど、経緯からご説明しますと、まず3週間前に先方の担当者さんから電話がありまして——」

「き、聞いとったんですか!!」

課長の顔、どうなっとった。

「……途中から、スマホを見始めました。」

それが今日の話じゃ。



新シリーズ「稼ぐ力」を始めるで

「先輩、今日は投資の話じゃないんですか。」

投資の話じゃ。遠回りに見えて、一番の近道の話じゃ。ええか、資産の式を思い出せ。

入金力 × 利回り × 時間

利回りは市場が決める。時間は今日始めるしかない。ほんなら、残った「入金力」はどうやって増やす。

「……固定費削減と、収入を増やす、でしたよね。」

そうじゃ。固定費削減はNISAシリーズ第2回でやった。じゃが削減には底がある。携帯代は0円にはならん。収入には天井がない。 じゃけぇこのシリーズでは、給料と評価を上げる「稼ぐ力」——お金の大学で言うたアタッカーを鍛える。

「そのシリーズの第1回が、伝え方なんですか? 資格とか転職とかじゃなくて?」

伝え方じゃ。断言するで。社内の評価は、仕事の中身より先に、伝え方で決まっとる。

「……身も蓋もない!!」

身も蓋もないから先にやるんじゃ。同じ仕事をしても、報告が上手い奴は「仕事ができる奴」になり、報告が下手な奴は「何をやっとるか分からん奴」になる。中身が同じでもじゃ。今日の教科書は『1分で話せ』——伊藤羊一さんの本での、ワシが管理職になる前に読んで、出世が2年早まったと本気で思っとる一冊じゃ。


結論は看板じゃ——ラーメン屋の理屈

まず、さっきのラーメン屋の話を回収するで。飲食店で一番大事な情報は何じゃ。

「……何の店か、ですよね。」

そうじゃ。じゃけぇ店は看板に「ラーメン」と書く。デカデカとじゃ。小麦の産地は書かん。製麺機の型番も書かん。店の前を通る人間は3秒しか見んけぇ、3秒で分かるものを一番外に出す。

「はい。」

報告も同じじゃ。課長がおめえにくれる集中力は、最初の1分だけじゃ。その1分に何を置くか。経緯か? 言い訳か? 違う。看板——つまり結論じゃ。

「結論から言え、って言葉ではよく聞きますけど……具体的にどうすれば。」

型がある。『1分で話せ』の core を、ワシなりに一言にするとこうじゃ。

「結論+根拠3つ+例え」のピラミッドじゃ。

てっぺんに結論を置く。「A案で行くべきです」。その下に根拠を3本の柱で立てる。「理由は3つです。コストが2割安い、納期が1週間早い、先方の担当者がA案を推しとる」。ほんで相手がピンと来とらんかったら、例えで映像を見せる。

「例えまで入っとるんですか、その型に。」

入っとる。人は理屈で納得して、映像で動くんじゃ。ワシがこの連載で例え話ばっかりしとるのは、趣味じゃないんで。読んだおめえらが動くためじゃ。

「……あ、この連載の芸風自体が『1分で話せ』の実践だったんですか。」

今頃気づいたか。


ワシが課長の前で「天気の話」から入った日

「先輩も、報告が下手だった時代があるんですか。」

あるどころじゃないわ。若手のワシの伝説を教えたるわ。大事な案件のトラブル報告での、忙しい課長をつかまえて、ワシは何から話し始めたと思う。

「……経緯、ですか。」

天気じゃ。

「天気!!」

「今日はえらい雨ですなあ」から入った。

「トラブル報告で!? アイスブレイクのつもりですか!?」

言いにくい話じゃったけぇ、入り口を探しとるうちに天気が出たんじゃ。ほんで天気の次に、先方の会社の創業の歴史を話した。

「歴史!! 誰も聞いてない!!」

3分経ったところで課長に「で、結論は」と言われて、ワシは「……まだ結論には早いかと」と答えた。

「かっこつけた!! 中身がないのに構成でかっこつけた!!」

その日の夕方、課長に会議室に呼ばれてな、一言だけ言われた。「おめえの話は、プレゼントの包装紙が18枚ある。開けても開けても中身が出てこん」と。

「……包装紙18枚。課長も例えが上手い。」

あれは効いたで。ワシは中身を隠すために包装しとったんじゃ。悪い報告ほど、包装紙が増える。

「……分かります。怒られるのが怖くて、前置きが長くなるんですよね。」

じゃろ。じゃが逆なんじゃ。悪い報告こそ、結論を最初に言うたら評価が上がる。「納期、3日遅れます。原因は部品の欠品です。対策として代替品の見積もりを今日中に取ります」——これを最初の15秒で言える奴を、上司は「事故のときに頼れる奴」と記憶する。

「……悪い報告が、評価の得点チャンスになる。」

そうじゃ。トラブルは毎回起こる。起こったときの15秒が、おめえの値段を決めるんじゃ。


「1分で話せんことは、何時間かけても話せん」

「先輩、でも複雑な案件は1分じゃ無理じゃないですか? 3週間分の経緯があるんですよ。」

ええ質問じゃ。ほんなら聞くが、その3週間の経緯、課長は何に使うんじゃ

「……え?」

課長の仕事は、経緯を鑑賞することか? 違うじゃろ。判断じゃ。A案かB案か、進めるか止めるか、誰に何を頼むか。判断に要る材料だけが、課長にとっての情報じゃ。残りは全部、おめえの日記じゃ。

「に、日記!!」

3週間の経緯のうち、判断に要るのはたぶん3行じゃ。それを選び出すのが、報告する側の仕事なんじゃ。ええか、ここが今日一番大事なとこじゃ。長く話すのは、選ぶ手間をサボって、選ぶ仕事を相手に押し付けとるんじゃ。

「……長い報告って、丁寧なんじゃなくて、失礼だったんですか。」

そうじゃ。相手の時間で自分の整理をしとるだけじゃけぇの。

「でも先輩、じゃあ3週間の経緯は、いつ話すんですか。捨てるんですか。」

捨てん。倉庫に置いとくんじゃ。課長が「ちなみに先方とは何があったんじゃ」と聞いてきたら、そのとき倉庫から出す。聞かれるまで出さん。ええか、経緯はの、店頭に並べる商品じゃのうて、バックヤードの在庫なんじゃ。在庫を全部店頭に積む店は、客が入れんくなるじゃろ。

「……準備はしとくけど、出すのは注文が入ってから。」

そうじゃ。ほんで面白いことにの、「聞かれたら即答できる」状態で結論だけ話す人間はの、短う話しとるのに「あいつは深う分かっとる」と評価されるんじゃ。在庫の厚みは、店頭に並べんでも伝わるもんなんじゃ。逆に言えば、1分にまとめる作業は、相手の10分を節約する贈り物じゃ。じゃけぇ結論から話す人間は好かれる。時間の贈り物を毎回配っとるけぇの。

「……包装紙18枚の逆ですね。包装なしで、中身だけ渡す。」

うまいこと言うな。


今日から使える型を3つ置いていくで

「先輩、明日から使える形で教えてください。」

3つ置いていく。全部『1分で話せ』と、その周辺でワシが20年使うてきたやつじゃ。

型①:「結論から言います」と宣言してから話す

魔法の枕詞じゃ。「結論から言います。A案で進めたいです」。この一言を癖にせえ。宣言すると、自分の頭も結論を探し始める。探して見つからんかったら、まだ報告する段階じゃないと分かる。

「……自分への締め切りにもなっとる。」

型②:報告は「結・根・例・次」の順

結論、根拠、(必要なら)例え、ほんで次のアクションじゃ。「次に何をするか」「相手に何をしてほしいか」で締める。「以上、報告でした」で終わる報告は、ボールをどこにも投げとらん。「つきましては、金曜までにご判断ください」——ボールを相手の胸に投げて終わるんじゃ。

型③:話す前に「で、何が言いたいんじゃ?」と自分に聞く

ワシは今でも、課長時代の包装紙事件以来、話す前に頭の中で自分に聞いとる。「で、ワシは何が言いたいんじゃ?」。一言で答えられたら話してええ。答えられんかったら、まだ包装紙を巻いとる最中じゃ。

「……先輩、それ、20年やっとるんですか。」

20年やっても、気を抜いたら包装紙が増えるんじゃ、人間は。技術は歯磨きと同じでの、毎日やるから保てる。

「あの、ちょっと練習していいですか。明日の報告、ここでやってみます。……結論から言います。例の資料、まだできてません。」

言えとるがな。

「え?」

満点じゃ。「結論から言います。まだできてません。理由は先方の数字待ちです。今日の15時に届く予定なので、明日の朝イチに提出します」——ほれ、悪い報告が15秒で「段取りのええ男の報告」に化けたじゃろ。

「……『できてません』から始めても、怒られない気がしてきました。」

怒られるのはの、「できてません」じゃのうて、「できてませんを最後まで隠す構成」のほうなんじゃ。


稼ぐ力と入金力——ほんで、NISAに戻ってくる

「先輩、最初の話に戻りますけど、伝え方で本当に収入が変わるんですか。」

変わる。道筋を言うで。伝え方が上手くなる→報告・会議・プレゼンの印象が変わる→「あいつに任せたら安心じゃ」になる→でかい仕事が回ってくる→評価と役職と給料が上がる。ワシの体感で、**社内評価の半分は「何をしたか」、もう半分は「どう伝えたか」**じゃ。

「半分!! そんなにですか!!」

ほんで、ここからがこのシリーズの本題じゃ。上がった給料をどうする。

「……生活レベルを上げたら、意味がない。」

よう言うた。昇給分はそのまま入金力に変えるんじゃ。月2万円の昇給を積立に足したら、20年でどうなるかはお金の力シリーズ第2回で計算した通りじゃ。稼ぐ力はNISAの外にあるエンジンでの、こっちを鍛えた人間だけが、積立額の桁を変えられる。

「……固定費削減には底があるけど、稼ぐ力には天井がない、でしたね。」

そうじゃ。ほんでその第一歩が、明日の朝イチの報告じゃ。


結局、何が大事なんじゃ

「先輩、まとめをお願いします。」

第1回の core はこれじゃ。

  • 評価は中身と同じくらい伝え方で決まる。 同じ仕事でも報告で値段が変わる

  • 結論は看板じゃ。 最初の1分のてっぺんに置け。小麦の産地は要らん

  • 長い報告は丁寧じゃなく失礼。 選ぶ仕事を相手に押し付けとる

  • 悪い報告こそ結論から。 事故のときの15秒がおめえの値段を決める

  • 型は「結・根・例・次」。 ボールを相手の胸に投げて終われ

  • 上がった給料は入金力へ。 稼ぐ力はNISAの外のエンジンじゃ

「明日の朝イチ、課長への進捗報告があるんですよ。……結論から言います、で入ってみます。」

おう。ほんで報告が終わったら、課長の顔を見とけ。スマホを見始めるか、おめえの目を見るか。

「……この前はスマホでした。明日は目を見させます。」

ええ宣言じゃ。ほんなら最後に、おめえに聞くで。今日のこの記事、要するに何の話じゃった。1分——いや、一言で言うてみい。

「……え、ええと、報告は結論から言えという話で、その理由は相手の時間を——」

長い。

「む、難しい!! 一言って難しいですよ!!」

報告はラーメン屋の看板と同じ。結論をデカデカと出せ」——ほれ、一言じゃ。

「……悔しいけど、その看板、一生忘れんやつです。」

それが例えの力じゃ。次回は会議の話をやる。おめえの会社の、あの終わらん会議の話じゃ。以上じゃ。

「……うちの会議、心当たりしかないんですけど!!」


今日の一冊

📚 「1分で話せ」 伊藤羊一 著
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今日の型の原典じゃ。ピラミッド構造・結論ファースト・相手を動かすことがゴール——プレゼンだけじゃなく、日々の報告・相談・雑談まで全部が変わる。社会人の必修科目じゃ。

📚 「ロジカル・プレゼンテーション」 高田貴久 著
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『1分で話せ』の一段深いやつじゃ。提案が通らんで悔しい思いをしとる中堅は、こっちまで読め。

あわせて読むなら(稼ぐ力→増やす力)

📚 「本当の自由を手に入れる お金の大学」 リベ大・両学長 著
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稼ぐ力(アタッカー)の位置づけはこの本の地図で確認せえ。本棚シリーズ第1回で解説しとる。

📚 「多動力」 堀江貴文 著
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稼ぐ力の上級編——肩書きの掛け算はこっちじゃ。本棚シリーズ第7回で(架空の)本人と語っとる。


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📚 本は「読む前に買う」もんじゃ

紹介した本が全部要るわけじゃない。1冊だけ選んで、今日カートに入れえ。

「明日でええか」と思うた本を、人は一生買わん。ワシがそうじゃった。

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中古で十分じゃ。 本の中身は、新品でも古本でも1文字も変わらん。

⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資は自己責任で行ってください。書籍の内容の詳細は必ず原典をご確認ください。


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