投資の基礎:「米国経済」と「富の寡占」
米国に投資するなら「米国経済」を知る必要がある。米国経済を語るには「富の偏り」を知っておく必要がある。あらゆる経済データを、富の "異常な" 偏りという前提を通して見る必要がある。ぜひこのデータは、数字と合わせて覚えておいていただきたい。
米国の家計純資産は、2026年第一四半期に過去最高の174兆ドルに達した。問題はその内訳である。上位1%の超富裕層が3割超を占め、上位10%の超富裕層含む富裕層が7割を占め、上位50%に広げると97%に至る。

世代別で見ると、ベビーブーマー世代とサイレント世代で総資産の6割超を占める。彼らは史上最大規模かつ最も裕福な高齢者層である。

富の偏りは資本主義の副産物として当然ではあるが、投資家としては気にしておくべき構造的問題となる。いくつかポイントを挙げる。
資産価格依存:限界消費性向は富裕層ほど低い。富が上位に集中するほど、経済全体の消費は「賃金」ではなく「資産価格」に依存するようになる。総資産の98%を上位半分が持つ社会では、資産価格の下落は政治的に許容できない。つまり、金融政策は事実上「プット」を内蔵するようになるということ。これがいわゆる「Fedプット」だが、ウォーシュ新議長はそれを取り払おうとしている。
下位50%の不満:株価が上がるほどGDPの数字は保たれるが、有権者の過半数は豊かさを実感しない。今まさに顕在化している。これは政治的にはポピュリズムと財政拡張の永続を意味し、フィスカル・ドミナンスの構造的な要因となる。
高齢富裕層:有権者としてのブーマーは資産デフレを絶対に許容しない。社会保障・メディケアにも触らせない。つまり正攻法でいけば、FRBと財政当局には「資産価格を守り、給付を守る」以外の選択肢が事実上ない。
行き着く先は「金融システムの崩壊(革命)」か「痛みを伴う自律的なリセット」か、市場ではなく政治で決まる。
中間選挙で何か見えるといいが。追々一緒に考えていきたい。
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