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円安シリーズ第4回 — 日銀は母ちゃんじゃ。政府と日銀が別々におる理由

なんで日銀は政府から独立しとるんか。答えは歴史が知っとる。母ちゃんの財布を親父が握った家はな、一回、焼け野原になっとるんじゃ。


「先輩、前回の宿題です。『政府が日銀に口を出したらなんでダメなのか』。考えたんですけど、そもそも日銀って政府の銀行部門じゃないんですか?」

ちげえわ。ええか、そこが今日の本題じゃ。国にはな、金にまつわる仕事が2つある。金を使う仕事と、金の価値を守る仕事じゃ。

「使う仕事と、守る仕事」

金を使うんが政府じゃ。道路を作る、給付金を配る、減税する——財政政策ゆうやつじゃ。ほんで金の価値を守るんが日銀。金利を上げたり下げたりする——金融政策ゆうやつじゃ。この2つはな、わざと別の人間がやるように作ってあるんじゃ。

「なんでわざわざ」

家で考えりゃ一発じゃ。




宴会好きの親父と、財布を握る母ちゃん

ええか。政府は宴会好きの親父じゃ。

「またお父さんが出てきた。うちの家族会議、登場人物が濃すぎるんですよ」

親父はな、金を使うほど人気が出るんじゃ。「今夜は寿司取るぞ!」ゆうたら子供は「父ちゃん最高!」じゃろ。減税します、給付金配ります——ゆうた分だけ、票が入る。じゃけぇ親父は、放っときゃ使う方へ使う方へ行く生き物なんじゃ。

「悪気はないんですね」

悪気はねえ。悪気がねえまま家が傾くけぇ怖いんじゃ。

ほんで日銀は、財布を握っとる母ちゃんじゃ。母ちゃんは寿司を取っても人気は出ん。「うちはそんな金ありません」ゆうて、宴会の途中で財布を締める役じゃ。嫌われ役よ。ほんでもな、母ちゃんが財布を締めるけぇ、家は破産せんのじゃ。

「たしかに、お父さんが財布も握ってたら、毎晩寿司ですね」

そうじゃ。ほんでな、ここが肝心なんじゃが、母ちゃんは選挙に出とらん

「あ」

親父は4年に1回、家族の人気投票を受ける。じゃけぇ嫌われることができん。母ちゃんは投票を受けん。だから嫌われることができる。嫌われる仕事は、選挙に出とらん人間にやらせる——これが独立の正体じゃ。

「……よくできてますね」

よくできとるんじゃ。人間が愚かじゃゆうことを、ちゃんと計算に入れて作ってある仕組みよ。

じゃけぇ母ちゃんは親父から独立しとらにゃあいけん。これは気分の問題じゃのうて、法律で決まっとる仕組みなんじゃ。ほんでな、この独立が壊れたことが、日本にゃ一回あるんじゃ。

「え、いつですか」

第二次世界大戦よ。戦争の金が足りんくなった政府が、日銀に言うことを聞かせて、円を刷りに刷らせた。ほんで戦後どうなったか。ハイパーインフレじゃ。朝100円じゃったパンが、昼にゃ1,000円、夜にゃ1万円。札束を抱えて野菜を買いに行く時代が、ほんまに来たんじゃ。

「教科書で見たやつだ」

教科書で見たじゃろ。ほんでな、あれは遠い昔話じゃのうて、「母ちゃんの財布を親父が握ったらこうなる」ゆう実験結果なんじゃ。日本は一回、自分の国で実験して、焼け野原ゆう結果を見とる。

「……その言い方は重いです」

じゃけぇ日銀は**「通貨の番人」**ゆわれとる。円の価値を守る、最後の砦じゃ。


金利が低い通貨は売られる——金に義理はねえ

「でも先輩、金利と円安って、どう繋がるんですか」

シンプルじゃ。おめえの前に貯金箱が2つあるとする。利子がほぼゼロの貯金箱と、利子がしっかりつく貯金箱。どっちに金を入れる。

「そりゃ利子がつく方ですよ」

じゃろ。世界の金も同じことを考えるんじゃ。日本は景気を支えるために、ずーっと金利を低うしてきた。ほんならどうなる。「円で持っとっても利子がつかん。ほんならドルに替えて、ドルで利子をもらお」——世界中がそう動く。円を売ってドルを買う。これが毎日、巨大な規模で起きとるんじゃ。

「円、売られ放題じゃないですか」

金にはな、義理も人情も愛国心もねえんじゃ。利子のつく方へ流れる。それだけの生き物じゃ。

「ドライですね」

ドライじゃのうて、正直なんじゃ。世の中で一番正直なんは、金の流れ方よ。口では何とでも言えるが、金は口を利かん代わりに嘘もつかん。

「……名言っぽく言いましたけど、内容は怖いですよ」

じゃけぇ日銀も、ずっと手をこまねいとったわけじゃねえ。少しずつ金利を上げてきとる。ほんで今年の6月16日にゃ、政策金利を1%まで上げたんじゃ。

「1%。……それ、高いんですか」

数字だけ見りゃ低い。ほんでな、1%ゆう水準は約31年ぶりじゃ。

「31年」

おめえが生まれる前からずっと、日本は「金利がほぼねえ国」じゃったんじゃ。今の現役世代はな、大人になってから金利のある世界で暮らしたことがねえ

「……全員が初心者ってことですか」

そうゆうことじゃ。ほんでこれは、預金にも、住宅ローンにも、国の借金の利払いにも、全部効いてくる。この話だけで別のシリーズが1本書けるけぇ、今日は「上げ始めた」ゆう事実だけ覚えとけ。

「宿題がどんどん増えていく」

ほんで金利を上げると今度は、景気をようしたい政府がええ顔をせん。アクセルを踏みてえ親父と、ブレーキを預かる母ちゃん。構造的にケンカになるんよ。

ほんでな、前回の火種②を思い出せ。骨太の原案に「適切な金融政策運営が必要と考える」て書いてあった。あれはな、競馬で一山当てる気の親父が、母ちゃんに「うちの家計には適切な小遣い運営が必要じゃと考える」ゆうたんと同じ構図に見えるんじゃ。

「お母さんの顔、真顔になるやつですよ、それ」

母ちゃんより先に、世界が真顔になったんじゃ。「この国、母ちゃんの財布まで親父が握る気か?」ゆうてな。


修正、また修正——ほんで年金の名前まで出た

ここからは時系列で行くぞ。市場に読まれた政府が、慌てて動くんじゃ。

7月7日、原案を修正。「安定的物価上昇を実現しながら」ゆう文言を足した。「ハイパーインフレにはさせません、破産はしません」ゆう追記じゃな。ほんで市場の返事はどうじゃったか。翌日、長期金利2.870%。さらに9日にゃ2.9%

「え、修正したのに上がってるじゃないですか」

そうじゃ。「破産はしません」ゆう一筆を見て、貸し手が利子を上げたんじゃ。

「なんでですか。安心させようとしたのに」

ええか。おめえが友達に金を貸すとするじゃろ。何も言われとらんうちは普通に貸す。ほんでその友達が急に「わし、絶対に夜逃げせんけぇ」ゆうて来たらどう思う。

「……逆に不安になりますね」

そうゆうことじゃ。信用ゆうんは、言葉を足して戻るもんじゃねえんよ。むしろ足すほど、足さなならん理由の方が目立つ。

ほんで7月10日、再修正。今度は「金融政策の具体的手法は日本銀行に委ねます」て書いた。ほんでもな、これ、法律で決まっとる当たり前のことなんじゃ。当たり前のことをわざわざ書き足すゆうんは——

「『疑われてる』って自分で分かってる、ってことですね」

そうゆうことじゃ。ほんで同じ頃、片山財務大臣がもっとすげえことをゆうた。「GPIFによる国債の買い支えもありうる」

「じーぴーあいえふ」

年金基金じゃ。おめえが毎月納めとる年金な、あれは積んどくだけじゃのうて、運用されとる。世界最大の機関投資家ゆわれる規模でな。その年金の金で、売られよる国債を買い支える——ゆう話が出たんじゃ。

「それって、いいことなんですか?」

ええか。町内会の旅行積立の金でな、幹事が自分とこの売れ残りの饅頭を買い支えたら、おめえどう思う。

「積立の意味が変わっとるじゃないですか。旅行に行くための金でしょ」

そうじゃ。年金はみんなの老後のために増やす金じゃ。人気のねえ商品の値崩れを防ぐために使う金じゃねえ。

「……その饅頭、誰が食べるんですか」

町内会の全員でな、老後に食うんじゃ。

「やめてくださいよ」

ほんでな、これと似たことをやった国が過去にあるんじゃ。第二次世界大戦直後のイギリス——借金がGDPの200%まで膨らんで、大英帝国の看板を下ろした、あの時のイギリスじゃ。

「……そのレベルの前例しかないんですか」

そのレベルの前例しかねえんじゃ。ほんでこの発言で、円は162円から161円台まで、ちょっとだけ戻した。「そこまでやる覚悟か」ゆう驚きで、ちょっとだけな。

「ちょっとだけって、なんか、余計に怖いんですけど」

その「ちょっとだけ」が全部吹き飛ぶ話が、次回じゃ。7月21日の閣議決定——ほんで、わしらはどうすりゃええんかまで話す。

「やっと僕らの話になるんですね。頼むから、救いを残しといてください」

残しとる。今回だけは、ちゃんと残しとるけぇ安心せえ。

「今回『だけは』って言いました?」


結局、何が大事なんじゃ

  • 政府=金を使う(財政政策)、日銀=金の価値を守る(金融政策)。宴会好きの親父と、財布を握る母ちゃんじゃ

  • 独立の正体は「嫌われる仕事は、選挙に出とらん人間にやらせる」ゆう設計思想じゃ

  • 2つが独立しとるんは歴史の教訓。戦時中に独立が壊れて、戦後ハイパーインフレになった。日銀は通貨の番人じゃ

  • 金利の低い通貨は売られる。金にゃ義理も愛国心もねえ。利子のつく方へ流れるだけじゃ

  • 日銀は2026年6月16日に政策金利を1%へ約31年ぶりの水準で、現役世代はほぼ全員が「金利のある世界」の初心者じゃ

  • 骨太の修正騒動:7月7日修正→金利はむしろ上昇(2.830%→2.9%)。信用は言葉を足しても戻らん

  • 7月10日再修正+GPIF(年金)で国債買い支え示唆。年金で国債を買い支えるんは、旅行積立で幹事の売れ残り饅頭を買うようなもん。前例は戦後の借金まみれのイギリスじゃ

次回は最終回——「市場は最後の野党」。ほんで、わしらの財布の守り方じゃ。


今日の参考書籍

まず、この3冊は全シリーズ共通の土台じゃ

📚 「本当の自由を手に入れる お金の大学」 リベ大・両学長 著
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金利のある世界に戻ったら、まず見直すんは自分の家計じゃ。守りの基本が全部載っとる。

📚 「ジェイソン流お金の増やし方」 厚切りジェイソン 著
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日銀の会合の結果は変えられん。変えられるんは、おめえの口座の中身だけじゃ。

📚 「20代から始める新NISA 高配当株投資術」 プラズマコイ 著
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金利のニュースに一喜一憂せんで済む、配当ゆう受け取り方の話が漫画で分かる。

ほんで今回のテーマなら、この2冊じゃ

📚 「日銀を知れば経済がわかる」 池上彰 著
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日銀が何をしとる組織なんか、金利と景気がどう繋がっとるんか。今日の話の教科書じゃ。

📚 「金利を見れば投資はうまくいく」 堀井正孝 著
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31年ぶりに金利が帰ってきた今、いちばん読む価値が上がった1冊じゃ。金利と株と債券の関係が分かる。


出典


📚 本は「読む前に買う」もんじゃ

紹介した本が全部要るわけじゃない。1冊だけ選んで、今日カートに入れえ。

「明日でええか」と思うた本を、人は一生買わん。ワシがそうじゃった。

| どこで探すか | こんな人に |
|---|---|
| Amazon | すぐ読みたい。Kindleでもええ |
| 楽天ブックス | 楽天ポイントを貯めとる人 |
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中古で十分じゃ。 本の中身は、新品でも古本でも1文字も変わらん。

⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資は自己責任で行ってください。また、本記事は特定の政党・政治家を支持または批判する意図はありません。


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