生成AI初心者のつまずき解消Q&A第5回|うまいプロンプトが書けません。何を入力すればよいですか?
生成AI初心者のつまずき解消Q&A
第5回|うまいプロンプトが書けません。何を入力すればよいですか?
一回で完璧な指示を作るより、対話しながら整える
こんにちは、ぜっとです。
前回は、
ChatGPT、Gemini、Claude。結局どれを使えばよいですか?
という疑問を扱いました。
一番優秀なAIを探し続けるよりも、まずは自分が使いやすいものを一つ選ぶ。
無料版で小さな仕事を頼んでみる。
回答を読み、合わない部分を伝え、修正してもらう。
その経験から、自分に合ったAIの選び方を育てていく。
そんな始め方をご紹介しました。
ところが、実際に生成AIの画面を開くと、次のところで手が止まります。
何を入力すればよいのだろう。
こんな短い文章で伝わるのだろうか。
上手なプロンプトを書けないと、AIは使えないのだろうか。
SNSでは、とても長いプロンプトを見かけることがあります。
役割。
目的。
背景。
制約条件。
手順。
禁止事項。
出力形式。
確認項目。
それらが何十行も並んでいると、
「こんな文章を書けない自分には、生成AIを使いこなせない」
と感じるかもしれません。
でも、初心者が最初から長くて完璧なプロンプトを書く必要はありません。
むしろ最初に覚えてほしいのは、
短く頼む。
回答を見る。
足りない部分を伝える。
もう一度直してもらう。
という使い方です。
今回は、生成AIへ何を入力すればよいのかを、初心者向けのQ&A形式で整理します。
Q1.そもそも、プロンプトとは何ですか?

プロンプトとは、生成AIへ渡す質問や指示のことです。
難しい命令文だけを指すわけではありません。
たとえば、
この文章を読みやすくしてください。
これもプロンプトです。
小学生にも分かるように説明してください。
これもプロンプトです。
次の二つの案を比較してください。
これも立派なプロンプトです。
つまり、プロンプトとは、
AIに、何をしてほしいかを伝える文章
です。
専門的な書き方を知らなくても構いません。
普段、人へ仕事を頼むときのように、
何をしてほしいか。
何を材料にするのか。
どんな形で返してほしいか。
それを伝えれば、生成AIは動き始めます。
Q2.長いプロンプトを書かないと、よい回答は出ませんか?

長ければよいとは限りません。
プロンプトが長くても、
目的が曖昧
条件が多すぎる
指示同士が矛盾している
何を優先するのか分からない
必要な材料が入っていない
という状態なら、回答も不安定になります。
反対に、短くても目的が明確なら、使いやすい回答が返ることがあります。
たとえば、
次の文章を、社内スタッフへ伝わりやすい連絡文にしてください。内容は変えず、書かれていない事実を追加しないでください。
これだけでも、かなり実用的です。
最初からすべての条件を詰め込むより、
一度回答を出してもらい、
もう少し短くしてください。
やわらかい表現にしてください。
箇条書きではなく、自然な文章にしてください。
勝手に追加した部分を削除してください。
と直していく方が、初心者には分かりやすいでしょう。
プロンプトは、一度で完成させる答案ではありません。
対話を始めるための最初の一言です。
Q3.最初に何を書けばよいのですか?

迷ったときは、次の五つを順番に考えてください。
1.目的
何のために使うのか。
2.材料
AIに見てほしい情報は何か。
3.条件
守ってほしいことは何か。
4.出力形式
どんな形で返してほしいか。
5.確認方法
どこを自分で確かめるのか。
一文にすると、次の形です。
何のために、何を材料として、どんな条件で、どの形にし、何を確認するのか。
この五つを毎回すべて書く必要はありません。
必要なものだけ使えば十分です。
初心者が覚えたいプロンプトの基本形
そのまま使える形にすると、次のようになります。
【目的】
何をしたいのかを書きます。
【材料】
AIに使ってほしい文章や情報を貼ります。
【条件】
守ってほしいことを書きます。
【出力形式】
箇条書き、表、メール文など、希望する形を書きます。
【確認】
不明な点は推測せず、質問してください。
すべてを書くと長く見えますが、実際には数行で構いません。
たとえば、社内連絡文なら次のようになります。
次のメモを、スタッフへ伝わりやすい社内連絡文にしてください。
内容は変えず、書かれていない事実を追加しないでください。
重要な日時と行動を先に示してください。
不明な点があれば、文章を作る前に質問してください。
【メモ】
ここに内容を貼ります。
これが基本です。
Q4.「あなたは専門家です」と役割を与えた方がよいのですか?

役割を与えると、回答の視点や言葉遣いが変わることがあります。
たとえば、
あなたは初心者向けの文章編集者です。
と書けば、難しい表現を避けた説明になりやすくなります。
あなたは会議を整理する進行役です。
と書けば、論点や未決事項を分ける方向へ進みやすくなります。
ただし、役割を書くことが最優先ではありません。
役割だけ立派でも、目的や材料が曖昧なら、使える回答にはなりにくいからです。
たとえば、
あなたは世界最高のマーケターです。SNS投稿を作ってください。
と頼んでも、
誰に届けるのか。
何を伝えるのか。
どの商品なのか。
どんな場面で使うのか。
それが分からなければ、一般的な文章になりやすくなります。
初心者は、役割より先に、
誰に、何を、何のために伝えたいのか
を書いてください。
役割は、その後で足せば十分です。
Q5.背景情報は、どこまで書けばよいですか?

回答に必要な範囲だけで構いません。
詳しく書くことと、個人情報や機密情報を入力することは別です。
たとえば、取引先への返信文を作る場合でも、
取引先の正式名称。
担当者の氏名。
電話番号。
正確な契約金額。
未公開の条件。
これらをすべて入力する必要はありません。
次のように一般化できます。
取引先から納品日の変更依頼がありました。こちらは準備が進んでいるため、全面的な変更は難しい状況です。関係を悪化させず、可能な範囲を確認する返信文を作ってください。
AIが必要なのは、相手を特定する情報ではありません。
何が起きたのか
こちらの立場は何か
何を伝えたいのか
どんな関係を保ちたいのか
という構造です。
背景情報は、
回答を作るために本当に必要か
という基準で選びます。
Q6.文章で説明するのと、箇条書きで入力するのはどちらがよいですか?

どちらでも構いません。
初心者には、箇条書きの方が使いやすいことがあります。
頭の中の情報が整理されていなくても、思いついた順に書けるからです。
たとえば、SNS投稿を作りたい場合です。
商品:A商品
特徴:手軽に使える
おすすめ場面:忙しい日の夕食
読者:仕事や家事で時間がない人
伝えたいこと:難しい調理をしなくても一品作れる
文体:親しみやすく
長さ:300文字程度
注意:書かれていない効果を追加しない
このように渡せば、AIは文章へ整えてくれます。
最初からきれいな文章を書く必要はありません。
生成AIへ渡す前のメモは、完成原稿ではなく材料です。
多少、順番が乱れていても構いません。
ただし、
どれが事実で、どれが希望で、どれが未確認なのか
は、できるだけ分けておきます。
Q7.一回で思いどおりの回答が出なかったら、プロンプトが悪いのですか?

そうとは限りません。
最初の回答は、完成品ではなく仮案です。
人へ仕事を頼む場合でも、一度の説明ですべてが伝わるとは限りません。
生成AIも同じです。
回答を見ながら、次のように修正できます。
長すぎた場合
半分の長さにしてください。重要な内容は残してください。
難しかった場合
専門用語を避け、初めて読む人にも分かるようにしてください。
文章が硬かった場合
教科書のような説明を弱め、自然に語りかける文章にしてください。
内容を足しすぎた場合
元の材料にない情報は削除してください。事実を補わないでください。
何を言いたいか分かりにくい場合
最初に結論を一文で示し、その後に理由を説明してください。
自分の意図と違った場合
私が一番伝えたいのは○○です。そこを中心に組み直してください。
プロンプトの上手さは、一回で完璧な指示を書く力ではありません。
出てきた回答を見て、何が違うかを伝える力
でもあります。
Q8.AIに質問してもらうことはできますか?

できます。
情報が足りないときに、AIが勝手に補わないよう、次の一文を加えます。
情報が足りない場合は、推測して完成させず、最初に質問してください。
さらに、初心者には次の使い方もおすすめです。
この仕事をAIへ頼みたいのですが、何を伝えればよいか分かりません。必要な情報を、一問ずつ質問してください。
するとAIが、
誰に向けた文章ですか
何を伝えたいですか
希望する長さはありますか
避けたい表現はありますか
元になる材料はありますか
といった質問を返してくれます。
こちらは、それに答えていけばよいのです。
プロンプトを一人で作る必要はありません。
プロンプトそのものを、AIと一緒に作ることもできます。
Q9.初心者が最初に使いやすい実務プロンプトを教えてください

ここからは、すぐに使える基本例をご紹介します。
個人情報や会社の機密情報を除いたうえで使用してください。
1.文章を読みやすくする
次の文章を、初めて読む人にも伝わるように整えてください。
内容や意味は変えず、書かれていない事実を追加しないでください。
長い一文は分け、重複表現は減らしてください。
【文章】
ここに貼り付けます。
2.長い文章を要約する
次の文章を読んで、
・結論
・重要な事実
・確認が必要な点
・次に行うこと
に分けて整理してください。
元の文章にない推測は加えないでください。
【文章】
ここに貼り付けます。
3.メールの下書きを作る
次の内容をもとに、丁寧なメール文を作ってください。
相手を責めず、こちらの要望は曖昧にしないでください。
件名も付けてください。
【相手】
取引先
【目的】
日程を再確認する
【伝える内容】
ここに箇条書きで書きます。
4.二つの案を比較する
次の二つの案を比較してください。
比較項目は、費用、時間、難易度、期待できる効果、注意点です。
表形式で示したあと、どちらを選ぶべきかを決めつけず、判断に必要な確認事項を示してください。
【案A】
ここに入力
【案B】
ここに入力
5.チェックリストを作る
次の作業内容をもとに、初心者向けの確認チェックリストを作ってください。
作業前、作業中、作業後の三段階に分けてください。
一項目を短くし、実際に確認できる表現にしてください。
【作業内容】
ここに入力します。
6.SNS投稿の下書きを作る
次の情報をもとに、SNS投稿文の下書きを作ってください。
読者の生活場面が思い浮かぶ内容にしてください。
大げさな表現や、確認できない効果は書かないでください。
300文字程度で、見出しも付けてください。
【商品・テーマ】
【特徴】
【おすすめしたい人】
【使う場面】
【伝えたいこと】
7.会議メモを整理する
次の会議メモを、
・決まったこと
・まだ決まっていないこと
・担当者
・期限
・確認が必要なこと
に分けて整理してください。
書かれていない担当者や期限は推測せず、「未定」としてください。
【会議メモ】ここに貼り付けます。
プロンプトに入れると便利な五つの補助文

毎回、長いプロンプトを書く必要はありません。
困ったときは、次の一文を追加するだけでも回答が変わります。
勝手に補ってほしくないとき
書かれていない事実を追加しないでください。
情報が足りないとき
情報が不足している場合は、推測せず質問してください。
初心者向けにしたいとき
難しい専門用語を避け、初めて読む人にも分かるようにしてください。
比較しやすくしたいとき
違いが分かるように表形式で整理してください。
最後に確認したいとき
回答の中で、事実、推測、確認が必要な点を分けてください。
この五つを覚えておくと、さまざまな仕事へ応用できます。
「うまいプロンプト」より、「直せるプロンプト」
生成AIを使い始めると、
もっと詳しく書かなければ。
もっと専門的な言葉を使わなければ。
もっと長い指示を作らなければ。
と考えやすくなります。
しかし、実務で役立つのは、見栄えのよい長文プロンプトとは限りません。
本当に必要なのは、
目的が分かる
材料がある
守る条件が分かる
希望する形が分かる
間違ったときに直せる
という状態です。
そして、最初から全部そろっていなくても構いません。
回答を見てから追加できます。
もっと短く。
この部分は残して。
そこは推測しないで。
表ではなく文章にして。
初心者向けに直して。
このように伝えれば、生成AIとの対話は続きます。
一回目の指示は、完成品ではありません。
一回目の回答も、完成品ではありません。
やり取りしながら、使える形へ近づけていく。
それが、生成AIを仕事で使う基本です。
今日の15分実践

今日は、過去に自分で作った短い文章を一つ選びます。
個人情報や会社の機密情報が入っていないものを使ってください。
文章がない場合は、次のメモを使います。
明日の打ち合わせは午後二時から。
資料は今日中に確認してほしい。
修正点があれば明日の午前十時までに連絡。
担当者が分からない部分は責任者へ確認する。
遅れる場合も連絡してほしい。
まず、生成AIへ次のように入力します。
次のメモを、スタッフへ伝わりやすい社内連絡文にしてください。
内容を変えず、書かれていない事実を追加しないでください。
日時と、相手にしてほしい行動が分かるようにしてください。
【メモ】
明日の打ち合わせは午後二時から。
資料は今日中に確認してほしい。
修正点があれば明日の午前十時までに連絡。
担当者が分からない部分は責任者へ確認する。遅れる場合も連絡してほしい。
回答が出たら、次にこう頼みます。
少し長く感じます。内容を減らさず、もっと短くしてください。
次に、もう一度頼みます。
読んだ人が確認しやすいように、重要な日時だけ箇条書きにしてください。
最後に確認します。
元の内容が変わっていないか
日時が正しいか
勝手な情報が追加されていないか
読んだ人が次の行動を理解できるか
自分の言葉として使えるか
ここまでで十五分です。
今日の目的は、完璧なプロンプトを作ることではありません。
頼む。
読む。
違いを伝える。
修正してもらう。
最後は自分で確認する。
この流れを一度体験することです。
プロンプトは、AIへ仕事を渡すための引き継ぎメモ

私は、プロンプトを魔法の呪文のように考えない方がよいと思っています。
仕事で考えれば、プロンプトは引き継ぎメモに近いものです。
何をしてほしいのか。
何を見てほしいのか。
何を変えてはいけないのか。
どんな形で返してほしいのか。
分からないときはどうするのか。
これを伝えるだけです。
人への仕事の頼み方が、一度で完璧にならないように、AIへの頼み方も使いながら育ちます。
最初は短くて構いません。
うまくいかなければ、何が違うかを伝える。
それでも違えば、例を示す。
足りない情報があれば追加する。
生成AIを使いこなす人は、最初から完璧なプロンプトを書けた人ではありません。
回答を観察し、修正を重ねられる人です。
まずは今日、一つの短い仕事を頼んでみてください。
そこから、あなた自身のプロンプトが育ち始めます。
次回予告

次回は、
AIの回答が長すぎます。欲しい答えだけを出してもらうにはどうすればよいですか?
という疑問を扱います。
なぜAIは説明を増やしすぎるのか。
短くしてと頼んでも、内容が薄くなるのはなぜか。
文字数、項目数、優先順位はどう伝えるのか。
結論だけ、要点だけ、行動だけを出してもらうにはどうすればよいのか。
初心者が使いやすい、
結論
理由
次の行動
注意点
という出力指定の基本を、実務プロンプトと一緒に整理します。
※本記事は、一般的な生成AIの利用方法を初心者向けに整理したものです。実際の業務利用では、個人情報や機密情報を入力せず、所属組織の規程、契約条件、利用中のサービスの設定をご確認ください。
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