倹約家の夫がどうしても手に入れたかったもの
私の夫は倹約家だ。
どのくらい倹約家かというと、月に15000円しかないお小遣いを大事に残しておくし、
コストコに行ったとて無駄遣いをしない。
彼のコストコのカートの中には
米、鶏肉、時々卵
という色気のないものしか入っておらず
そのあまりのすっからかんぶりにパートナーながら驚く。
こんな客ばかりだったらコストコは破産してしまうだろう。
コストコに行ってもでっかいマフィンやらでっかいプルコギやらをでっかいカートにどかどか入れない人を、彼以外見たことがない。
一方の私はお金をつかうことが好きだ。
百貨店にいけばアドレナリンが出てきて、
コスメカウンターを蝶のように舞い、
洋服売り場では競歩並みの早さで店から店へと駆け抜ける。
多分突然誰かが100万円くれても、1日で使い切る自信がある。
特技散財。
そんな調子で手元にお金があると使ってしまうから、お給料は常に引き出しにくい定期預金の口座や投資信託の口座にお金を入れて、引き出すのを面倒くさくしておくし、食材は余計な物を買わないように1週間分まとめて買い出しに行く。
一応、将来のためにお金を貯めたいという気持ちはあるのだ。
特技散財、趣味節約。
そして時々余計なものを買いそうになると横から夫が「これはいらないんじゃない?」とたしなめてくれる。
夫のおかげで我が家の資産は順調に積み上げられている。
あるとき、夫に聞いてみた。
「何か、買いたいものとかないの?」
「…ない、かな?」
「じゃあ、お金を貯めて何が楽しいの?」
「……お金が貯まる、ということ自体が楽しい」
私はこのセリフを、テレビでオードリーの春日さんもいってたな、
と尊敬半分、呆れ半分で聞いていた。
ところがである。
昨年、2人目のこどもの妊娠が分かった矢先
「育休、1年とる」
と夫が言い出した。
育休をとってもらうことに異論はない。
むしろありがたい。
でも1年!?
そんなにとって大丈夫なんだろうか…お金。
育休中は夫婦ともに育休手当がでるけれど、
ボーナスは出なくなるし、
月々の収入も減る。
夫が1年育休を取るとなると、
相当な減収となる。
細々とつけていた家計簿を見直し
夫が1年育休をとったら
どうなるのか計算してみた。
…余裕で赤字だった。
夫にそのことを伝えると
「そのために貯蓄があるんじゃん」
と言われた。
時間だけはお金で買えない。
だからもし、家族と過ごす時間を手に入れられるのならば、どれだけお金を支払っても、高くないのかもしれない。
私たちは、育休という選択に
お金を使うことを決めた。
そして今、絶賛イヤイヤ期の2歳と
どこへでも寝返りで転がりまくる0歳と
毎日4人で過ごしている。
0歳児が深夜3時に寝返りで壁に激突し、猫のように壁をとぎ始めると、夫が抱きかかえて寝かしつけてくれる。
2歳児からあきもせず毎日繰り出される
イヤイヤ攻撃に
こちらがイヤイヤだー!!
と怒りメーターが振り切れそうになると
夫がまあまあコーヒーでも飲みな、と
たしなめてくれる。
ひとりぼっちで育児をしていると
社会からぽっかりと抜け落ちてしまったような感覚になるときがある。
誰からも認められてない、
自分は今日も何も成し得なかった、
なんてぐるぐると考えても仕方のないことを考えてしまったりする。
そんなときに
ひとりじゃない、
と手を差し伸べて、
今日もおつかれ、
とノンアルビールで乾杯してくれる存在が
そばにいること。
それは私にとって
何よりの財産だと思う。
公園で泥んこになって、床に這いつくばってズボンの膝が薄くなって、服には母乳のシミができて
地味で、カッコ悪い毎日だけど
子どもたちがケラケラと笑いあっているのを見ると、
「ああ、死ぬときに思い出すのはこういうなんてことない、でもキラキラした毎日なのかもしれないな」
と思う。
今朝は上の子が
「もうすぐー、3歳になったらー、ママとパパは幼稚園に行って、私がお仕事するね!」
と高らかに宣言していた。
頼もしいけどパパとママ、ちょっと浮いてしまうかもしれない。
ちょうどあなたが3歳になるころ、育休は終わるよ。みんなで過ごせるのは、あと少しだね。
私は、夫婦でとったこの育休が
これ以上ない良いお金の使い道だったな、
と思えるように
小さな日々のきらめきを取りこぼさないように
全力でこの日々に向き合いたい。
#私のお金の使い道

