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【とんま村の物語】第18話:まねする村が、出てきた~ぷるり~ん、外の村でざわつく~

🍃登場どうぶつ紹介とあらすじ

🍃第17話:「転んでも、すぐ終わりじゃない~“やらされる”から少し離れて、見えてくるもの~

🌻解説:「勝つ側と、負担を背負う側が生まれ続ける世界で―多段階ベーシックインカム(MBI)が、国内から世界へ調整の層を重ねる理由
🌻番外編「既存研究と多段階ベーシックインカムの違い

🐝前話+第18話サマリー

前話、とんま村は「ぷるり~ん(ベーシックインカム)」によって、働きバチくんが無理な仕事を断るという「正気」を取り戻しました。
この「無理をさせない理想郷がある」という噂は、深刻な人手不足に悩む「がつがつ村」や、活気が消えゆく「もたもた村」にとって、聞き捨てならないニュースでした。
自分たちのやり方に限界を感じていた隣村の視察団は、とんま村の「空気の正体」を突き止めるべく、境界を越えてやってきました。
しかし、同じ仕組みを導入しても、村の性格が違えば、そこから生まれる景色は全く別物だったのです。

① 天の声

「……月曜日の朝。
どこかひとつの場所だけ、妙に空気がやわらかく見えることはあるでしょうか。

同じように朝が来て、同じように仕事をしているはずなのに、なぜかそこだけ、少し呼吸が深い。……そういう場所は、外から見るとやけに目立ちます。

とんま村の『働きバチが、自分の意志で止まった』というニュースは、隣村にとっては驚きでした。なぜなら彼らは、止まりたくても止まれない、あるいは止まったまま動けない事情を抱えていたからです。

今夜は、目立つ村を見に来た、少し面倒で切実な隣人たちのお話です」

② 視察団、現る

広場の入り口から、猛烈な土煙が上がりました。がつがつ村のキツネが、喉を鳴らしながら飛び込んできたのです。

キツネ
「とんま村の働きバチをスカウトしに来たら、『今日は休みです』って断られたよ! うちの村じゃありえない。みんな死ぬまで前のめりで走って、倒れたやつから脱落していくんだ。どうしてこの村は、休んでもパンのにおいがしてるんだい!?」

そのすぐ後ろを、もたもた村のヤギばあさんが「ちりん……」と鈴を鳴らしながら、静かすぎる足取りで歩いてきました。

ヤギばあさん
「……うちは逆に、みんなが『失敗したらそこで終わりだ』と石橋を叩きすぎて、誰も橋を渡らなくなってしまいましたよぉ。とんま村は、なぜそんなに怖がらずに新しい挑戦ができるんですかねぇ」

イグアナ
「……出ました。『呼吸困難な競争社会』と『決断が化石になる停滞社会』。両極端な悩みを持つ隣人たちが、藁をも掴む思いでやってきたようでございます」

③ バクの知恵と、アリクイのアドバイス

バクは広場の端で、自分の影を見つめながら静かに口を開きました。

バク
「……うちの村が上手くいっても、隣の村が焦げていたら、結局こっちまで煙が流れてくるからね。……仕組みを教えるよ。
僕は昔、HARバード大学(鳥類の名門)で、種族(村)ごとの『お金の腐る速度』について少し学んだことがあるんだ」

そこへ、アリクイ総裁が新しいカードを見せびらかしながら、横から口を出します。

アリクイ
「おーおー! 他村の中央銀行をどう管理するか、僕が『アドバイザー』として指導してあげてもいいよぉ! その代わり、がつがつ村の『激辛マヨ』と、もたもた村の『白みそマヨ』を献上すること! これが僕のコンサル料なんだよぉ!」

キツネは少し引いた顔をしましたが、すぐにそろばんを弾きました。

キツネ
「……分かった。動機は最悪だが、背に腹は代えられない。村を救えるなら、マヨネーズくらい樽で用意してやるよ」

④ イグアナの突撃インタビュー:導入後の二つの村

数日後。仕組みを持ち帰った二つの村がどうなったか、イグアナがを片手に現地へ飛びました。

【がつがつ村:加速する安心】
イグアナ
「……さて、こちらは『がつがつ村』。広場では、以前よりさらに激しく商売の火花が散っていますが……キツネさん、状況はどうですか?」

キツネ
「……驚いたよ。うちもどんぐりのお金『ガツぷる(がつがつ村のベーシックインカム)』を配ったら、みんな『これで食費が浮くから、余った分でさらにデカい博打が打てるぜ!』って、余計にアクセルを踏み始めた。安心を、さらなる暴走の燃料にしやがったんだ。でも……不思議だね。転んでも明日のパンがあるからか、みんなの表情から悲壮感が消えたよ」

【もたもた村:納得の休息】
イグアナ
「……ところ変わって、こちらは『もたもた村』。鈴の音がさらにゆっくり響いていますが、ヤギばあさん、いかがでしょう?」

ヤギばあさん
「……ええ。うちは『もたぷる(もたもた村のベーシックインカム)』が始まってから、みんなが『今日はもう無理だから、また明日』と、堂々と言うようになりました。以前の『動けなくて止まっていた』のとは違う、納得の休息です。ようやく、お茶を飲む時間が怖くなくなりましたよぉ」

⑤ エンディング

イグアナは岩の上にのぼり直し、三つの村を繋ぐ空を眺めました。

イグアナ
「……えー、本日のとんま村。
仕組みというのは、良ければそのまま広がるわけではなく、広がった瞬間に『その土地の性格』を暴き出してしまうもののようです。

がつがつ村では安心が『加速』に化け、もたもた村では安心が『休息』に化けた。同じ種をまいても、咲く花がこうも違うとは。

……おや? でも、村ごとに『別のお金』が流れはじめたということは、今度はあっちのどんぐり(ベーシックインカム)、こっちのどんぐり、どちらに価値があるのか……なんていう、新しい火種が生まれそうな予感です。

アリクイ総裁の鼻が、さらなるマヨネーズの利権を求めてピクピク動き出しました。それでは、また」

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