完璧な計画より、続けられる計画 ─ アジャイルの本質
完璧な計画の罠
「明日から毎日5:30に起きる!」
こう決意した経験はありませんか?
結果は... 3日で挫折。私も何度も経験しました。
なぜ失敗するのでしょうか?
多くの人は「完璧な計画」を立てようとします:
毎日5:30起床
起きたらすぐジョギング
その後シャワーを浴びて朝食
7:00には仕事開始
素晴らしい計画です。でも、最初から完璧を目指すから続かないのです。
そして3日で挫折すると、多くの人は「自分の意志が弱いからだ」と自信を失います。
でも、これは意志の問題ではありません。仕組みの問題です。
ソフトウェア開発も同じ
Day9 で書いた「ウォーターフォール」は、まさに**「完璧な計画」アプローチ**です:
要件定義:全ての要件を文書化する
設計:要件定義に基づいて設計する
実装:設計に基づいて実装する
テスト:仕様通りか確認する
納品:完成
しかし実際は、最初から完璧な計画は立てられません。
業務も人も複雑だから、です。
「アジャイル」という考え方
「アジャイル」という言葉を聞いたことがありますか?
多くの人はこう思っています:
「アジャイル開発って、すぐリリースできるやつでしょ?」
間違ってないかもしれませんが、本質は別のところにあります。
私は、アジャイルの本質は「小さな失敗を前提とした文化」だと思います。
「失敗しないように計画する」のではなく、「失敗を前提に計画を立てる」のです。
早起きの習慣で言えば、いきなり1時間前倒しの 5:30 は無理だから、まず10分前倒しから始める。10分も難しければ振り返って調整する。
「PDCA サイクルを小さく高速で回す」と言われた方がイメージしやすいかもしれませんね。
世界線2のアジャイル
アジャイルでは、例えば2週間を1サイクルとして開発します。これを「スプリント」と呼びます。
Day7 の世界線2では、こんな感じで進めました:
Sprint 1(Week 1-2): チャネル別売上の画面を作る
→ 経営者に見せる:「いいね。商品別にも見たい」
Sprint 2(Week 3-4): 商品別売上を追加
→ 経営者に見せる:「これだよ。在庫との比較も欲しい」
Sprint 3(Week 5-6): 在庫との比較を追加
→ 経営者に見せる:「完璧!」
2ヶ月で Phase 1 が完成しました。
ウォーターフォールの場合は、Week 1-2 で要求定義しようとしてなかなか決まらないことが多いのです。
アジャイル実践のために経営者に必要なマインドセット
アジャイルを取り入れる場合、現場だけでなく経営者にも必要なマインドセットがあります。
「一度で完璧」を求めない
最初から100点は無理
60点→80点→95点と近づいていく
現場とコミュニケーションを取る
スプリントレビュー(2週間に1回など)に参加する
「見て、触って、フィードバックする」
「失敗」を責めない
「違う」と気づくことは成功。
エジソンの言葉「私は失敗したことはない。うまくいかないやり方を10,000通り見つけただけだ。」
早く気づけば早く修正できる
失敗を前提とするマインドセットになれば、期待値コントロールもしやすくなり、ストレスも低減されます。
まとめ
小さく失敗して改善する、これは経営も同じだと思います。
最初から「確実に売れる」製品やサービスが計画できたら、そんなに楽なことはありません。
言葉はアジャイル、PDCA高速化、なんでも構いません。
うまくいかないやり方を潰していけば、うまく行く方法が見つかります。
アジャイル「文化」で、完璧な計画より続けられる計画にしてみませんか。
明日(Day12)は、システム開発で使われる アジャイルを実践するためのツールを紹介します。
「USM(ユーザーストーリーマッピング)」と「Acceptable Criteria(受入基準)」です。
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