見出し画像

経営者「ECサイトとPOSの売上を分析できるようにしよう」から始まる二つの世界線

導入:Week2の始まり

Week1では、私自身のこと、株式会社ラヴィのこと、そして「戦略実行設計者(Execution Architect)」という肩書きについて書いてきました。

Week2からは、もう少し具体的に「戦略実行設計者とは何をする人なのか」を深掘りしていきます。

まずは Gemini が作成してくれた例え話 を御覧ください。。

例え話:経営者「ECサイトとPOSの売上を分析できるようにしよう」

ある経営者が、こんな指示を出しました。

「すべてのECサイトの売上とPOSの売上を統合して分析したい。どのチャネルが売れているか知りたい」

この時、中堅企業や中小企業の現場で何が起こるでしょうか。

世界線1:戦略実行設計者がいない場合

何が起こるか
まず IT部門 もしくは IT得意マンに依頼

- IT部門:「具体的に何をすればいいんですか?」
- 経営者:「売上を見たいんだよ。データ分析だよ」
- IT部門:「どのデータを?どういう形式で?」
- IT部門:「ECサイトって何がありますか?」
- 経営者:「えーと、楽天と、Amazonと...他にもあったはず。営業に聞いてくれ」
- IT部門:「分かりました。それぞれのシステムからCSVダウンロードして、Excelで集計します!」

数週間後...

- IT部門:「データ量が多すぎて、Excelが落ちます...」
- IT部門:「1日分の集計を出すのに、3日かかります...」
- IT部門:「手作業が多くて、ミスが出ます...」
- 経営者:「それじゃ使えないじゃないか」
- (結局、外部コンサルに依頼することに)

外部コンサルに依頼…

- コンサル:綺麗な提案資料「Tableauでダッシュボード構築、Snowflakeでデータウェアハウスを導入しましょう!」
- 経営者:「よく分からないけど、いい感じに見える」
- 見積もり:500万円
- Tableau年間ライセンス:150万円/年
- Snowflake利用料:月10万円~(年間120万円~)
- 新規のSaaSアカウント管理が必要(社員ごとにTableauアカウント作成)
- SSOは別途設定が必要(または設定せず、パスワード管理が煩雑に)

実装フェーズで問題噴出…

- 開発会社:「楽天は仕様が特殊です」
- 開発会社:「ZOZOはAPI制限があります」
- 開発会社:「POSシステムは何ですか?」
- 経営者:「そんなこと最初に確認してよ」
- 追加費用:200万円、納期延長:3ヶ月

結果

- 期間:6-12ヶ月
- 初期費用:700万円
- 月額ランニングコスト:22.5万円(年間270万円)
- 新規SaaS契約:Tableau、Snowflake
- アカウント管理:新規アカウント必要、パスワード管理が煩雑
- 経営者の満足度:低い(期待と違う、手戻りが多い、ツールが複雑、費用対効果は?)

世界線2:戦略実行設計者がいる場合

何が起こるか

Step 1: 意図の確認(経営者の言葉で+USMで可視化)

- 私:「どういう分析をしたいですか?」
- 経営者:「どのチャネルが売れてるか知りたい。在庫配分を最適化したい」
- 私:「なるほど。では、在庫配分を最適化する流れを整理しましょう
(ホワイトボードに簡単なユーザーストーリーマップを描く)

【ユーザーストーリーマップ】
売上を見る → 在庫を見る → 比較する → 移動を決める

- 私:「まず『売上を見る』『在庫を見る』『比較する』を2ヶ月で作りましょう。『移動を決める』機能は次のフェーズで」
- 経営者:「いいね。まず見えるようにすることが大事だ」
- 私:「商品別、チャネル別の売上を日次で見られるようにします」
- 経営者:「そう、それが見たい」
- 私:「ECサイトはどこがありますか?営業部の佐藤さんに聞けばいいですか?」(経営者は細かいことは言わない)
- 経営者:「そうだね。佐藤に聞いてくれ」

Step 2: 技術的実現性の確認(関係者に確認しつつ整理)

(営業部の佐藤さんに確認)
- Shopify、楽天、Amazon、ZOZOTOWNの4つを利用中
(頭の中で整理&API などの連携機能の調査)
- Shopify → API連携OK
- 楽天 → RMS API OK
- Amazon → MWS API OK(認証面倒だが可能)
- ZOZOTOWN → APIなし、CSV手動でOK
- POS → 何を使ってる?確認必要

私:「POSは何を使っていますか?」
佐藤:「スマレジです」
私:「OK、APIで連携できます。ZOZOだけCSV手動でいいですか?」
経営者:「それくらいなら問題ない」

Step 3: 実装提案(経営者の言葉で+既存環境を活かす)

- 私:「御社はGoogle Workspaceをお使いですよね?」
- 経営者:「はい、GmailとGoogleスプレッドシートを使ってます」
- 私:「それなら、Google Cloud Platformを活用すれば、追加のSaaS契約は不要です。既存の環境で実現できます」
- 経営者:「新しいツールを覚えなくていいの?」
- 私:「はい。スプレッドシートでデータを確認できて、ダッシュボードはスマホでも見られます。社員が使い慣れたツールのままです」
- 私:「それに、既存のGoogleアカウントでそのままログインできます。新しいアカウントやパスワード管理は不要です」
- 経営者:「それは助かる。アカウント管理が増えるのは面倒だからね。予算は?」
- 私:「弊社のコンサル・要件定義作成費用が月150万円×2ヶ月で300万円。実装は外注で100万円程度。合計400万円です」
- 経営者:「ランニングコストは?」

- 私:「月3万円程度です。内訳はBigQueryが月1-2万円、Cloud Functionsが月5,000円程度、ストレージが月1,000円程度。Looker Studioは無料です」
- 経営者:「新しいSaaS契約もなくて、アカウント管理も不要で、半額以下で、6分の1の期間?それならすぐやろう」

Step 4: 開発会社への指示(技術者の言葉で)

- 私:「Google Cloud Platform(GCP)のCloud Functionsで各ECサイトのAPIを叩いてください。CSV連携のECはヘッドレスブラウザで夜中に自動ダウンロードしてアップロードできますか?」
- 私:「BigQueryにデータ集約、Looker Studioで可視化しましょう」
- 私:「商品マスタはスプレッドシートで管理、BigQueryと突合」
- 私:「Googleアカウントでログインできるように、IAMで権限設定してください」
- 開発会社:「了解です。2週間で初版、1ヶ月でブラッシュアップします」

Step 5: 品質確認・納品

- 私が要件通りか確認。USMで acceptance criteria (AC) 作成済み
- 経営者に使い方をレクチャー(使い慣れたツールなので5分で完了)
- 2ヶ月で完了

結果

- 期間:2ヶ月
- 初期費用:400万円(コンサル・要件定義・受入サポート等 300万円+実装100万円)
- 月額ランニングコスト:3万円(年間36万円)
- 新規SaaS契約:なし(既存のGoogle Workspace活用)
- アカウント管理:既存GoogleアカウントでSSO
- 経営者の満足度:高い(期待通り、手戻りなし、使いやすい、管理が簡単)

3年間の総コスト比較

- いない場合: 700万円 + 270万円×3年 = 1,510万円
- いる場合: 400万円 + 36万円×3年 = 508万円
- 差額: 1,002万円の削減

これが「戦略実行設計者」の価値

世界線2 で、戦略実行設計者が何をしたか振り返ってみましょう。(フィクションですが!)

1. 経営者の意図を理解した(経営者の言葉で)

「売上を分析したい」という抽象的な意図を「在庫配分を最適化したい」「商品別、チャネル別の売上を日次で見る」という具体的な要件に変換しました。新しい SaaS 契約の話やダッシュボード仕様の話はしていません。(必要に応じて提案することはあります)

2. 技術的実現性を判断した(技術者の知識で)

各ECサイトのAPI仕様、POSシステムの連携方法を即座に判断し、実現可能な設計を組み立てました。ただし、すべての連携先システムの仕様を把握してるわけではないので調査が必要なケースは多いです。

3. 既存環境を活かした(経営的視点で)

新規のSaaS契約ではなく、既存のGoogle Workspaceを活用することで、ランニングコストを抑え、アカウント管理も簡素化しました。

4. 開発会社に明確に指示した(技術者の言葉で)

具体的な技術スタックを指定し、開発会社が迷わず実装できるようにしました。

これが、経営者・現場・技術の断絶を埋める「戦略実行設計者」の価値だと考えています。

Day7 で書いたように、私は技術を手放なさずにプロジェクト管理の業務を行い、法人を立ち上げました。

だから、経営者の言葉も技術者の言葉も話せる。
そして、実行できているかの管理や報告もできる。

いわゆる「スキルの掛け算」「connecting the dots」でユニークな価値が提供できるのではないかと考えています。

まとめ

今週は Gemini が作ってくれた "世界線" をそれぞれのシーンでもう少し深掘ってみます。

経営者の方には「戦略を実行に移すために必要な視点」として、技術者の方には「技術を活かして経営に貢献する方法」として、引き続き、お読みいただければ幸いです。

いいなと思ったら応援しよう!