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上司が動かないとき、障害者雇用担当者が変えるべきは「熱意」ではなく言葉 

「何度説明しても、上が動いてくれない」
障害者雇用を担当されている方から、
相談とも愚痴とも言えないようなことを受けることがあります。

資料を作った。事例も説明した。
それでも、「様子を見よう」で終わる。
「自分の伝え方が悪いのだろうか」と、一人で抱え込んでしまう。

伝わらないのは、熱意が足りないからでも、
資料の作り込みが甘いからでもありません。
「本人のため」「配慮が必要です」という言葉は、
現場では十分に説得力があります。
でも、上司や上位層にとっては、それだけでは判断材料になりません。

伝わらない背景には、現場の事実を、
上位層が判断できる言葉へ変換する仕組みがないことがあります。 


伝わらないのは、あなたのせいじゃない

現場で使う言葉と、上司が判断に使う言葉は、実は違います。
現場の言葉は、「本人のため」「困っている」「配慮が必要」。
上司や上位層は、本人への影響だけでなく、ほかの社員への影響、業務継続、再発の可能性、必要なコストなど、複数の要素を踏まえて判断します。
 
同じ事実でも、使う言葉が違うだけで、
「個人の相談」にしかならないこともあれば、
「組織のリスク」として受け取られることもあります。

同じ話なのに、伝わり方が変わる瞬間がある

「対応が遅れて離職が起きれば、
採用と教育にかけた時間とコストが、もう一度必要になります」
「対応が担当者一人に依存していると、
その人が休んだ瞬間に、判断が止まります」
こうした伝え方は、「配慮してあげてほしい」という頼み方とは違います。

「この状態を放置すると、何が起きるか」を、
上を動かす言葉で示す伝え方です。
同じ状況を説明していても、翻訳するだけで、受け取られ方が変わります。

上司に伝えるときの、3つの整理

では、現場で起きていることを、どのように翻訳すればよいのでしょうか。

上司に伝えるときは、次の3点に整理してみてください。
1.何が起きているか
2.このまま放置すると、組織に何が起きるか
3.何を判断してほしいか
たとえば、配慮に関する判断が担当者一人に集中している場合です。

「現在、配慮に関する判断が、一人の担当者に集中しています。この状態が続くと、不在時に対応が止まり、現場ごとの判断のばらつきも広がります。そのため、配慮を判断する責任者と、相談・承認の流れを決めたいと考えています」
ここで大切なのは、危機感を強く訴えることではありません。

起きている事実と、放置した場合の影響、
そして判断してほしいことを分けて伝えることです。
それだけで、「困っているので何とかしてほしい」という相談が、
上司が判断できる提案に変わります。

一人の意見が、提案に変わるとき

感情や熱意で伝えると、どうしても「あなたが気にしすぎているのでは」
という受け取られ方をされることがあります。

でも、数字や構造で見せると、立ち位置が変わります。
「これは私が思っていることです」ではなく、
「これは組織として見ておくべき状態です」に変わります。

伝える側が一人であることに変わりはありません。
伝える内容が、個人の主張ではなく、
組織の課題として届くようになります。

変えるべきは、熱意の量ではありません。
現場の事実を、組織が判断できる言葉と形に整えることです。 
孤立を感じたときこそ、一度、上司に伝わる言葉に翻訳してみてください。同じ事実が、まったく違う伝わり方をすることがあります。

上位層が動かないとき、担当者に必要なのは、
さらに頑張って説明することではありません。
現場で起きていることを、上司が判断できる「リスク」「影響」
「必要な意思決定」の言葉へ整理することです。


本日の障害者雇用ランチ勉強会では、やるべきことを続けても組織が変わらない理由と、担当者一人の働きかけを組織の提案へ変える考え方を、一緒に整理します。

障害者雇用ランチ勉強会
「なぜ、やるべきことをやっても変わらないのか」

日時:7月29日(水)12:00〜13:00
形式:オンライン(Zoom)
参加費:無料

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