#480 「ChatGPT秘書」と上手く付き合う第一歩。Deep Researchのために顔を覚えてもらおう
生成AIの普及に伴い、誰でも標準的なまとまったアウトプットが作成できるようになりました。ここまで普及したきっかけはやはり、AIモデルそのものの技術というのもあるでしょうが、やはり「誰でも使いやすくなった」ということが一番の原因だと考えています。
一方で、「誰でもできる」ということは、「できることの価値」を相対的に下げることでもあります。市場における「価値」は「需要と供給のバランス」で決まりますから、「誰でもできる」ようになったことで、供給量が一気に多くなるからです。
「生成AIを活用する」と一口に言っても、そのレベル感にはかなり濃淡あります。これまでも「ネット検索を活用する」という言葉をとっても、ほんの5分程度で辿り着きたい情報に辿り着き、情報の検索から独自の洞察にまで持っていけていた人もいれば、2時間かかっても辿り着きたい情報に辿り着けない人がいるなど、「検索リテラシー」には個人差がありました。
しかし、生成AIの場合、出来ることのバリエーションが一気に増え、独自のサービスがドンドン生まれているからこそ、「AIリテラシー」の幅がさらに上下に広がっています。
さらには、誰でも標準的なアウトプットを簡単に出せるようになったことで、「自分独自の視点・考え方」というのがないと、自分のアウトプットが生成AIの生み出す爆発的・標準的な情報の中に埋もれてしまいます。
ChatGPTのような生成AIを使うと、常に標準的なアウトプットしか作れないのか?というと、全くそうではありません。むしろ、「ChatGPT秘書」を効果的に使うことで、これまで考えることが出来ていないことを考えるための時間を作り出し、より創造性を高めていくことができます。
今日は、実際にChatGPTのDeep Research機能を使ってやってみたことを紹介しながら、生成AI時代に必要な「自分の意見を持つ・伝えるスキル」について考えてみたいと思います。
「ChatGPT秘書」に自己分析してもらった
私は、ChatGPT有料版を使っています。
無料版でも基本的なことは十分にできます。私の課金プランのPlusでは、目的に応じて適切なモデルを選択できることと、後述する「Deep Research」機能が利用できます。

ChatGPTを活用して「自分独自の視点・考え方」を反映したアウトプットを作るには、まずChatGPTに標準的なアウトプットを作ってもらった後に、自分で手直ししていく、というアプローチが考えられます。そこでポイントになるのが、いかにはじめから「自分の考えが盛り込まれた」ドラフトを作ってもらうかという点です。
当然ながら手直しの範囲が少ない方が、アウトプットを作り切るまでの時間は短縮できます。
さらにそれまで「ドラフトを書く」ことに使っていた30分を5分にできれば、残りの25分で別の視点からの分析を織り交ぜたりでき、より「自分独自のアウトプット」に繋げられます。
そこで有効活用できるのが、「Deep Research」機能。有料版であればプロンプトを入力する箱から機能をオンにすることができます。

実際に、次のようなプロンプトで「Deep Research機能」を使ってみました。
あなた
noteやStandFMで発信をしている林裕也について、どのような経歴、考え方の人物であるか、800字でまとめてください
ChatGPT秘書
林裕也さんについて、特にどのような情報に関心がありますか?例えば、彼の職業や専門分野、これまでの活動、特定のテーマに関する考え方など、重点を置きたい点があれば教えてください。
あなた
林裕也が独自に持っている思考方法や経験、社会課題やマネジメントに対する考え方について重点を置きたいです
その後、ChatGPT秘書がグルグルと考え始めてくれて、6分5秒後に計17件の私の発信内容を元にして、サマリを作ってくれました。
キャリア
IT業界で15年(うち約10年は東南アジア勤務)の経験を持ち、思考法や仕事観の土台はその海外経験にあります 。海外で培った視点によって、日本の諸課題も外部から捉える姿勢が養われました 。
価値観
毎日3,000字のnote執筆を日課とし、仕事・社会課題・教育など幅広いテーマで持論を発信しています 。自身の価値観や目標を明確化する独自のセルフマネジメント手法も実践しています 。仕事も子育ても両立できる時代を楽しむべきだと考え、そのコツやマインドセットも共有しています 。物事を前向きに楽しむには当事者意識(オーナーシップ)が不可欠であり、主体的に取り組む姿勢が成長につながると強調しています 。
関心事項
社会課題にも高い関心を持ち、noteで『社会を学ぶシリーズ』と題した考察記事を多数発信しています 。例えば、子育て問題では、保育園は「子どものためというより働く親のため」にあるとし、少子化に伴う人手不足に備え働きやすい環境づくりの重要性を提言しています 。また、家族で地域のごみ拾いボランティアに参加するなど、身近な社会貢献の実践例も発信しています 。
マネジメント
マネージャーには「オープン」である姿勢が不可欠で、自らの考えを繰り返し言語化する「自己開示」が重要だと説きます 。上司の考えが見えない状況は部下を不安にさせるため、思いを何度も言葉にして伝えるべきだとも述べています 。さらに、各メンバーがオーナーシップを持つことで、建設的な成果が生まれると考えており 、チームの主体性と信頼関係を重視するマネジメントを実践しています。
このように、自分で一から作ると1時間程度かかってしまうような「自己分析」のドラフト文を10分もかからずに生成してくれるのです。
この基本情報を読み込ませておくことで、これを土台としてアウトプットを作っていけるので、「はじめからある程度自分の視点を持ったアウトプット」が出来るのです。
大切なのは「思考の原液」
私は、仕事の取り組み方について「フローの仕事からストックの仕事」への転換こそが生産性を爆上げする秘訣だと考えています。
誰かに何かをオーダーされた際、毎回1から全てを新しく作り上げていては、「フロー型の仕事」から抜け出せません。
生成AIは、「フロー仕事をストック仕事に転換する」のに適したツールで、過去のアウトプットを読み込ませてミルフィーユのように蓄積させておけます。
新しいオーダーが来ても、土台からケーキを作りあげる必要はなく、ミルフィーユの上にイチゴを乗せるだけで納品、みたいな仕事ができます。
そして、納品したものをまた蓄積させることで、何層にも積み重なる強い基盤が出来上がります。
普段から発信していることは、「ChatGPT秘書」に顔を覚えてもらうための営みであると言えるのです。ネット上に自分の情報がなければ、いかに優秀な「ChatGPT秘書」とて、「あなた誰?」となってしまうのです。
生成AIが自動で文章を作ってくれるのに、自分で文章を書いたり、話したりする能力が必要なのか?と誤解しがちです。しかし、「自分ならではの考え」、つまり「思考の原液」は、いかに優秀な「ChatGPT秘書」とて理解することは出来ません。
いざ音声入力でChatGPTに自分の考えをインプットさせようとしても、普段から話すトレーニングが出来ていなければ、詰まってしまうことは必至です。話し方の前に、自分の意見がそもそもないというケースも少なくないと考えます。
自分の意見を持つには、まずは書くこと。書いて自分の意見を構成出来るから話せます。
AI時代に必要なのは、表面的なツールとしての使い方の知識よりもむしろ、AIにインプットするための人間側のアウトプット、思考の原液作りにあると考えています。
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