デジタル人材の不足→伴走支援で「枯れた」IT技術を使うことをお勧めします
経営者の悩み:人材がいない
昨日の Day15 で、Week3 では経営者の悩みに答えていくと書きました。
最初のテーマは「人材がいない」です。
中小企業のDX推進を阻む最大の壁。それは技術でもツールでもなく、人材です。
「ひとり情シス」という現実
中小企業白書によれば、「IT・デジタル人材を採用していない」企業は7割、「不足している」企業も含めると9割を超えるという現実があります。
ではどうするかというと、
総務や経理の担当者から「比較的パソコンに詳しい」社員が、本来の業務と兼務でIT担当に任命される。
専任人材が確保できたとしても、一人で社内の全システム、ネットワーク、ヘルプデスク、セキュリティ対策、そしてDX推進までを背負わされる「ひとり情シス」の状態。
この構造がもたらすリスクは大きい。
属人化: システムの仕様や運用ルールが、その人の頭の中にしかない
変化への対応が難しい: 日々のトラブル対応に追われて、新しい技術を学ぶ余裕がない
退職リスク: その人が辞めたら、誰も分からなくなる
採用しようとしても...
「じゃあ、IT人材を採用しよう」と思っても、現実は厳しいですよね。
ITエンジニアの求人倍率は高く、資金力のある大企業やスタートアップでさえ採用に苦戦しています。
中小企業が、会社全体のIT業務をカバーできるようなスキルを持つ「ひとり情シス」エンジニアを採用するのは、簡単ではありません。
外部委託の「よくあるパターン」
人材がいないなら、外部に頼るしかない。
ベンダーやSIerにシステム開発を依頼する。これ自体は合理的な選択です。
ただ、こんなパターンが想定されます。
社内にノウハウが残らない: 作ってもらったシステムの仕組みを、社内の誰も理解していない
軽微な改修でも外注費用: ちょっとした変更でも、毎回見積もりを取って発注する必要がある
これは「仕組み」の問題であって、ベンダーが悪いわけではありません。
発注側が「お任せします」と言えば、受注側は「分かりました」と引き受ける。自然な流れです。
「伴走支援」という選択肢
では、どうすればいいのか。私が提案しているのは「伴走支援」というアプローチです。
作ってもらうのではなく、一緒に育てる。
具体的には:
一緒に手を動かす: 外部の専門家が代わりに作るのではなく、社内担当者と一緒に作る
段階的な自立: 最初は手厚くサポートし、徐々に社内だけで回せるようにする
成熟した技術を選ぶ: 利用者が多く、情報が豊富な製品・技術を使う。いわゆる「枯れた」技術です。具体的に言えば JavaScript など。困ったときに相談できる人が見つかりやすい
伴走支援のメリット
1. 社内にノウハウが残る
外部の専門家が「教えながら作る」ことで、社内担当者がシステムの仕組みを理解できます。
軽微な改修なら、社内で対応できるようになる。
2. コストの平準化
一括請負開発(数百万円〜)ではなく、月額定額やチケット制で契約する。
キャッシュフローへの負担を抑えながら、継続的にサポートを受けられます。
3. 現場に合ったシステムになる
実際に使いながら「ここを直したい」という要望にすぐ対応できる。
アジャイル的な改善サイクルが回せます。
私のスタンス
私たちが目指すのは、最終的には私たちが卒業して社内で回せるようにすることです。
もちろん、複雑な案件や新しい技術が必要なときは、また相談していただければいい。
その時に他のベンダに依頼しても「あ、これなら分かります」という状態を作っておく。
でも、日常的な運用や軽微な改修は、社内でできるようになる。
それが「伴走支援」のゴールです。
まとめ
中小企業のDX推進を阻む最大の壁は「人材不足」
「ひとり情シス」には限界がある
外部委託だけでは社内にノウハウが残らない
「伴走支援」で、一緒に育てながらスキルを移転する
ゴールは「社内で回せるようになること」
明日はなぜ「利用者が多く、情報が豊富な製品・技術を使う」という考え方に至ったのか、経緯を書いていきます。
プライベートも含めてこの考え方を適用しています。
