現場が強い宿こそが成功の鍵|ホテリエの創造性が宿の未来を育む
皆さんは、ホテルや旅館に宿泊した際、
“とても事務的な対応をされている”と感じたことはないでしょうか?
✔️笑顔はあるけれど、感情が感じられないポーカーフェイスな対応
✔️必要事項を伝えるだけで、ゲストの様子に気を配る空気感がない対応
✔️デフォルト外のリクエストには、確認もなくその場でドライに断る対応
中には、その対応時に負の感情を隠しきれていないスタッフも、、、
特にこの10年ほどで、如実に加速した“ホスピタリティ無き接遇”の質の低下。体験価値そのものが対価とも言えるラグジュアリーホテルでさえ、こうした傾向は顕著に現れています。
実はこれ、現場で働くホテリエ一人ひとりの判断基準に、「クリエイティビティ(創造性)」が許容されていないことが、大きな要因の一つだと感じています。
“丁寧な言葉遣い”や“おもてなし”といった、至極当たり前レベルの話ではありません。
本来ホテリエとは、目の前のゲストのために何が最善かを考え、状況に応じて創意工夫しながら価値提供をする仕事です。ですが今は、マニュアル外のことは“余計なこと”とされ、現場には「効率よく捌くこと」が求められる環境が増えているように思えます。
では、顧客体験を育み、強固なリピーターを着実に増やしていく現場とは、どんな現場なのでしょうか。
それは、
「判断基準」が現場スタッフ1人ひとりに共有されていること
これが、現場が強いホテル・旅館の共通点です。
なぜなら、ホテルの仕事は“想定外”の連続だから。
そして実は、その“想定外”こそが、顧客体験を最も豊かに創れるチャンス!
想定外だからこそ、ゲストの記憶に残る。
「こんな要望にも丁寧に向き合ってくれた」
そんな体験は、期待値を超える価値として記憶されやすいのです。
つまり、
「このホテル・旅館ならどう判断するか」
「このゲストにどう向き合うか」
その考え方が現場全体に共有されているからこそ、ホテリエ一人ひとりが自信を持って動ける。
レビュー評価が高い宿ほど、実は細かなオペレーションマニュアル以上に、“判断の幅”や“ホテリエとしての創造性”を大切にしています。
だからホテリエが自走する。
自走できるからこそ、仕事への誇りややりがいも育っていく。
目の前のゲストに何ができるかを、自ら考え、主体的に動けるようになる。
そしてその顧客満足は、レビューとして返ってくる。
ゲストの感謝の言葉として返ってくる。
その積み重ねが、ホテリエ自身の自信になり、さらに現場を強くしていく。
こうした“業務体験の連鎖”が、現場全体の自走サイクルを育てていくのだと思います。
もし今、
✔️スタッフが定着しない
✔️管理職に業務が集中している
✔️現場が疲弊している
✔️スタッフに主体性が見られない
✔️育成したくても、余裕がない
そう感じているホテル・旅館経営者の方がいるなら、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。
マニュアルと効率だけを重視し、“捌くだけの現場”になっていないか。
そこでは、本当の意味での顧客体験は育ちません。
顧客体験をリッチにするのは、後にも先にも「人材」です。
人材育成なくして顧客体験は作れない。
価値提供が存在しないのと同じになってしまう。
だからこそ、人材育成は、ホテル・旅館にとって最も大切に磨く価値のあるリソースなのです。
人材育成とは、教えること以上に、“考え方を揃え、任せること”。
それが、長期的な事業安定と、選ばれ続ける宿づくりに繋がっていくのだと思います。
もし旅先で、
「このホテリエ、本当に寄り添ってくれたな」
そう感じられるホテルに出会えたとしたら、
きっとそこには、ホテリエ一人ひとりの主体性が活力になっている、
“強い現場”が育っているのかもしれませんね。
