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あらすじ :「とんま村のチャ~リン物語~お金の仕組みを笑いながらほどき、人のための通貨を考える寓話」


①天の声(ナレーション:女神さま)

「こんにちは。
唐突ですが、皆さんは、何となく始まったことに、なぜか人生ごと巻き込まれた経験はあるでしょうか。

ここは、地図にも載っていないし、載せてもたぶん誰も急いでは来ない、不思議な『とんま村』。
空が青いとか、パンが焼ける匂いがいいとか、そういう当たり前のことに、いちいち感動してしまう、愛すべきどうぶつたちの村です。

けれどある日、ほんの小さな悪ふざけが、村じゅうを巻き込みました。
石ころに数字を書いただけなのに、なぜかみんなが走り出し、比べ合い、焦り出し、ついには鼻血まで出してしまうという、たいへん気の毒で、たいへん愛らしい騒動が始まったのです。

これは、
『お金』という、ちょっと厄介なマジックに振り回されながら、
最後にはそれを、ちゃんと人のために使う仕組みへと、じわじわ組み替えていく物語。

あまりに知的で、
あまりにポンコツで、
でも最後には、ちゃんとやさしい。
そんな、とんまな散歩道なのでございます。」

②物語の舞台: 「とんま村」

人口(動口)は、だいたい100人(匹)くらい。
全員が、自分が何をしようとしていたかを5分に一度は忘れる、非常に燃費のよい村です。

村のひまわりは、太陽を追いかけるのをやめ、だいたいあさっての方角を向いています。
「枯れ時」も忘れているので、しばらく元気です。

パン屋もいれば、ミルクを運ぶどうぶつもいて、壺を直すどうぶつもいて、見張りをするどうぶつもいて、
それぞれが、べつに偉くもないけれど、いないと普通に困る仕事をしています。

……にもかかわらず。
あるどうぶつの「ささやかな悪ふざけ」によって、村にはなぜか
「勝たなきゃいけない!」
「もっと集めなきゃ!」
「昨日より数字が大きくないと不安!」
という、妙にせわしない空気が広がってしまいました。

同じ村のなかで、同じように暮らしていたはずなのに、
いつの間にか、みんなで同じ石を追いかけて、目的もよくわからないまま消耗していく――
そんな、のどかで切実な「集団オトボケ・パニック」が発生しているのです。

③どんな物語?

最初に言います。

ハッピーエンドです。
ここ、かなり大事です。

〖前半10話:奪い合いのパニック編〗

アリクイの気まぐれな悪ふざけ――
というか、かなり迷惑なマジックによって、石ころに数字が書かれ、
それはいつの間にか「チャ~リン(お金)」として村を走り回るようになります。

ところが、そのチャ~リンには、
「あとでちょっと多めに返してね」
という、地味にイヤな約束がくっついていました。

そのせいで、仲良しだったどうぶつたちは、
パンを焼いても、荷物を運んでも、屋根を直しても、なぜかいつも一枚足りない。
足りないから走る。
走るから疲れる。
疲れてもまた走る。
という、切なくも見事な「石取りゲーム」に巻き込まれていきます。

しかも途中から、
「借りられるほうがえらい」
「数字が大きいほどすごい」
みたいな、ちょっとどうかしている流行まで生まれます。

のどかな村なのに、しくみだけ妙に世知辛い。
そんな前半戦です。

〖後半10話:ほどき直しと、ビバ・ポンコツ編〗

けれど後半、とんま村は少しずつ変わり始めます。

村の落とし物係・バクが、散歩のついでに村の“バグ”を見つけ始めるのです。
誰が得をしていたのか。
何が見えなくなっていたのか。
どうして、みんながこんなに急がされていたのか。

そして物語は、ただの告発では終わりません。

「村のモノは、ちゃんと村のモノにしよう」
「暮らしを止めないためのお金を、別に持とう」
「競争のための通貨と、生きるための通貨は、同じじゃなくていいんじゃないか」

そんなふうに、
とんま村は、走らされるだけの仕組みを、少しずつ、人のための仕組みにほどき直していきます。

最後に残るのは、
誰かだけが勝つ世界ではなく、
みんなが少しずつ、心置きなくポンコツに戻っていける村。

つまりこれは、
お金の話でありながら、最後には「どう生きると楽か」の話になっていく物語なのです。

④主な登場どうぶつ

1. イグアナ(サングラスの批評家)

特徴:
お昼休みのレジェンド。
だいたいいつも岩の上にいて、だいたい動かず、だいたい全部見ています。
マイクを片手に、絶妙にどうでもよさそうな顔で突撃インタビューを仕掛ける名人。
性格:

口ぐせは「……おバカですねぇ」。
村の大騒ぎを冷めた目で見ているようでいて、実は誰よりも、どうぶつたちの「生きてる感じ」を愛でている粋な傍観者。
笑いながら、本質だけは見失わないタイプです。

2. アリクイ (適当を服着て歩く男)

特徴:
「アリの素のマヨネーズ」が大好物。
ハシゴの上でマジックを握りしめる、この村の自称・経済リーダー。
性格:
適当、お調子者、でも妙に堂々としている。
悪いことをしている自覚があるのかないのか、たぶん半々。
「テヘッ」でごまかし、「まぁまぁ」で押し切り、「細かいことは気にしない」でだいたい話を終わらせる、愛すべき厄介者。
この村の混乱は、だいたいこの人から始まります。

3. ライオン(心配性な百獣の王)

特徴:
中身は、たてがみの薄さと将来不安に悩む、たいへん繊細な大型ねこ。
第2話で最初の「借りる側」にされてしまう、記念すべき最初の巻き込まれ役でもあります。
性格:
威厳より不安が先に来るタイプ。
何かあるたび「ひえぇ!?」と言いがち。
でも、だからこそ読者にいちばん近い顔で、この村の異常さに驚いてくれる大事な存在です。

4. シマウマ(パン屋もやる、暮らし側のがんばり屋)

特徴:
パンを焼いたり、店を回したり、暮らしに必要な仕事をちゃんとやる、村の生活サイドの代表。
本当は、こういうどうぶつが毎日ふつうに働けていれば、村はかなり平和です。

性格:
真面目で、責任感が強くて、気づくと自分ばかり走ってしまう。
数字に追われるうちに、自分の縞模様が「イケてるバーコード」に見えてくることがある。
生活を支える側なのに、いつの間にか数字の都合に振り回されてしまう、切実で愛らしい働き者です。

5. 働きバチ(空飛ぶ過剰最適化)

特徴:
小さな体でせっせと動き、村じゅうの細かい仕事を引き受けてしまう、空飛ぶ勤勉代表。
飛べるのに、気分はだいたい地面すれすれです。

性格:
真面目すぎて、「何のために働いていたか」を三秒ごとに忘れます。
返すために働き、足りないからまた受け、また足りないから飛ぶ、という見事な無限ループに入りがち。
村でいちばん「お疲れさまです」と言いたくなるどうぶつです。


6. アルパカ(アリクイ・クイック銀行の窓口係)

特徴:
アリクイ・クイック銀行の窓口。
アリクイのとなりで、いつもカタカタしながら石に数字を書いたり、預かったり、返したりしています。
村の不安が、だいたい最初に通る場所でもあります。
性格:
まじめで、気が小さくて、緊張すると手がぶれます。
そして、そのぶれがわりと大ごとです。
「0」をひとつ余計につけたり、逆に足りなかったりして、村にバブルと大暴落をかわりばんこに呼んでしまう、たいへん繊細で、たいへん迷惑な窓口係。
本人は悪くないのに、数字を扱う場所にいるせいで、だいたい無罪では済みません。

7. クジャク(見栄の芸術点が高すぎる)

特徴:
「借金が多ければ多いほど格好いい」という、第4話のNEWムーブメントの当事者。
性格:
誰よりもプライドが高く、誰よりも派手にスベる。
でも、羽根が折れてもめげない、羽根が折れても気づかない不屈のポジティブ・ポンコツ。
見栄が経済をゆがめるときの、たいへん美しい当事者。

8. カモ(税金を吸い、後半は村のお金の温度までならす)

特徴:
村じゅうを回って、ネギ型の掃除機で**不要な石(税金)**をずごごごご……と吸い取っていくどうぶつ。
見た目はかなり変ですが、役目は意外と大事です。
みんなから少しずつ集めて、村のために回す。そういう、地味に重いところを担っています。

性格:
むかしは「みんなのためです!」と、わりと素直に息巻いていました。
ところが後半になると、バクから*「温度調整さん」という、ありがたいのか雑なのかわからない呼び名をつけられます。
つまりこのカモ、ただ集めるだけではなく、熱くなりすぎた流れを少し冷まし、冷えすぎたところを少し戻す、村の“ならし役”にもなっていくのです。
ネギを持っているせいで台無しっぽく見えますが、やっていることはけっこう本質的です。

9.バク(落とし物係、兼・村のバグ係)


特徴:
後半の主人公。
村の「落とし物係」。
常に寝癖がひどく、趣味で「村のバグ」を捜査しているバク。
性格:
ぬぼーっとしていて、超然としていて、だいたい眠そう。
なのに、村の仕組みのほころびや、不条理のにおいには異様に鋭い。
「……あ、それ、趣味ですから」と、どこかで聞いたようなセリフを言いながら、村じゅうが見落としていた核心を、散歩のついでみたいな顔で見抜いてしまう。
脱力しているのに、見えているものだけ妙に深い。
とんま村がただの鼻血パニック村で終わらずにすんだのは、だいたいこの天才っぽいバグ嗅ぎ名人のせいです。

10. カメの長老(存在感ゼロの代表)

特徴:
13話くらいまで誰も気づかないほど地味。
岩と間違われて誰かに座られたりするが怒らないのが良いところ。
性格:

誰よりも長く(万年)、村を見てきたカメ様(≠神様)。
物語の終盤、みんなが疲れた頃に、一番シンプルで強い回答をカメ視点(≠神視点)でつぶやくのです。

⑤天の声

「……それでは、第1話。
……石ころ一つから始まる、ミステリアスな物語のはじまりはじまり」

物語リンク

🐝第1話: 「その肉、重くない? ~ライオンの薄毛隠しと、迷走する物々交換~」


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