AEROPRESSの大会への準備(2026年版)
はじめに
今回、Japan Aeropress Championship 2026に出場するにあたり、記録として大会までの道のりを記録する。
エアロプレスとは
エアロプレスは、空気圧を利用してコーヒーを抽出するコーヒー器具です。もともとアウトドアスポーツメーカー「AEROBIE社」が開発したものです。ペーパードリップと比べると抽出の際にかかる圧力が強いため、コーヒーの成分をしっかりと出すことができます。
Japan Aeropress Championship
Japan Aeropress Championshipとは
「Japan AeroPress Championship(ジャパン・エアロプレス・チャンピオンシップ、通称JAC)」は、エアロプレスという抽出器具を用いて、最も美味しいコーヒーを淹れる技術を競う日本の大会です。この大会での優勝者は、世界大会「World AeroPress Championship(WAC)」への出場権を得ます。
大会に出場までの難しさ
JACはコーヒーの競技会の中でも人気の競技会で、一般の参加者も多くなってきました。しかし、大会出場枠は、162名しかありません(昨年の出場枠はその半分の81名でした)。その162枠は、例年Peatixというサイトでチケットが販売され、先着で参加者が決定します。そのため会場によっては毎年1分程度でチケットが売り切れるほどです。
私は昨年に続き今年が2度目の挑戦になります!
大会のスケジュール
さて、JACRCも来月に控えてますが、今年のJACのジャパンツアー日程をやっと発表できます!🇯🇵
今年はなんと予選6都市、6会場!
過去最大(?)の162名のコンペティターたちに日本チャンピオンを賭けて、押してもらいますYO!
👉JAC 2026 予選・決勝スケジュール
Check the Date
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【予選】
3/10(火) 長崎予選 at カリオモンズコーヒー茂里町店
3/24(火) 今治予選at みなと交流センター(はーばりー)
5/12(火) 横浜予選 at BERTH COFFEE みなとみらい
5/19(火) 金沢予選 at 金沢駅もてなしドーム地下広場
6/1(月) 青森予選 at UGUISU
6/23(火)山形予選 at やまがたクリエイティブシティセンターQ1
【決勝】
7/26(日) 前橋 SHIKISHIMA COFFEE COUNTER
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👉そして、もちろん気になる各会場エントリー日もコチラをご確認ください!
長崎予選 2/10(火)19:00〜
今治予選 2/12(木)19:00〜
横浜予選 3/30(月)19:00〜
金沢予選 4/1 (水)19:00〜
青森予選 4/20(月)19:00〜
山形予選 4/22(水)19:00〜
🔗全てPeatixにてエントリーです!
当アカウントのプロフィールリンクをチェックしておいてくださいね!
🔥各会場3人の決勝進出者が集まり、決勝は18名による大決闘!
今年のチャンピオンは一体誰か!
前橋大決戦と名付けよう…シキシマチームよろしくです!
🔥全ての会場で観覧もできるよう各会場のホストチームと動いております!
エアロプレスで淹れたコーヒーも飲めるようにしたい!ミラーボールも仕込みたい!
2026年も皆さまと一緒にエアロプレスを通してコミュニティを盛り上げることができるのが今からとても楽しみです!
ルールとレギュレーションの確認
以下、JAC2026のルールとレギュレーションの大枠です。
ルールとレギュレーションの大枠
イベントフォーマット
ブリューワーの仕様と制限事項
フィルターの使用とガイドライン
抽出に使用するアクセサリとツール
抽出に関するレギュレーション
水に関するレギュレーション
審査の流れ
セットアップタイム前の準備
セットアップタイム
競技時間
その他
以下、各項目について詳しくみていきましょう。
1.イベントフォーマット
a. 大会はマルチラウンドのエリミネーショントーナメントです。
b. 各ラウンドでは、2人以上の競技者が純正のAeroPress本体を使用して同時にコーヒーを淹れます。
c. セットアップタイムは分、競技時間は5分です。
d. 抽出後、コーヒーは同一の容器に入れてジャッジに提供されます。
e. 審査員は各コーヒーをブラインドでカッピング評価します。ジャッジ自身が一番好みのコーヒーを指差しで決定します。
f. 各ラウンドで最も多くのジャッジから指差しされたカップの競技者が勝者となり、次のステージへ進むことができます。
大会は、基本的に3人1組で対戦し、勝者が次のラウンドへ進出する形式です。
JAC2026では、6会場合わせて162人がエントリーし、優勝者が世界大会へと駒を進めます。今大会では基本的に3人1組で対戦するため5回勝てば優勝となります。
2.ブリューワーの仕様と制限事項
a. 競技者はAeroPress, Inc.が製造する純正のエアロプレスコーヒーメーカーを使用する必要があります。
b. チャンバー、プランジャー、フィルター キャップを含む、純正の AeroPress に付属されるすべてのツールを使用できます。
c. 競技者は様々なバリエーションのAeroPress コーヒー メーカー (Original、Clear、Go、XL、Premium、Clear Colorsなど)を使用することができます。また、AeroPress, Inc. が製造する純正のフローコントロールフィルターキャップを使用することが可能です。
d. 競技者は、ワールドエアロプレスチャンピオンシップが作成するトロフィーや、カスタムペイントされたトロフィーを使用できます。
e. 競技会のいかなる側面においても、他のコーヒーメーカーの使用は許可されません。フレンチ プレス、ドリッパー、ゼロ バイパス ブリューワー、サイフォン、またはその他の抽出器具を使用してのコーヒーの抽出は認められません。
JAC2026では、AeroPress, Inc. が製造する純正のフローコントロールフィルターキャップを使用することが可能です。例えば、Fellow Prismoはルール上使用できないことになります。
また、エアロプレスの型によって、注げるお湯の量に差があります。例えば、レシピによっては可能かもしれませんが、エアロプレス Goだと容量が小さいためバイパス前提のレシピ設計が必要になります。
3.フィルターの使用とガイドライン
a. ブランドの制限はなく、どのようなタイプのペーパーフィルターでも使用することができます。
b. フィルターは、紙、金属、布、その他の素材でも使用可能です。
c. フィルターは、チャンバーに取り付けるときにフィルターキャップの内側に収まるものを使用してください。
フィルターキャップが純正であれば使用するフィルターの素材は自由です。
ちなみに、JAC2024の優勝者のフィルターはネルフィルター、JAC2025の優勝者のフィルターはSIBARISTでした。
4.抽出に使用するアクセサリとツール
a. グラインダー、ケトル、サーバー、スケール、マドラー、スプーン、タイマー、温度計、ブリュワースタンド、ドリップ台シフター、粉受け、TDS計、その他競技中やプレス時に盛り上がるアイテムをお持ち込みできます。
b. 競技で使用できる電子ケトルのベースは1台のみです。ケトルは2台以上使用可能です。
c. パラゴンなど、液体の冷却に使用する道具は使用可能です。
d. 競技者は、ドリップアシストツールを使用することができます。※アシストツールとしてのドリッパーは使用可
bについて、ケトルベースは1台飲み使用可能なため、抽出の温度を投数によって変更する場合、ケトルに入れているお湯の量によって温度変更にかかる時間が変わるため注意が必要です。
dについて、メロドリップはドリップアシストツールなので、使用可能です。
5.抽出に関するレギュレーション
a.材料として許可されているのは、挽いたコーヒーと水のみです。
b. 主催者が競技用コーヒーを指定して提供した場合、それが使用できる唯一のコーヒーです。
c. 主催者が競技用水を指定して提供した場合、それが使用できる唯一の水です。
d. 各レシピで使用できるコーヒー粉の量は最大20g です。
e. 競技者は最低でも150g以上の液体量でコーヒーを提供する必要があります。
f. 競技者は、抽出したコーヒーに加水をすることができます。※水以外の液体を加水することはできません。※氷の使用はOK. 制限時間5分以内に抽出したコーヒーが所定の提供場所へサーブされなかった場合は失格となります。
昨年は使用できるコーヒー粉の量が「最大18g」だったのに対し、今年は「最大20g」と上限が緩和されました。
6.水に関するレギュレーション
a. 水の指定はありません。
b. 水は「ナチュラル」な味でなければならず、目立った甘味や不純物が含まれていてはなりません。
c. ジャッジ中に違和感のある甘さがある場合は、ヘッドジャッジに水の提出をしなければなりません。
d. レシピでの氷の使用や、バイパス用の任意の温度での水の使用は許可されています。
JAC2026では、主催者からの水の指定はなかったため、水は自由です。
カスタムウォーターについても使用可能です。b. に「水は「ナチュラル」な味でなければならず、目立った甘味や不純物が含まれていてはなりません。」
とありますが、ナチュラルミネラルウォーターに含まれるミネラル類の添加は問題ないです。
7.審査の流れ
a. 各ラウンドでジャッジはカッピングスプーンを使用し、ブラインドでカップから直接コーヒーの液体を掬い審査します。
b. 競技者の競技番号はカップの底にマークされます。
c. 正式なスコアシートはありません。審査員は単に好みのコーヒーを決定するのみです。
d. 各ジャッジは、他のジャッジと議論することなく単独で好みのコーヒーを決定します。
e. 2分間のジャッジタイム終了後、カウント3,2,1で、ジャッジは好みのコーヒーに指をさしてジャッジをします。
f. MCは勝者のカップを持ち上げて、ラウンドの勝者を明らかにします。
g. 3人のジャッジが異なるカップを指さした場合、延長戦へ突入します。ヘッドジャッジ1名が約1〜2分間テイスティングをし、好みのカップを指差し勝者が決定します。
h. 予選のファイナルラウンド、決勝大会はヘッドジャッジを含む5人のジャッジで審査をします。表が割れた場合、同票の2つのカップに対し好みのカップを指差し1位、又は3位の競技者が決定します。
i.予選大会では、各ラウンドでのジャッジタイム終了後に2分間のフィードバックタイムを設けます。フィードバックを希望する競技者は競技終了後速やかに撤収作業をし、ジャッジテーブルの前に移動してください。
8.セットアップタイム前の準備
a. セットアップタイムの前に、競技者はケトル内に水を注いでお湯を沸かしはじめることができます。
b. グラインダーの電源を接続できます。
9.セットアップタイム
a. 競技時間前に5分間設けられます。
b. セットアップタイムでは次のことを行うことができます。
ⅰ. 抽出器具やその他ツールを所定の場所に設置できます。
ⅱ. 予め沸かしたケトルのお湯を再加熱し、保温をすることができます。
c. セットアップ時間に競技者は次のことを行ってはなりません。
ⅰ.フィルターをリンスする。
ii.抽出器具と容器の予熱/予冷
iii.コーヒー豆をミルに投入する行為
ⅳ.コーヒー豆のグラインド
コーヒー豆のグラインドはできませんが、事前に使用する豆量を計量しておくことは可能なので、セットアップタイム以前に使用するソーティング済みの豆を使用する量だけ分けておくとよいかと思います。
10.競技時間
a. 競技時間の5分以内に、競技者は次のことを行わなければなりません。
ⅰ.コーヒーの抽出
ii.所定の位置へのコーヒーの提供
b. 競技時間の5分以内に、競技者は次のことを行うことができます。
ⅰ.フィルターをリンスする。
ii.抽出器具やサーバー、提供用カップなどの予熱/予冷
ⅲ.コーヒー豆のグラインド
昨年は「競技時間の7分(予選) / 5分(決勝大会)」だったのに対し、今年は予選と決勝ともに競技時間は5分に変更になりました。
11.その他
a. 競技テーブル内では、競技者1人あたり60cm×60cmの競技エリアが設けられています。競技ラインから抽出器具や備品がはみ出たり、ライン上に重なることのないようセッティングしてください。違反を見つけた場合は運営から1度目の注意をします。2度目の違反が確認された場合は失格となります。
b. アクシデントが発生した場合(セットアップタイムでケトルのお湯が沸かない等)は、JAC運営に速やかに申告してください。状況に応じて協議し、対応が必要な場合は進行を一時ストップします。
c.抽出に必要な器具は全て競技者自身が用意し持ち込んでください。運営から貸出できる道具はありません。忘れ物やアクシデントにより持ち込んだ器具が故障した場合等、ご自身又は競技者同士で助け合い解決してください。
d.エントリーは全予選会場合わせて1社につき2名までとします。勤務する会社名・所属を飲食店に関わらず必ずエントリー時に記載してください。その他、個人事業主(フリーランス)、主婦、学生などご職業を記載ください。※Instagramでの選手紹介で職業や所属の開示ができない場合は、備考欄に必ずご記載ください。
e.競技者からのお問い合わせ、ご質問はPeatixにて受付します。運営個人にDMやLINE等での問い合わせはご遠慮ください。
お問い合わせの際はお手数ですが、件名、競技会場、競技者氏名を必ずご明記いただきますようお願いいたします。
aについて、私は練習段階から本番と同じ競技エリアや競技時間で練習していました。

Q&Aの確認
JAC2026では、「ルールとレギュレーション」以外にスプレッドシートで競技者から寄せられた質問に対して運営が回答しているものがあります。
こちらも目を通しておくことが大切です。
注意点
ルールとレギュレーションは、年によって大なり小なり変更点があることが多いです。最新のルールとレギュレーションを細かくチェックしておきましょう。
大会豆の情報収集
JACRCについて
「JACRC(Japan AeroPress Championship Roasting Competition)」は、JACの競技で使用されるコーヒー豆の焙煎を担当するロースターを選出するための大会です。このコンペティションは、エアロプレス抽出の技術を競うJAC本戦とは異なり、焙煎技術に焦点を当てた競技会です。
ロースターの確認
競技課題豆は、当日にしかわからないものの、各会場の競技課題豆を焙煎するロースターは事前に発表されています。言わずもがな、ロースターによって目指す味わいが違うため、どこのロースターが焙煎するかによってコーヒーの味わいが変わります。
JAC2026では、JACRC2026で上位だった以下のロースターがそれぞれの会場の競技課題豆を焙煎します。
1位 tempt:前橋決勝大会
Honduras / El Barracon / Pacas , Catimor / Fully Washed
2位 Allpress Espresso Japan:山形予選
Nicaragua / El Porvenir / Java / Honey
3位 AND COFFEE ROASTERS:青森予選
Colombia / La Esperanza / Yellow Bourbon / Washed
4位 pluto:金沢予選
Bolivia / Licoma / Catuai / Washed
5位 蜃気楼珈琲集団:横浜予選
Kenya / Meru(Grade:C) / SL28 , SL34 , K7 , Ruiru11 / Washed
6位 ROCA Coffee Roasters:今治予選
Ethiopia / Nigussie Gemeda / - / Natural
7位 ARCHIVE COFFEE ROASTERS:長崎予選
El Salvador / El Mirador / Bourbon / Washed
ちなみに、JACRC2025の順位は以下の通り。
1位 SHIKISHIMA COFFEE FACTORY
2位 FUSHI COFFEE ROASTERS
3位 TRUNK COFFEE
4位 3 CEDARS COFFEE
競技課題豆
各会場の競技課題豆を焙煎するロースターは事前に発表されていますが、競技課題豆については運営より競技会当日の受付時に200g×1袋を受け取ります。
そのため、競技者は当日渡される課題豆に対して、臨機応変にレシピを組む必要があります。
実際に課題豆を何度も抽出して検証することはできないため、事前にどのような豆がでも対応できる準備をしておく必要があります。
グラインダー
2025年の世界チャンピオンは、COMANDANTE Trailmaster x25 with Tigershark Burrs(挽き目:31 clicks)でした。
また、2025年の日本チャンピオン(世界大会出場時)は、1Zpresso(挽き目:70 clicks)でした。
2024年の各国での大会を勝ち抜いた競技者が使用したグラインダー一覧
・COMANDANTE C40
・COMANDANTE C60
・COMANDANTE X25
・1Zpresso K-ultra
・1Zpresso K-plus
・1Zpresso J-max
・Kinu K6
・Kinu M47 Phoenix
・Cafflano Grinder
・Timemore S3
・Timemore C2
・Millab E01
・Forte Baratza
・Mahlkonig EK43
・Purefresh Electric coffee grinder
・Mari Steiger B20
・Linglong R1
・Fellow ODE Generation 2
上記の中でもCOMANDANTE C40 が最も使われていた。
COMANDANTE C40 のクリック数は、以下の通りです。
10,16,18,21,21,22,22,23,23,24,25,27,28,30,31,32,33,33,34,52
クリック数は、22-25くらいがボリュームゾーンでした。
COMANDANTE C40 MK4を選択した理由
極めて高い粒度均一性は言うまでもなく、素晴らしい!
さらに、世界大会へ駒を進めた競技者が最も使っていたグラインダーでもあるため、レシピの検証が行いやすいのがこのグラインダーに決めた大きな理由です。
水の選定
普段飲んでいるコーヒーのうち、約99%は水で構成されています。後述するその水の硬度やアルカリ度は味わいに大きな影響を与えます。どういう味わいの液体を目指すのかによって水の選定はとても大切です。
別の記事で、「水がコーヒーの味わいに与える影響」について書いているので、気になる方はそちらも読んでみてください。
選定方法
今回、市販の水を複数購入し、硬度やマグネシウムとカルシウムのバランス、アルカリ度に着目しながら、淹れ比べ、大会で使う水を選定しました。

実際に大会で使用した水
【水1】CRYSTAL GEYSER
・ナトリウム:1.13mg / L
・カルシウム:0.64mg / L
・マグネシウム:0.54mg / L
・カリウム:0.13mg / L
・HCO₃⁻:20-30mg / L ※ドロップテストの結果
・硬度:38mg / L (軟水)
・pH値:約7 (参考値)
・採水地:ウィード(シャスタ水源)
【予備水】コントレックス
・カルシウム:46.8mg
・マグネシウム:7.45mg
・カリウム:0.28mg
・硬度:1468mg / L (硬水)
・pH値:7.4
・採水地:フランス
【予備水】赤ちゃんの純水
・カルシウム:0mg
・マグネシウム:0mg
・硬度:0mg / L (硬水)
・pH値:約7.0
・採水地:長野県安曇野
メインで使用する水は、「CRYSTAL GEYSER」です。
「コントレックス」については、抽出液にアストリンジェントを感じた時に1〜2g程度加えて希釈することで、渋みや酸味が柔らぐため、応急処置的な使用用途として準備しました。
「純水」については、濃度感が濃かった場合、純水で希釈することで抽出液の濃度のバランスを整える用途として準備しました。
フィルターの選定
2024年の各国での大会を勝ち抜いた競技者が使用したフィルター一覧
・AeroPress 純正フィルター
・Tricolate
・Sibarist
・Aesir
・ネルフィルター
・メタルフィルター
フィルターは、AeroPress 純正フィルターを使用している競技者が多かったです。
また、フィルターの枚数を複数枚にしたり、2種類のフィルターを使用している競技者もいました。
ペーパーのリンスについては、多くの競技者が行っていました。
私は、AeroPress 純正フィルターとAesir、PRECICE BREWの3種類で検証を行った結果、今回のレシピではAeroPress 純正フィルターが最も相性が良かったため、純正フィルターを使用しました。
レシピの組み立て
生産エリアとプロセスごとにレシピを組み立てる
大会当日、事前に競技課題豆を淹れることができる回数は1回です。
その数少ないチャンスでレシピを調整する必要があるため、事前に多くのパターンでレシピを組んでおく必要があります。
大会に臨むにあたって、以下の5パターンのレシピを事前に作成しました。
1.アフリカ / ナチュラル
2.アフリカ / ウォッシュト
3.中南米 / ナチュラル
4.中南米 / ハニー
5.中南米 / ウォッシュト
※時間があれば、アジアの豆やアナエロビックなどの特殊発酵プロセスのレシピも組んでおくのをおすすめします!(実際に、2025年に出場した鹿児島予選の豆はラオスの豆で焦ったのを覚えています、、、)
World Aeropress Championshipの優勝者のレシピを漁る
レシピを組み立てるときに最も参考にしているのが、World Aeropress ChampionshipのInstagram(@aero.press)です。このアカウントでは、各国での大会を勝ち抜いたレシピが投稿されています。
今回、実際に参考にしたレシピはこちらです。
こちらは2022年のイタリア代表 Mary Silletti さんのレシピです。
特徴としては「低温浸漬型レシピ」で、低温でゆっくり甘さを抽出して、クリーンでジューシーなカップを作りやすいレシピという印象です。
私は、このレシピをベースに今大会ではレシピを組んでいきました。
バイパス
バイパスとは
コーヒー抽出における「バイパス(bypass)」とは、抽出後にお湯を追加して濃度を調整するテクニックのことです。
なぜバイパスを使うのか?
味のバランスをコントロールしやすくするため
→ 苦味や過抽出を避けつつ、甘さやクリーンさを際立たせることができます。
濃くて美味しい成分だけを短時間で抽出するため、余計な雑味が出る前に抽出を止めることができます。
実際の大会レシピ(2026年)
競技課題豆(長崎予選)
・生産国:エルサルバドル
・地域:Apaneca Ilamatetec
・農園:エル ミラドール農園
・生産者:Felnando Lima
・品種:ブルボン
・精製方法:ウォッシュト
・標高:1,800m(?)
・焙煎度:浅煎り
・ロースター:ARCHIVE COFFEE ROASTERS
JAC2026長崎予選🐉課題豆情報☕️
Farm: El Mirador
Region: Apaneca Ilamatetec
Country: El Salvador
Producer: Fernando Lima
Variety: Bourbon
Process: Washed
Harvest: 2025
標高1,800mに位置するエル・ミラドール農園では、2005年のサンタ・アナ火山の大噴火の被害を免れた樹齢80年を超える古いブルボン種の木が今もなお栽培されています。収穫量は非常に少ないものの、植え替えで途絶えてしまう歴史を守りたいというフェルナンドさんの意向で、植え替えをおこなわずにそのままの状態が維持されています。
マラソンランナーでもあるフェルナンドさん。先週開催された東京マラソンでも完走し、世界6大マラソン走破を達成しました。
目指す味わい
フレーバー
一口目からフレーバーの強度が高く、明瞭な味わいを狙う。
TDSは、19.0-20.5を目指す。
アシディティ
熟したフルーツの酸
EYは、やや高めの約1.45-1.5を目指す。
ボディ
粘性があり、ラウンドなマウスフィールを目指す。
アフターテイスト
飲み込んだ後まで甘さやフレーバーが続く。
準備物
・AeroPress Clear
・純正フィルター
・COMANDANTE C40
・ドリップケトル
・タイマー
・スケール
・サーバー
・マドラー
・水(CRYSTAL GEYSER、コントレックス、純水)
・カッピングスプーン
・リンス用カップ
・抽出終了時にエアロプレスを置くカップ
会場に着いたらやっておくこと
・ソーティング
競技課題豆200gをソーティングし、最大3試合あるので、3袋に分けておく。
今回の競技豆は、大きさにばらつきがあり、パカマラ?と思わせるくらい大粒な豆も混ざっていました。
経験上ですが、小さい豆はタンニン感が出やすい印象があるため、今回は丸くて少し大粒な豆を使用しました。
・リハーサル時のレシピの確認
セットアップタイム
セットアップタイム(予選:5分 / 決勝:5分)で以下のことを行う。
1.ドリップケトルを沸かす。
2.抽出器具やその他のツールを所定の位置にセットする。
3.(バイパスレシピの場合)加水する水を指定の分量に分け、別の容器に入れておく。
4.パーパーをすぐリンスできるようにセットしておく。
競技時間
競技時間(予選:5分 / 決勝:5分)で以下のことを行う。
1.フィルターをリンスする。
2.コーヒー豆をグラインドする。(約1分)
3.以下の手順でコーヒーを淹れる。
リハーサルレシピ
ポジション:Inverted
豆量:15.5g
フィルター:AeroPress 純正フィルター(rinsed) ×
グラインダー:COMANDANTE C40 MK4
挽き目: 26 click
フィルターをリンス
コーヒー豆をグラインド
0:00- 65℃ +80g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:00- 88℃ +120g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:30- フリップ → 30秒でプレス
軽くスワリングして提供
リハーサルレシピで淹れたコーヒーを飲んだ感想と修正点
飲んだ感想
・酸がやや暗い
・濃度感がやや強い
・アフターがパウダリーで少しざらつく
修正点
・1投目の湯量を80gから85gに変更
・プレス時間を25秒から30秒に変更
1回戦レシピ
ポジション:Inverted
豆量:15.5g
フィルター:AeroPress 純正フィルター(rinsed) ×
グラインダー:COMANDANTE C40 MK4
挽き目: 26 click
フィルターをリンス
コーヒー豆をグラインド
0:00- 65℃ +85g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:00- 88℃ +120g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:30- フリップ → 30秒でプレス
軽くスワリングして提供

結果とジャッジの意見
結果
2-1で2回戦進出
ジャッジの意見(プラス)
・フレーバーがコンプレックス
・ストーンフルーツのようなフレーバー
・終始ネガティブな印象がな買った
・オレンジ、グレープフルーツのフレーバーなどが感じられ、コンプレックスなカップ
・終始甘くて酸もある
・甘味が高いリンゴのようなスウィートネス
ジャッジの意見(マイナス)
・液体が暗い
・濃度がやや濃い
・最初がオーバーエクストラクション
修正点
・酸は出せている印象なので、濃度感を調整するため2投目の湯量を120gから125gに変更
2回戦レシピ
ポジション:Inverted
豆量:15.5g
フィルター:AeroPress 純正フィルター(rinsed) ×
グラインダー:COMANDANTE C40 MK4
挽き目: 26 click
フィルターをリンス
コーヒー豆をグラインド
0:00- 65℃ +85g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:00- 88℃ +125g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:30- フリップ → 30秒でプレス
軽くスワリングして提供
結果とジャッジの意見
結果
2-1で決勝(予選)進出
ジャッジの意見(プラス)
・エレガント
・最後までテイストが持続した
・最後でクリーンカップになった
・フルーツの甘さがしっかりある
ジャッジの意見(マイナス)
・強く出過ぎていて、心地良さに欠ける
・アフターがややドライな印象
修正点
・さらに濃度感を調整するため2投目の湯量を125gから130gに変更
・プレス時間を30秒から35秒に変更
決勝(予選)レシピ
ポジション:Inverted
豆量:15.5g
フィルター:AeroPress 純正フィルター(rinsed) ×
グラインダー:COMANDANTE C40 MK4
挽き目: 26 click
フィルターをリンス
コーヒー豆をグラインド
0:00- 65℃ +85g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:00- 88℃ +130g(CG) → 1回本体ごと攪拌
1:30- フリップ → 35秒でプレス
軽くスワリングして提供
結果
1-4で2位
最後に
今回の大会準備は、たくさんの人に支えてもらいながら進めてきました。
水選びを科学的な見地からアドバイスをしていただいたビール醸造家の湯前さんや抽出を一緒に試し、率直な感想をくれたLayersチーム、応援に会場まで足を運んでくれた方々などなど。
最終的には一人でステージに立つものですが、その裏側は間違いなくみんなで作った一杯です。
この場を借りて、関わってくれた皆さんに心から感謝!
課題はまだまだたくさん!群馬でのファイナルも頑張るゾ!
おわり。

SNSもやっているので、ぜひ覗いてみてください!
【Instagram】Layers coffee
https://www.instagram.com/layerscoffee_kumamoto/
【Online shop】Layers coffee
https://layerscoffee-official.myshopify.com/
【LINE Official Account】Layers coffee
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