スープがつなぐもの 映画『孤独のグルメ』を観て想うこと。
以前から気になっていた映画
『劇映画 孤独のグルメ』を観ました。
気になりつつも、孤独という言葉が怖くてなかなか観ることができなかったのですが
最近知れた「孤独と孤立の違い」から
よし、見よう!
という気になりました。
(孤独と孤立についての記事はこちら👇)
最初に出てくるフランスのレストランでの
チーズたっぷりのオニオンスープ
が気になって仕方なく
今、私の食べたい物第1位状態です(笑)
自分で再現できるかしら…
それはさておき
映画の冒頭で語られる言葉が
とても印象的だったんです。
写真は記憶になる。
絵画はそれを思い出に変えてくれる。
この映画の中心にあるのは、ひとつのスープ。
(オニオンスープではありません笑)
その言葉を聞いたとき、ふと思いました。
もし
写真が「記憶」で絵画が「思い出」なら
映画の中心にあるスープ、その「母の作る汁」と、
それを再現するスープは
いったい何になるんだろう。
私の中に浮かんできたのは、こんな言葉でした。
母の作る汁は、心のふるさと。
(つまりお袋の味ですね。)
再現するスープは、その人自身の人生。
これを考えた時に
では私は?となりました。
私にはいわゆる
「お袋の味」というものがありません。
あまり良いとは言えなかった私の家庭環境
母は日中は実家の会社で働き、
夜は家で内職。
きっと料理をする時間も、
ほとんどなかったのだと思います。
だから私の子どもの頃の食事の記憶は
祖父に連れて行ってもらう外食。
祖母がたまに作ってくれる煮物やおひたしと、茶碗蒸しやプリン。
そして母が皿に乗せてくれる玄米ご飯と、
調理していないめざしやきゅうり。
それが私の食卓の思い出です。
その後元夫との出来事も加わって
私は長い間、食のこだわりがありませんでした。
「好きなものは何?」と聞かれても、
よくわからなかったのです。
でも、自分の好きなものを探し始めたとき、
気づいたことがありました。
私は、祖母の作ってくれたような
煮物やおひたしが好き。
茶碗蒸しやプリンが好き。
どうやら私の味覚のどこかに、
祖母の記憶が残っていたようです。
そして、もうひとつ。
母からよく頼まれていたことがあります。
「お姉ちゃん、コーヒーを入れて」
珈琲店へ豆を買いに行くところから始めて、
何度も何度もコーヒーを入れました。
回を重ねるごとに母が言うのです。
「コーヒー入れるの上手くなったね」
その言葉は、私の喜びでした。
母に褒めてもらえた記憶は、
そのときのコーヒーくらいだったからです。
だからでしょうか。
私は今、コーヒーが大好きです。
母の手料理の記憶は、ほとんどありません。
でも、母に入れたコーヒーの記憶はあります。
そう思うと、少し不思議です。
心のふるさとは、
必ずしも作ってもらった味とは限らない。
誰かのために入れた一杯が、
心のどこかに残り続けることもある。
そう考えると、
私の「心のふるさと」は
母の料理ではなく、
母に入れたコーヒーの時間なのかもしれません。
そして今、映画を思い出しながら
私はオニオンスープを食べてみたいと思っています。
もしかしたらそれも、
いつか私の人生の味になるのかもしれません。
最後まで読んでくださったみなさま
よかったら教えてください。
あなたにとっての「心のふるさと」は
どんな味でしょうか。
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