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【静かな養生録22】「結果を監視する」をやめた時、本当の信頼が始まる



「信じる」
という言葉は親しみがあり心強い言葉であり行動です。

「自分を信じる」と私も何かを決断するたびに言っていました。
実際に信じてもいました。

でも今振り返ると
あのころの「信じる」は、少し違うものでした。

・結果を信じていた。
・うまくいくことを信じていた。
・自分の判断が機能すると信じていた。

それは信頼というより、期待に近かったのかもしれません。

そして期待は、時に反対の出来事が起きます。
人に、環境に、自分自身に。

何度もそれを経験しました。

信じる、でも信じてもらえない関係性。
信頼を紡いでも、映し出されるものが違う。

自分という個性が、その環境にどういう反応や判断をするのか?
それを繰り返し見せられる日々。

ある日、それに疲れました。

でも疲れたというより、正確には
もう一つ深く潜ってみようと思ったのかもしれません。
信頼というレイヤーに。
「静まる感覚の信じる」という深い場所へ。

今回のお話はヨガの視点で見る「心の働きの養生」です。




「監視」という名の疲労

アーユルヴェーダでは、心の三つの質(グナ)について教えます。

・ラジャス(活動・動き)
・タマス(惰性・重さ)
・サットヴァ(純粋・明晰)

未来を監視し続ける状態は、ラジャスが過剰になっている状態です。
・このまま大丈夫か?
・あの選択は正しかったか?
・これからどうなるか?

心が休まず動き続けている。

現代はこの状態を「モチベーション」や「向上心」として肯定する文化があります。
常に考え、常に動き、常に最適化する。
それが「できる人」の証のように語られます。

でも身体や心は正直です。

ヴァータ(風)が乱れて、眠れない夜が増える。
ピッタ(火)が過剰になって、自分や他者への批判が強くなる。
疲れているのに止まれない。
休んでいるのに回復した感じがしない。

「監視」は、消耗します。
静かに、じわじわと、でも確実に。


信じてもらえない経験が教えてくれたこと

正直に書きます。

信頼を裏切られた経験があります。
信じていた環境が、信じていた通りではなかった経験。
丁寧に紡いできたものが、思った形に映し出されなかった経験。
自分の個性や判断が、受け入れてもらえなかった経験。

そういうことが、何度かありました。

最初は「私の何かが間違っていたのかも」と思いました。
もっとうまくやれたはず。
もっと違う方法があったはず。
これはwhat ifモードでした。

次に「もう信じるのをやめよう」と思いました。
期待しなければ、傷つかない。
客観的に、距離を置いて、感情を切り離して判断しよう。
これは自分を守る鎧でした。

でもどちらも、本当の答えではありませんでした。

what ifは過去に引き戻す。
距離を置くことは、自分からも遠ざかる。

そして気づきました。

私が疲れていたのは、信頼そのものではなく、
「信頼が報われるかどうかを監視し続けること」に疲れていたのだと。


深いレイヤーの信頼

「自分を信じる」には、レイヤーがあると今は思っています。

表層のレイヤー

結果への信頼です。
「これをやればうまくいく」
「自分の判断は正しい」という
成果や正しさへの期待。
これは、裏切られるたびに揺らぎます。

中間のレイヤー

プロセスへの信頼です。
「たとえうまくいかなくても、自分なりに精一杯やった」という
行動への誠実さ。
これは少し安定しています。

深いレイヤー

言葉にするのが難しいのですが
存在への信頼とでも言うべきものです。

うまくいっても、うまくいかなくても。
正しくても、間違っていても。
結果がどうであっても。

この時が、今ここに在ること。
自分という個性が、ここに存在していること。
そのこと自体への、静かな信頼。

これが、「鎮まる感覚の信じる」です。

期待でもなく、客観でもなく。
外側の結果に揺さぶられない
内側の深いところにある、静かな確信

今までの過程はこのレイヤーの道を歩んでいたのだと。
「信じる」という言葉は知っていたけれど
この「深いレイヤー」には届いていなかった。


潜り方

深いレイヤーに潜るのは
おそらくそれぞれユニークな経験を通していくものだと思います。

なので、ここでは私が経験から感じることを、いくつか書きます。

疲れを否定しない

「もう一つ深く潜ろう」と思えたのは、疲れを認めたからです。
「まだいける」
「もっと頑張れる」と監視し続けていたら、深いところには行けなかった。

疲れたと認めること。
それが、潜り始める第一歩でした。

アーユルヴェーダ的に言えば
これはヴァータの過剰を認めて、カパ(土・水)の安定に委ねるということです。
動き続けることをやめて、重力に身を任せる。

呼吸を使う

セラピストとして長年実践してきた中で
呼吸は一番確実に「深いところ」へ連れて行ってくれるものです。

浅くなっている呼吸に気づいたとき、ゆっくりとお腹まで息を届ける。
肋骨の間が開く感覚を追いかける。
それだけで
表層の「監視」から、少し深いところへ降りていける感覚があります。

深く潜るというのは、劇的な体験ではありません。
ただ、少し静かになる。
口元が緩む。
お腹のあたりがやんわりとほどける。
そういう、小さな変化です。

繰り返す

一度で深いレイヤーに届くわけではありません。

毎朝の深呼吸。
夜の「今日もありがとう」。
ドーシャ日記の記録。
瞑想の時間。

これらを繰り返す中で
少しずつ深いところへの「道」が育っていきます。

溝を掘るように、同じところを何度も通ることで、深くなっていく。これもサンスカーラ(習慣の溝)の原理と同じです。

ただ今度は、深いレイヤーの信頼へと向かうサンスカーラを育てています。


監視をやめると何が変わるか?私が感じた3つの軸

「監視をやめたら、うまくいかなくなるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。

私の経験では、逆でした。

判断が速くなった

監視しているとき、判断は「これで大丈夫か?」という問いへの答え探しになります。
でも深い信頼から動くとき、判断は「今の自分が感じていることは何か?」という問いへの応答になります。

後者の方が、ずっとシンプルで速い。

身体が楽に感じる

ヴァータの「風」が落ち着いて、全身の緊張が少し抜けていく感覚があります。
呼吸が深くなる。
夜眠れるようになる。
朝の目覚めが変わる。
身体へのジャッジが軽くなる。

他者への信頼する視点が変わる

自分を深いレイヤーで信頼できるようになると
他者がどう評価するか?
どう反応するか?への執着が
少し薄まります。
「映し出されるもの」が違っても、揺さぶられにくくなる。

これは無関心とは違います。
ただ、自分の軸が深いところにあるから
表面の波に流されにくくなるということです。


信頼は育てるもの

深いレイヤーの信頼は、一日で手に入るものではありません。

私も、まだまだ途中です。
揺れることがある。
監視モードに戻ることもある。

でも今は、監視に気づいたとき
すぐに「あ、また心が浮いてる」とわかります。
そして呼吸をお腹に届けて、少し深いところへ戻る。

その往復を繰り返すことが
「信頼のレイヤー」を育てることだと今は思っています。

完璧に監視をやめる必要はありません。

ただ、監視に気づいて、深いところへ戻る練習を続けること。
それだけで、少しずつ重心が変わっていきます。

「鎮まる感覚の信じる」

それは目指すゴールではなく、繰り返し戻っていく場所です。


今日からできること

① 「これで大丈夫か?」という問いに気づく
この問いが出てきたとき、ひとつ深呼吸をする。
問いに答えようとしなくていい。
ただ、呼吸をお腹まで届ける。

② 今日の「鎮まった瞬間」を一つ書き留める
小さくていい。
ふっと力が抜けた瞬間。
口元が緩んだ瞬間。
それがどんな状況だったかを、ジャーナルに一行だけ書く。

③ 「信頼が報われたかどうか」を手放す
今日一日、結果の監視をやめてみる。
やったことに対して「これで良かったか?」を問わない練習をする。


結び

読んでくれてありがとう

「鎮まる感じの信じる」
それは、外側の結果に一喜一憂する自分を
深い場所からただ静かに見守るような感覚です。

信頼を裏切られた痛みも
思い通りにいかない焦燥感も
この深いレイヤーにおいては、静かな海面に広がるさざ波のようなもの。

その奥底にある
揺るぎない存在への信頼に立ち返るとき
私たちは
本当の意味で自分を「養生」することができるのだと感じています。



一言アファーメーション
命と時間に感謝。
深いところで、静かに、信じていい。


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それでは、次の記事でお会いしましょう。


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