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【第二十話到達記念】『魔法の解かれた先で』――ここまでの物語を振り返る

🙇ごあいさつ


こんにちは、こんばんは✨
結城斗永です🙇


連載中の掌編小説
『魔法が解かれた先に』が、ついに昨日の投稿で第二十話を迎えました🎉🎊

ここまで欠かさずお読みくださり、毎話『スキ』を伝えてくれる方がいることに感謝でいっぱいです🙏
時折訪れて目を通してくださっている皆様も、本当にありがとうございます🙇✨

第二十話を終え、物語的にも新たな局面に入ります。
そこで、今回は『ふりかえり記事』として、登場人物これまでの物語をまとめてみたいと思います🤔💭

これまで読んでくださっている方には、少し立ち止まって物語を整理する時間✍️として。
そして、ここから読んでみようかなと思ってくださった方には、物語の入り口🚪として。少し長い記事になりますが、どうぞ、お付き合いください。



⚠️はじめに

この記事には、『魔法が解かれた先に』第一話から第二十話までの内容が含まれています。

物語の最初の驚きをまっさらな状態で楽しみたい方は、先に第一話からお読みいただくことをおすすめします。

▶︎【第一話はこちら】

▶︎【マガジンはこちら】


また、プロローグ的掌編として、第一話に登場する舞踏会の様子を先王側の視点から描いた、物語の原点となる作品もあります(読切掌編)

▶︎【掌編『魔法よ、解けないで』はこちら】


👑どんな物語なのか

 物語の始まりは豪華な舞踏会。

 美しいドレスをまとった女性と、若い王子が踊っている。

 やがて午前零時が近づき、女性にかけられていた魔法が解け始める。

 ガラスの靴は、擦り切れたゴムサンダルへ。美しい女性の姿は、みすぼらしい老いた男へ。

 そして、逃げていく男の顔を見た王子は叫びます。
「父さん!」
 その男は、かつてこの国の王だった人物。王子が幼い頃、突然城から姿を消し、母と息子を残していった父親でした。

 床に残されたのは、
 片方だけのゴムサンダル🩴

本作は、この奇妙な舞踏会の夜から始まる、父と息子の物語です。


ただし、これは単純な父親探しの冒険ではありません。

王子は父を憎んでいます。
母を残して逃げたこと。
母を壊してしまったこと。
自分を、息苦しい城の中へ置き去りにしたこと。

王子は父を見つけたい。

けれどそれは、もう一度会いたいからなのか。憎しみをぶつけたいからなのか。

あるいは、父が本当に自分の知るような男だったのか、確かめたいからなのか。

王子自身にも、まだ分かっていません。


📖主な登場人物


◆王子

本作の主人公。
幼い頃に父である先王が失踪し、その後は病んだ母と離されたまま、王になるための教育を受けてきました。

統治学や軍略、外交については学んでいますが、城の外の世界をほとんど知りません。

真面目である一方、自分を責めがちで、本当に自分のしたいことを考えることが苦手です。

父を激しく憎みながらも、舞踏会に残されたゴムサンダルを捨てることができず、旅の荷物へ忍ばせています。


◆先王

王子の父親であり、かつてこの国を治めていた王。王子が十歳になる前、突然城から姿を消しました。

自由奔放で、王としての威厳には欠けていた一方、使用人や民に気軽に声をかける人物でもありました。

王子の記憶の中には、無責任な父だけではなく、幼い息子を夜の街へ連れ出し、怖がる頭を撫でてくれた優しい父の姿も残っています。

舞踏会では魔法によって美しい女性へ姿を変え、成長した息子の前に現れました。

彼はなぜ城を去ったのか。なぜ父として名乗らず、再び逃げたのか。

その答えは、まだ明らかになっていません。


◆シュバルツ

王子に仕える側近。

王子より五歳ほど年上で、かつては衛兵団に所属していました。

少し抜けたところがありながらも、王子にとっては年の離れた兄のような存在です。

ヴァルドと話す時には息苦しさを感じる王子も、シュバルツには自然に本心を話すことができます。

旅支度や鍵開けなど、城育ちの王子が知らない技術にも長けています。


◆ヴァルド

側近たちを束ねる筆頭であり、先王失踪後は事実上、王政を支えてきた人物。

常に冷静で感情を乱さず、王子には威厳と責務を求めます。

民と王族は一線を引くべきであり、国を保つためには不要な枝を切り落とす必要がある――。

その統治思想は、民と親しく接していた先王とは対照的です。

王子と王妃の面会を制限し、王子が母の部屋へ入ろうとするたびに止めてきた人物でもあります。

第二十話の終盤、王子は深夜の王妃の部屋にヴァルドの姿を目撃します。

彼は一体、そこで何をしていたのでしょうか。


◆王妃

王子の母親。

先王が失踪したあと、毎日のように部屋で涙を流すようになり、やがて誰とも面会しなくなりました。

窓は分厚いカーテンで閉ざされ、使用人が出入りできるのは食事と薬を運ぶ時だけ。

夜になると、城内には王妃の苦しげな叫び声が響きます。

王子は母を救いたいと思いながらも、母の変わり果てた姿を見ることを恐れ、部屋の扉を開けられずにいます。

王妃を苦しめているものは、本当に先王の失踪だけなのでしょうか。


◆エレノア姫

隣国エミュニアの王女。

王子が十歳を少し過ぎた頃、初めてエミュニアを訪れた際に出会いました。

樫の木へ登って鳥の巣を助けようとする、好奇心旺盛で自由な少女です。
王子が初めて心を奪われた相手でもあります。

王子に「行きたい場所」を尋ね、
自分は、
「地図に載らない島へ行きたい」
と語りました。

利益や目的ではなく、ただ誰も見たことのないものを見たい。
そんな彼女の生き方は、王子が初めて自分自身の望みについて考えるきっかけになっています

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


🕯️ここまでの物語

◇第一話〜第四話

舞踏会と、消えた父

舞踏会で出会った美しい女性の正体は、失踪した先王でした。

逃げ去った父が残した片方のゴムサンダルを、王子は捨てることができません。

物語はそこから、父が消えた幼少期へ遡ります。

父の失踪後、母は部屋へ閉じこもり、王子はヴァルドの厳しい教育のもとで育てられました。

王子にとって父は、母を壊し、自分を置き去りにした男でした。


◇第五話〜第八話

エレノアと「行きたい場所」

隣国から届いた手紙をきっかけに、王子はエレノアとの出会いを思い出します。

彼女は王子に、自分が本当に行きたい場所を問いかけました。

王子が答えたのは、貿易や税制を学ぶための東の港町。
対してエレノアが語ったのは、誰も見たことのない「地図に載らない島」でした。

王子はそこで初めて、自分には「国のため」ではない望みが何もないことに気づきます。


◇第九話〜第十三話

先王らしき遺体

王妃の叫び声を聞いた王子は、何もできない自分への怒りを、父への憎しみに変えていきます。

その時、北方の街道で先王に似た遺体が見つかったという知らせが届きました。

父が死んでいるかもしれない。

憎んでいたはずなのに、王子はその死を受け入れられません。

自分の目で確かめるため、王子は北へ向かうことを決意します。

そして、父を幼い頃に亡くしたシュバルツも、王子の旅に同行することになります。


◇第十四話〜第十九話

旅立ちの準備と、父の記憶

王子とシュバルツは、ヴァルドに隠れて城を抜け出す準備を始めます。

その中で王子は、シュバルツが旅に必要な技術をよく知っている一方、自分は火の起こし方さえ知らないことを思い知らされます。

さらに、シュバルツから「先王に似ている」と言われた王子は、幼い頃の父との記憶を思い出します。

父に連れられて行った夜の酒場。
民と同じ席で酒を飲み、大声で笑う父。

帰り道、王子の頭を撫でてくれた父。

王子が憎んできた男は、確かに優しい父でもありました。


◇第二十話

城の外へ

シュバルツは厨房の鍵を開け、二人は食料を持って城を抜け出します。

庭から母の部屋を見上げた王子は、母を残して去る自分が、かつて憎んだ父と同じなのではないかと苦しみます。

そして、閉ざされた母の部屋にヴァルドがいることを目撃します。

なぜ、こんな時間に。
なぜ、母の部屋に。

王子は疑念を抱えながらも、城へ戻ることはできません。

狼の遠吠えが響く夜。王子は城に背を向け、シュバルツの後を追いました。


🌙物語は、ようやく城の外へ


第二十話まで、王子の世界はほとんど城の中にありました。

王子にとって森は、窓から眺めるもの。
狼は、遠くで鳴くもの。
民の暮らしは、書物や報告書の中にあるもの。

北方の街道も、地図の上に引かれた線でしかありません。

しかし、ここから王子は、その世界を自分の足で歩くことになります。

城を出れば、王子だからといって食事が用意されるわけではありません。
道が開くわけでもありません。
敵が頭を下げてくれるわけでもありません。

これまで学んできたものは、果たして城の外でも役に立つのでしょうか。

そして父の遺体は、本当に北方の街道にあるのでしょうか。

母の部屋にいたヴァルドは、何をしていたのでしょうか。

多くの謎が残ります。

物語は第二十一話から、新しい場所へ進みます。

ただし、王子が背負っているものは、城に置きざりにされてはいません。

母の叫び。
父への憎しみ。
エレノアの言葉。
片方だけのゴムサンダル。

それらをすべて荷物に詰め込んで、王子はようやく旅に出ます。

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✨ここから読んでくださる方へ

『魔法が解かれた先に』は、一話ずつ短く読める連載形式の物語です。

父を憎む王子。
息子に姿を見せられない父。
閉ざされた部屋で苦しむ母。
王子を厳しく導く側近。
兄のように寄り添う従者。
そして、自由を夢見る隣国の姫。

それぞれの言葉には、まだ語られていない過去があります。

魔法が解かれた先に現れるものは、必ずしも美しい真実ではありません。

見たくなかった姿。
知りたくなかった過去。

それでも、目を逸らさずに進んだ先で、王子は何を見るのでしょうか。

第一話から追いかけていただけたら、とても嬉しいです。

▶︎【第一話から読む】

▶︎【マガジンはこちら】

▶︎【プロローグ的掌編『魔法よ、解けないで』を読む】

そして、ここまで一緒に歩いてくださった皆さま。

物語は、ようやく城門の外へと飛び出ました。

これからも王子たちの旅を見届けていただければ幸いです。

次回、第二十一話。

窓の外にあった世界が、王子のすぐ目の前まで迫ります。

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結城斗永|掌編小説・詩のようなものを書きます✍🏻 私の物語は皆様からいただいた一杯の珈琲の味。 よろしければ応援よろしくお願いいたします。