詩 : 秋風に乗って、瑛太の声が…
🍃風の声
『もうすぐ一年』
下を向いて
黒いアスファルトを見ながら歩いていると
『瑛太は元気かなあ?』
そう思うと
胸がつまって息が苦しくなった
少し顔をあげて
まっすぐ歩き出すと
眩しい太陽と
ほんのり冷たい風が一瞬、私を包み込んだ
空を見上げると大きな青空が広がっていた
「お母さん、元気にがんばってるよ」
暖かな秋風は
瑛太の声となって
そっと私を通り抜けていった
月詠 涼
ーー後書きーー
一年前、息子が社会人として遠くへ巣立っていきました。
とても嬉しく、誇らしい旅立ちでしたが、
ふと彼を思い出すと、知らぬ間に涙がにじむことがあります。
この詩の最後に書いた
「瑛太の声が、そっと通り抜けていった」
という一文は、詩を紡ぎながら私自身が
“あの子は元気にやっている。
だからもう、私が心配しなくても大丈夫”
と、自分に言い聞かせるように書いた言葉です。

