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【稼ぐ力 第2回】トヨタの会議は30分、おめえの会議は永遠——会議は鍋じゃ

稼ぐ力シリーズ第2回は会議じゃ。おめえの人生から会議を1日1時間減らしたら、年間240時間——丸10日分の人生が返ってくる。


おめえ、鍋料理はうまいか。

「……うまいですけど、今日は何の話ですか。」

鍋はの、人数が増えるほどまずうなる料理じゃ。

「え? 鍋こそ大人数の料理じゃないですか。」

考えてみい。2人の鍋は、好きな具だけ入れて、ええ塩梅で食える。5人になると、誰かが白菜を入れすぎ、誰かが勝手に雑炊を始め、誰かは箸をつけずにスマホを見とる。10人の鍋はもう、誰の鍋でもない。味は薄まり、責任も薄まり、最後に残った春菊を誰も引き取らん。

「……あの、それ、鍋の話ですか。」

会議の話じゃ。

「やっぱり!! うちの定例会議、まさに10人の鍋ですよ!!」

今日はその鍋を、2人前の最高の鍋に戻す話じゃ。教科書は『トヨタの会議は30分』——山本大平さんの本じゃ。



おめえの会議、時給で計算したことあるか

「先輩、でも会議って、仕事のうちじゃないですか。なんでそんなに目の敵にするんですか。」

ほんなら計算しようや。おめえの会社の定例、何人で何分じゃ。

「……10人で、大体90分ですね。毎週。」

10人×1.5時間で、15人時じゃ。参加者の人件費をざっくり時給3,000円とすると——1回の定例で4万5千円燃えとる。

「よ、4万5千!!」

毎週やっとるけぇ、年間で約230万円じゃ。新入社員がもう一人雇える。

「……会議室で毎週、札束を鍋に入れて煮とるようなもんじゃないですか。」

そうじゃ。ほんで一番の問題はここからでの。その4万5千円の会議で、何が決まった。先週の定例、何が決まったか言うてみい。

「……えーと……次回までに各自持ち帰って検討、が2件と……あとは共有事項でした。」

何も決まっとらんがな。

「……ですね。鍋に金を入れて、煮て、何も食わずに解散しとる。」

それが日本中で毎日起きとる。じゃけぇこの本のタイトルが刺さるんじゃ。世界のトヨタが、あの規模の会社が、会議は30分でやっとる。おめえの会社の90分は何なんじゃ、という話でな。


会議には2種類しかない——「決める会議」と「回覧板」

ほんならこの本の core に入るで。まず、会議を2つに仕分けるんじゃ。

①決める会議 — 選択肢から選ぶ。方針を固める。誰が何をやるか割り振る。
②共有の会議 — 進捗や情報を伝える。

ほんで、②はな——会議じゃのうてええんじゃ。

「え。」

共有はメールで済む。チャットで済む。昔の言い方をしたら、回覧板じゃ。回覧板を読むために10人が会議室に集まる町内会があるか?

「ないですよ!! 回してくださいよ、普通に!!」

じゃろ。じゃがおめえの90分の定例は、中身のほとんどが回覧板の朗読会じゃ。順番に近況を読み上げて、みんなが頷いて、終わる。

「……朗読会。悔しいけどその通りです。各自の報告を、みんなでじっと聞いとるだけの時間が長い。」

トヨタ式の考え方はシンプルじゃ。共有は事前に配って、会議では「決めること」だけやる。 資料は事前に読んでくるのが前提での、会議室は「読む場所」じゃのうて「決める場所」じゃ。

「……鍋の例えで言うと?」

具材の下ごしらえ(情報共有)は各自が家でやってこい。鍋会場(会議室)では煮て食う(議論して決める)だけじゃ。会議室で白菜を洗い始めるな。

「白菜を洗う会議、うちに山ほどあります……。」


30分で終わらせる技術を3つ置いていくで

「先輩、明日から使える形でお願いします。」

3つじゃ。どれも今の立場のまま、若手でも仕掛けられるやつを選んだで。

技術①:ゴールを一文で先に言う

会議の冒頭にこれを言うんじゃ。「今日のゴールは、A案かB案かを決めることです」。前回の伝え方——看板の話と同じでの、会議にも看板がいる。看板のない会議は、行き先を決めずに出発するバスじゃ。全員乗っとるのに、誰も行き先を知らん。

「……で、90分後に『持ち帰って検討』という終点に着くんですね。」

哀愁のある要約をするな。ほんでな、若手のおめえでも「今日って何が決まればOKですか?」と冒頭に聞くだけで、実質同じ効果がある。質問の形をした看板設置じゃ。

「それなら明日から言えます。」

技術②:終わり時間と「決め方」を先に決める

30分と決めたら30分で切る。ほんでもう一つ大事なのは、決まらんかったときの決め方を決めとくことじゃ。「30分で結論が出んかったら、課長が決める」。これを先に宣言しとくと、だらだら延長がなくなる。

「……サッカーのPK戦みたいですね。延長で決まらんときの決め方が、先に決まっとる。」

うまいこと言うな。決め方が決まっとらん試合は、日が暮れるまで終わらんのじゃ。

技術③:会議の最後は「誰が・何を・いつまでに」

終わる前の1分で、これだけ確認せえ。「誰が・何を・いつまでに」。この3点セットがない会議は、何も起きん。「各自持ち帰って検討」いうのはな、翻訳すると「誰もやらん」じゃ。

「翻訳が辛辣!! でも当たっとる!! 先週の持ち帰り2件、誰も何もしてないです!!」

名前と日付が入っとらんタスクは、この世に存在せんのと同じなんじゃ。


資料は「A3一枚」——トヨタのもう一つの文化

「先輩、会議の時間の話は分かりました。資料のほうはどうなんですか。うちの会議、パワポ40枚とかザラですよ。」

出た、40枚。ほんならトヨタのもう一つの有名な文化を教えたるわ。「A3一枚」文化じゃ。どんな複雑な案件もの、A3用紙一枚にまとめる。背景・課題・対策・スケジュール、全部一枚じゃ。

「一枚!? 無理でしょう、うちの案件は複雑なんで——」

複雑なんじゃのうて、整理されとらんだけじゃ。ええか、パワポ40枚いうのはの、40枚に薄う伸ばした方が「作るのが楽」なんじゃ。考えんでええけぇの。一枚に絞るには、何が幹で何が枝葉か、死ぬほど考えなあかん。

「……第1回の話と同じですね。長い報告は、選ぶ仕事を相手に押し付けとる。」

そうじゃ。資料の枚数はの、考えた量と反比例すると思うとけ。ほんで一枚にまとまった資料はの、会議の前に3分で読める。「事前に読んでこい」が現実になるのは、資料が一枚のときだけなんじゃ。

「40枚を事前に読んでくる人は、たしかにおらんですね……。」

おめえも明日から、でかい資料を作る前にまずA3——なければA4一枚に下書きしてみい。一枚に収まらん企画はの、大体まだ企画になっとらんのじゃ。


ワシが伝説の「会議のための会議」を主催した話

「先輩自身の失敗談はないんですか。今日まだ聞いてないですけど。」

……あるわ。ワシが中堅じゃった頃、でかいプロジェクトの会議がまとまらんくての。ワシは何を思いついたと思う。

「……まさか。」

**「会議の進め方を話し合う会議」**を招集した。

「やっとる!! 会議のための会議、実在したんですか!!」

しかも初回で結論が出んかったけぇ、第2回をやった。

「会議のための会議の、続編!!」

ほんでその第2回でな、若手がひとり、遠慮がちに手を挙げて言うたんじゃ。「あの……この会議、メールで良くないですか」と。

「勇者!! 若手の勇者がおった!!」

会議室がしーんとなっての。ワシは「……せやな」としか言えんかった。あの日の若手の一言が、151分の会議×2回を、たった3行のメールに置き換えたんじゃ。

「……151分って、細かく覚えとるんですね。」

恥は分単位で記憶に残るんじゃ。ほんでワシはあの日から、会議を招集する前に自分に聞くようになった。「これ、メールで良くないか?」と。10回のうち6回は、メールで良かった。

「6割!! 会議の6割が消えるんですか!!」

消える。ほんで残った4割の会議が、濃うなる。鍋の人数を減らしたら、味が濃うなるのと同じ理屈じゃ。


会議を減らして浮いた時間は、どこに行くんじゃ

「先輩、会議が減るのは嬉しいですけど、それって『稼ぐ力』とどう繋がるんですか。」

ここが本題じゃ。おめえ、1日の会議が1時間減ったら、年間で何時間になる。

「……240時間くらい?」

そうじゃ。丸10日分じゃ。ほんでその240時間の使い道が、稼ぐ人間と稼がん人間の分かれ道でな。

「……何に使えばいいんですか。」

前回の『1分で話せ』の練習でもええ。資格でもええ。副業の仕込みでもええ。本棚シリーズ第7回でやった、合体ロボの2体目・3体目を作る時間じゃ。ええか、時間はキャリアの原資での——会議はその原資を、誰の懐にも入らん形で燃やしとる。会議を制する奴は、時間を取り戻す。時間を取り戻した奴だけが、稼ぐ力を仕込める。

「あの、先輩。ちょっと聞きにくいこと聞いていいですか。会議中に内職しとる人って、どう思います? うちの定例、半分くらいの人がPCで別の作業しとるんですけど。」

ええ質問じゃ。内職を責める前にの、考えてみい。内職が成立しとる時点で、その会議の正体はバレとるんじゃ。

「正体。」

「自分がおらんでも進む会議」いうことじゃろ。つまり回覧板じゃ。ええか、本当に「決める会議」ではの、内職はできん。次の瞬間に自分の意見を求められるかもしれん場では、人間は画面を閉じるんじゃ。

「……内職は、参加者の怠慢じゃなくて、会議の設計ミスのサイン。」

そうじゃ。じゃけぇ内職を見つけたらの、「まじめにやれ」じゃのうて「この人数、要るんか?」と考えるんが正解じゃ。内職しとる人間はの、体で「ワシは回覧板で良かった」と教えてくれとる。会議室で一番正直なのは、内職しとる奴の指先なんじゃ。

「……名言っぽく言いましたけど、明日ワタシが内職しとっても怒らんでくださいよ。」

おめえの内職は、ワシの会議の通信簿として受け取ったるわ。

「……会議削減って、コスト削減じゃなくて、自分への投資の原資づくりなんですね。」

そうじゃ。固定費削減で入金力を作るのと、全く同じ構造じゃ。会議は時間の固定費なんじゃ。

「……あ!! 毎週自動で引き落とされる、時間のサブスク!!」

うまいこと言うな。今日2回目じゃ。解約できるサブスクから解約せえ。


結局、何が大事なんじゃ

「先輩、まとめをお願いします。」

第2回の core はこれじゃ。

  • 会議は鍋じゃ。 人数が増えるほど味も責任も薄まる。少人数で濃く煮ろ

  • 会議は2種類だけ。 決める会議はやれ。共有は回覧板(メール・チャット)で回せ

  • 冒頭にゴールの看板を立てえ。 「今日は何が決まればOKですか?」は若手でも言える

  • 終わりは「誰が・何を・いつまでに」。 名前と日付のないタスクは存在せん

  • 「これ、メールで良くないか?」を招集前に自分に聞け。 6割は消える

  • 会議は時間の固定費じゃ。 浮いた240時間が、稼ぐ力の原資になる

「明日の定例で、さっそく『今日は何が決まればOKですか』って聞いてみます。」

おう。ほんで会議の帰りに、腕時計を見ろ。何分早う終わったか。その分は、会社がくれた時間じゃのうて、おめえが取り返した時間じゃ。

「……取り返した時間で、何をするかも決めとかんとですね。開始デッドライン。」

本棚シリーズ第5回をちゃんと読んどるのう。ええ後輩じゃ。次回は、職場の人間関係——「アホとは戦うな」の話をやるで。

「……そのタイトル、うちの隣の島の係長に聞かせたい人が3人おります。」

聞かせるな。読ませえ。ほんで読んだ後もの、係長の席にこの記事を印刷して置いたりするなよ。それは戦いに含まれるけぇの。

「……一瞬考えたのが、なんでバレたんですか。」

顔に看板が出とったわ。以上じゃ。


今日の一冊

📚 「トヨタの会議は30分」 山本大平 著
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今日の話の原典じゃ。会議だけじゃのうて、資料の作り方・コミュニケーションの密度まで、トヨタ仕込みの「ムダ取り」が全部載っとる。会議が長い会社の人間は、まずこれを机に置くとこからじゃ。

📚 「世界で一番やさしい会議の教科書」 榊巻亮 著
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物語形式で「会議の直し方」を若手目線から学べるやつじゃ。今日の技術を会社で実際に仕掛ける手順書としてはこっちが細かい。

あわせて読むなら(稼ぐ力→増やす力)

📚 「1分で話せ」 伊藤羊一 著
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会議の発言の質は伝え方で決まる。稼ぐ力シリーズ第1回とセットで読めや。

📚 「後回しにしない技術」 イ・ミンギュ 著
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会議で浮いた時間を行動に変える技術じゃ。本棚シリーズ第5回で解説しとる。


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紹介した本が全部要るわけじゃない。1冊だけ選んで、今日カートに入れえ。

「明日でええか」と思うた本を、人は一生買わん。ワシがそうじゃった。

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⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資は自己責任で行ってください。書籍の内容の詳細は必ず原典をご確認ください。人件費の計算は説明用の概算です。


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