「戻れないよね、あの日々には」
・横過ぎる 学生服の 子どもたち たった数年 前まで私も
・高校の 校門前を 通り過ぎ 入れなくなった この境界線
・笑いあう 中にはあった 夢の先 見失っては 数年経った
・制服の セーラー服を 放り投げ 嫌気がさした 自分の劣等
・あんなにも 大きく見えた 大人たち 見ていた背中 小さくて
・また会おう そう約束した お別れを 私はいまだ 果たせていない
・楽をして 生きていたいと 思いつつ 何もしないと 責め嫌う自分
・連絡を しないくらいの 級友の インスタで見た ドレスはホワイト
・インスタの ホーム画面に 家族写真 その横にいた 赤子の衝撃
・雨の日に バスの窓に 反射した テールランプが 似ていた涙目
・いつまでも 覚えられない 酒の味 楽しくもない 雑音の中
・風呂の後 試しに飲んだ 缶チューハイ 甘さの中の 苦みに溺れる
・翳りゆく 部屋に一人で 可哀想 そんな自分に 酔っぱらいつつ
・辛い今日 それでも過去より 年老いて 自分騙せる 大人になった
・輝く未来 想像していた 良い将来 あの頃の自分 裏切り続ける
・何事も 明日以降の 未来より 今が一番 若く単純
・キラキラと 輝いて見える アイドルも 振り掛けられた 妖精の粉
・毎日に 必死すぎては あの頃の 好きの気持ちも 薄れてく らぶ
・成せばなる そう言いつつも 何もせず 何にもならない 今日の微睡
・人生を 歩いてるつもりで 流されて 退化していた 私は人魚
・夕方の アニメで見ていた 夢の世界 終ぞ出会えず 救えない今日
・戻れずに 泣いたアルバム 笑う自分 そこを変わって 写真の私
・タイムマシン あれば私は 永遠に 小2の夏から 戻らないから
・化粧品 コラボしていた 女児向けの アニメに出てきた 変身アイテム
・買ったとて 使わないけど 見てるだけ それでもいいの 気分はプリキュア
・飽きもせず おんなじ遊びを 楽しめた あの日の私は どこへ行ったの
・好きだった 立派な大人の キャラクター あなたそんなに 若かったのね
・ガチャガチャで ほんのちょっとの 勇気とか 必要な時だけ 買えたらいいのに
・大丈夫 なんとなくも そう思う 自分で自分に 魔法をかけるの
・ピンク色 好きだったけど 水色も 好きだったけど 今は白黒
・可愛いね ありがとうと言う にこやかに シンクの皿は 洗ってないけど
・若さ故 嫉妬と憎しみ 煮詰めても 出来たジャムは 無色透明
・醜さも 美しさだって 焼いちゃえば いつかは同じ 骨になり灰
・嫌な声 黙れと耳を 抑えても 塞ぐ手のひら 目を塞いでた
・夕焼けに 烏が一羽 飛んでいて お前も1人と 決めつけてみた
・空想で 青春映画を 撮ってみて エンドロールに 名前無かった
・優しいね そう言っとけば 何もかも 許してもらえる なんて思うな
・排水溝 詰まった髪の毛 擦り取る 今日もなんとか 生きる道筋
・街中で 知り合い見ても 逃げるよう 足早に去る 今の私は
・怒りなど 持っていないよな 面をして 腹の中では 沸々茹る
・わからない 何にもわからず それなりに なんとかなるさと 自ら歯車
・漠然と 遠くに行きたく 車出し 行きたい場所は あの頃の暮らし
・なんでだよ 持ち上げた途端 切れた紐 立ち尽くす部屋 散乱したゴミ
・期待しない そうしていれば 何にでも ありがとうって 言える気がする
・頑張ると 疲れちゃうから ほどほどに 少しずつでも 前進はする
・驚いて スマホを落として 画面割れ 映らない液晶 五万の損失
・無駄なこと やらないからか 見つからず わからず悩む やりたいこと等
・人生を 後悔ばかりと 悩み出す まだ四半世紀を 生きたぐらいで
・すっぴんを 晒してもなお 晒せない 私の心 黒く滲んで
・1キロを 減らすの必死な 17歳 何もせず減る 25の夜
